概要:
我々の身の回りに存在するプラスチック、繊維、ゴムなどはすべて高分子(ポリマー)と呼ばれる物質で構成されている。例えばプラスチック製品としては、スーパーマーケットなどで見られるポリエチレンの包装紙、電子レンジ用のタッパー容器、トレイ用の発泡スチロール、飲料用品のペットボトル、電化製品の樹脂類など多くの例が挙げられる。繊維ではナイロンやポリエステルなど多くの合成繊維がある。ゴムでは自動車のタイヤが代表的に挙げられる。また、自然界では絹、羊毛、綿などの天然繊維や、穀物、材木、動物の肉、皮などはタンパク質やセルロースなどの天然の高分子からできている。また、遺伝情報をつかさどる遺伝子も核酸という高分子で構成されている。このように高分子から作られている物質は非常に多く、日常的に使用されている。
本科目では、このような高分子化合物の示す特徴ある性質や機能について理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
板書中心
注意点:
本科目では基礎化学、有機化学、無機化学、生物工学などの総合的な基礎知識が必要となる。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることが説明できる。 | 4 | 後4,後5 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 3 | 後4,後5 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応が説明できる。 | 4 | 後4,後5 |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 4 | 後1,後2,後10,後11,後12,後13 |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 4 | 後2,後10,後11,後12,後13 |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質が説明できる。 | 4 | 後10,後11,後12,後13 |
高分子の熱的性質が説明できる。 | 4 | 後3 |
重合反応について説明できる。 | 4 | 後4 |
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。 | 4 | 後5,後6 |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応が説明できる。 | 4 | 後6,後9 |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴が説明できる。 | 4 | 後7,後9 |
無機化学 | セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。 | 3 | |
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。 | 3 | |
物理化学 | 界面活性剤の種類と性質を説明できる。 | 4 | |
乳化とその実例を説明できる。 | 4 | |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)の化学を理解している。 | 4 | |