分析化学特論

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 分析化学特論
科目番号 0060 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 分析化学:大橋弘三郎他3名/三共出版
担当教員 劉 丹

到達目標

1.強酸(強アルカリ)、弱酸(弱アルカリ)及び塩の溶液のpH計算ができる。
2.緩衝液の意味が理解し、またその溶液のpH計算ができる。
3.錯形成について理解し、錯形成に与える影響因子を理解する。錯形成の滴定曲線をかける。
4.溶解度について理解し、溶解度に与える影響因子について理解する。溶解曲線をかける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1酸塩基平衡と中和滴定、緩衝液について正しく説明ができる。また、それに関係する計算が正しくできる酸塩基平衡と中和滴定、緩衝液について説明ができる。また、それに関係する計算ができる酸塩基平衡と中和滴定、緩衝液について説明ができない。また、それに関係する計算ができない
評価項目2錯形成について説明ができる。関係する計算が正しくできる。滴定曲線を正しく描ける錯形成について説明ができる。関係する計算ができる。滴定曲線を正しく描ける錯形成について説明ができる。関係する計算ができない。滴定曲線を描けない
評価項目3溶解度について正しく説明ができる。溶解度に与える影響因子を正しく理解する。また、溶解度曲線を正しく描ける溶解度について説明ができる。溶解度に与える影響因子をわかる。また、溶解度曲線を描ける溶解度について説明ができない。溶解度に与える影響因子をわからない。また、溶解度曲線を描けない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:

溶液内反応に基く分析法について理解を深める。溶液内の各種(酸塩基、キレート、沈殿)の滴定および計算とその分析化学への応用について理解を深める。
授業の進め方・方法:
講義を中心とし,1回の授業ごとに授業内容のまとめ、練習問題を課す。
注意点:
本授業では、すでに学んだ分析化学、機器分析学、物理化学、無機化学などの理解が基礎となるので、十分に復習をしておく必要がある。また、2、4年生で学んだ分析化学実験、機器分析実験も本授業と関連が深いので、計算法などを十分に復習をしておく必要がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学反応の平衡定数、平衡定数が与えられているときの平衡濃度の計算法 化学反応の平衡定数を理解し、平衡定数が与えられているときの平衡濃度の計算ができる
2週 強酸溶液、強塩基溶液のpHの計算法を理解する
強酸溶液、強塩基溶液のpHの計算ができる
3週 弱酸および弱塩基の平衡定数とpHの関係、弱酸および弱塩基溶液のpHの計算
弱酸および弱塩基の平衡定数とpHの関係を理解し、弱酸および弱塩基溶液のpH計算ができる
4週 弱酸、弱塩基塩の溶液pHの計算法を理解する。
弱酸、弱塩基の塩の溶液pHの計算ができる
5週 緩衝溶液について理解し、緩衝溶液のpHの計算 緩衝溶液について理解し、緩衝溶液のpHの計算ができる
6週 多塩基酸とその塩の溶液のpHの計算法を理解する 多塩基酸とその塩の溶液のpHの計算ができる
7週 多塩基酸の理論的中和滴定曲線 多塩基酸の理論的中和滴定曲線を描くための計算ができる
8週 中間試験
2ndQ
9週 配位結合、キレート化合物、単座配位子、多座配位子、キレート生成反応、金属錯体の逐次生成定数、全生成定数 配位結合、キレート化合物、単座配位子、多座配位子、キレート生成反応について理解する。金属錯体の逐次生成定数、全生成定数について理解する
10週 EDTAの水溶液中での解離、EDTAを用いて金属イオンを滴定するときの溶液のpH、絶対生成定数、条件生成定数 EDTAの水溶液中での解離について理解する。EDTAを用いて金属イオンを滴定するときの溶液のpHの重要性、絶対生成定数、条件生成定数を理解する
11週 金属イオンとEDTAの錯形成において、金属イオンの加水分解の影響、EDTA以外の錯形成物質の影響
金属イオンとEDTAの錯形成において、金属イオンの加水分解の影響、EDTA以外の錯形成物質の影響を理解する
12週 金属イオンの理論的キレート滴定曲線の計算法
金属イオンの理論的キレート滴定曲線の計算法についても理解する
13週 溶解度積の概念、沈殿のモル溶解度などの計算。また、沈殿の溶解度に影響を与える因子としての、共通イオン効果、異種イオン効果、水素イオンの濃度の影響、錯形成
溶解度積の概念を理解し、沈殿のモル溶解度などの計算法を理解する。また、沈殿の溶解度に影響を与える因子としての、共通イオン効果、異種イオン効果、水素イオンの濃度の影響、錯形成の影響を理解する
14週 沈殿滴定曲線の計算法 沈殿滴定曲線の計算法について理解する
15週 期末試験
16週 答案返却と回答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解している。4
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4前13,前14
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4前13,前14
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について理解している。4前2,前3,前4,前5
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基のpHの計算ができる。4前2,前3,前4,前5,前12
緩衝溶液とpHの関係について理解している。4前4,前5
錯体の生成について理解している。4前4,前5,前9,前10,前12,前13
錯化滴定、キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。5前9,前10,前11,前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000