概要:
化学と工業の発展により,人類は生活や文化等の分野で大きな恩恵を受けてきた.しかし,化学と工業の発展を支えてきたエネルギー源であり,多くの製品の原料となる石油資源について,環境破壊や地球温暖化等の負の側面や,産出量の減少など,様々な問題が顕在化しつつある.このような背景の中で,再生産可能な資源である生物資源の重要性は今後ますます大きくなると思われる. 生物資源とは木質資源,様々な生体由来の抗生物質などがあり,これらを用いた新たな技術や産業が検討されている.ここでは,生物資源物質とどのような物質なのかを理解し,生物資源を用いた新素材,新技術の開発などを学び,その重要性を理解することを目標とする.
授業の進め方・方法:
授業は基本的に講義の形式をとる。
授業内容は授業計画に示す通りである.
注意点:
2年生の化学、生物、3年生の有機化学1、生物化学、生物工学基礎、4年生の有機化学2を基礎とする科目であることから、これらの科目の理解度が低い学生は、これらの科目の理解度を十分にあげておく必要である。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 4 | 前1,前13,前14 |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | 前4 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | 前2,前3,前14 |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について理解している。 | 4 | 前2,前3 |
グリコシド結合を説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
多糖の例を説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 4 | 前7 |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 4 | 前7 |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を理解している。 | 4 | 前7 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを理解している。 | 4 | 前5,前6 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を理解している。 | 4 | 前4,前6 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | 前4 |
タンパク質の立体構造(一次・二次・三次・四次構造)について説明できる。 | 4 | 前5,前6 |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | 前9,前10 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を理解している。 | 4 | 前9,前10 |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 4 | 前9,前10 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について理解している。 | 4 | 前11 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について理解している。 | 4 | 前11,前12 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を理解している。 | 4 | 前11,前12 |