物質工学実験

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 物質工学実験
科目番号 0078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 配付プリント
担当教員 近藤 満,藤本 大輔

到達目標

1 実験課題を理解し,工学の基礎的な知識・技術を駆使して決められた時間内に計画的に実験を終え,期限内に報告書を提出できる
2 得られた成果を正確に解析し,工学的に考察できる
3 日本語による文章や, 図表を用いて論理的に説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1 事前に予習を行い,正しく機器を使用して効率的に実験を終え、報告書を提出できる。 決められた時間内に計画的に実験を終え,期限内に報告書を提出できる。 決められた時間を大幅に超えても実験を終えられない,あるいは期限内に報告書を提出できない。
評価項目2 得られた成果を正確に解析し,参考文献等からあらたな情報を追加して,工学的に深く考察できる。 得られた成果を正確に解析し,それを工学的に考察できる。  得られた成果を正確に解析できない。
評価項目3 得られた成果を正しい日本語による文章や,言いたいことが分かる図表を用いて論理的に説明できる  得られた成果を日本語による文章や, 図表を用いて論理的に説明できる  得られた成果を,日本語による文章や, 図表を用いて論理的に説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 有機、無機、材料分野において習得した各専門知識の基礎をもとに,実験課題について様々な機器を利用して解析し,検討を行い,材料の特性や構造について理解し考察するとともに,材料の概念を把握し,記述できること。
授業の進め方・方法:
 全体を6つの班に分け,6つのテーマをローテーションしながら実施する。1つのテーマは3コマ(1.5コマ×2週)である。各実験の目的,手法と注意事項,予想される結果に関する十分な予習を行うこと。また,適宜レポートに関する調査を書籍,文献やインターネットで行うこと。報告書の作成時間は講義時間中にはあまりとれないので,時間外にも行うこと。また、実験内容および操作に関する試験を行うので学習しておくこと。プレゼンの準備は授業時間内だけでは足りないので、放課後を使って行うこと。
注意点:
 物質コースで習得したすべての科目の知識と,実験,解析の手法を必要とする。また,4年における物質工学実験に続くもので,より複雑な材料を扱い,機器分析装置のより高度な利用法を習得する。
近藤担当分の評価割合は、試験20%、ポートフォリオ80%である。
藤本担当分の評価割合は、試験20%、発表10%、相互評価5%、ポートフォリオ65%である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション 各実験の目的,操作,ならびに実験における注意事項を知る。
2週 【テーマ1】染料の合成(第1週) 染料の合成法について理解できる。
3週 【テーマ1】染料の特性(第2週) 染料の主な特性について理解し,実際に評価できる。
4週 【テーマ2】機能性有機化合物の合成(第1週) 有機化合物の合成法について理解できる。
5週 【テーマ2】機能性有機化合物の分析(第2週) 機能性有機化合物の分析を行い、主な特性について理解できる。
6週 【テーマ3】出前授業の立案(第1週) 対象者を考慮して,出前授業を立案できる。立案にあたり,実施の際の安全管理,およびコストを考慮に入れることができる。
7週 【テーマ3】出前授業の立案(第2週) 模擬出前授業を分かりやすく実施することができる。
8週 【テーマ4】界面活性剤・撥水剤の合成(第1週) 陽イオン界面活性剤の合成法について理解できる。
4thQ
9週 【テーマ4】界面活性剤・撥水剤の合成(第2週) 界面活性剤,撥水剤を合成,材料に特性を付与し評価をすることができる。
10週 【テーマ5】熱分析TG-DTAによる高分子材料の評価(第1週) TG-DTAの原理について理解できる。
11週 【テーマ5】熱分析TG-DTAによる高分子材料の評価(第2週) TG-DTA分析によりガラス転移点,結晶性を評価することができる。
12週 【テーマ6】パソコンによる化合物の描画(第1週) 基本的な有機化合物についてパソコンで描画ができる。
13週 【テーマ6】パソコンによる化合物の描画(第2週) 複雑な構造を有する化合物についてパソコンで描画ができ、化合物の特性・用途を説明できる。
14週 テスト 実験内容および課題の内容について,説明できる
15週 テスト返却と解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
代表的な気体発生の実験ができる。3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後2,後3,後4,後5
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後2,後3,後4,後5
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後2,後3,後4,後5
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後2,後3,後4,後5
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験吸引ろ過ができる。4後2,後4
再結晶による精製ができる。4後2,後4
収率の計算ができる。4後2,後4
分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4後3,後5
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4後3,後5
物理化学実験基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合20520730100
基礎的能力0000000
専門的能力2040057081
分野横断的能力012016019