概要:
数学や物理・化学で習得した知識を組み合わせて,化学反応を用いる工業反応装置における反応操作の基本事項を理解する。さらに,図解法による反応装置設計について習得する。この科目は企業でプロセス設計を担当していた教員が、その経験を活かし反応器の種類、特性、設計手法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
板書による講義を中心に,演習問題を解きながら理解を深めます。図解法では実際に作図を行ない,代数的解法との比較を行います。また、事前・事後学習としてレポートを課す。
注意点:
物質工学科4年後期での反応工学実験において回分式反応など実際の現象を経験しており,解析方法等を理解していることが望ましい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
反応工学の概要 |
回分操作と連続操作,反応器の形式について理解できている。
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2週 |
反応の分類(1) |
単一反応と複合反応,素反応と非素反応について理解できている。
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3週 |
反応の分類(2) |
均一反応と不均一反応について理解できている。
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4週 |
反応速度の表式化(1) |
単一反応および複合反応の反応速度式や反応速度定数について理解できている。
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5週 |
反応速度の表式化(2) |
活性中間体の取扱いや定常状態近似について,理解できている。
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6週 |
反応速度の表式化(3) |
連鎖反応や酵素反応の反応速度式について理解できている。
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7週 |
反応速度の表式化(4) |
律速段階近似法や自触媒反応について理解できている。
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8週 |
【後期中間試験】 |
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4thQ |
9週 |
反応器の設計方程式(1) |
限定反応成分の反応率,各成分の濃度や分圧を表す式について理解できている。
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10週 |
反応器の設計方程式(2) |
各反応器の特徴を把握し,物質収支について理解できている。
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11週 |
反応器の設計方程式(3) |
連続槽型反応器および管型反応器の設計方程式を基に,反応器の性能を理解できている。
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12週 |
反応装置の設計と操作(1) |
連続槽型反応器の設計において,代数的解法を理解できている。
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13週 |
反応装置の設計と操作(2) |
連続槽型反応器の設計において,図解法を理解できている。
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14週 |
反応装置の設計と操作(3) |
管型反応器の設計における循環流れを理解できている。
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15週 |
【学年末試験】 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 重合反応について説明できる。 | 4 | |
物理化学 | 触媒の性質・構造を理解して、活性化エネルギーとの関係を説明できる。 | 4 | |
表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。 | 4 | |
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。 | 4 | 後9 |
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。 | 4 | 後4,後7 |
衝突理論を理解して、アレニウスプロットを説明できる。 | 4 | |
活性状態のエンタルピー、エントロピー、自由エネルギーの関係を定量的に説明できる。 | 4 | |
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。 | 4 | 後2,後3 |
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。 | 4 | 後5,後6,後7 |
化学工学 | 温度、圧力、液位、流量の計測方法と代表的な測定機器(装置)について理解している。 | 4 | |
プロセス制御の方法と代表的なプロセス制御の例について理解している。 | 4 | |
SI単位への単位換算ができる。 | 4 | |
物質の流れと物質収支についての計算ができる。 | 4 | |
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。 | 4 | |
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。 | 4 | 後1,後10,後11,後12,後13,後14 |