住環境計画

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 住環境計画
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 「コンパクト建築設計資料集成」;日本建築学会編/丸善 適宜プリントを配付する
担当教員 正木 哲

到達目標

1.住まいが、それぞれの地域の自然条件、人為的条件、歴史、風土等により形成されてきたことを説明できる。
2.住まいと人の生活の仕方・様式等の関係を理解し、現代の住まいの成り立ちや機能を説明できる。
3.集合住宅の計画技法や人が集合して住まうための計画手法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1住まいが、それぞれの地域の自然条件、人為的条件、歴史、風土等により形成されてきたことを十分説明できる。住まいが、それぞれの地域の自然条件、人為的条件、歴史、風土等により形成されてきたことを説明できる。住まいが、それぞれの地域の自然条件、人為的条件、歴史、風土等により形成されてきたことを説明できない。
評価項目2住まいと人の生活の仕方・様式等の関係を理解し、現代の住まいの成り立ちや機能を十分説明できる。住まいと人の生活の仕方・様式等の関係を理解し、現代の住まいの成り立ちや機能を説明できる。住まいと人の生活の仕方・様式等の関係を理解し、現代の住まいの成り立ちや機能を説明できない。
評価項目3集合住宅の計画技法や人が集合して住まうための計画手法を深く説明できる。集合住宅の計画技法や人が集合して住まうための計画手法を説明できる。集合住宅の計画技法や人が集合して住まうための計画手法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人々はあるところに居を構え、生活を営む。その地域は自然条件や歴史あるいは人為的条件があいまって風土あるいは伝統なるものを形成し、その住まいや住まい方に大きく影響する。しかも、そこでの暮らしは、家族、向こう三軒両隣や町内会などの単位あるいは自治体全体に広がる単位など様々な人々の集団の中で営まれるため、様々な段階のコミュニティと重なりながら住文化を育んでいる。
 したがって、住宅を計画する際には、単にモノづくり的に発想するのではなく、地域や家族の住文化を育む住まいを意識することが重要である。主体である家族ばかりでなく家族を取り巻く人々や、住宅ばかりでなく地域までを含めた空間、これらを総称して住環境と定義する。
 この住環境の視点から住まいを考えることが授業の目標であり、具体的には、住まいと生活の関わり方、住まいの機能の計画、集合住宅の計画を学び、理解する。
授業の進め方・方法:
講義中心
注意点:
特別な建築の知識はそれほど必要としない。授業の中で身につければ十分である。むしろ、社会や国語など人文系の教科目の幅広い知識が役に立つ。建築の専門を学ぶ一方で、人々の生活を見つめ直して幅広い視野を持つことが重要であり、でき得る限りの予習をすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 [1] 住まいと生活-住文化を考える
(1) 世界と日本の住まいを学習する。
グローバルな視点に立って、自然条件や人為的条件の違いによって住まいのつくりようが異なることを説明できる。
2週 [1] 住まいと生活-住文化を考える
(1) 世界と日本の住まいを学習する。
グローバルな視点に立って、自然条件や人為的条件の違いによって住まいのつくりようが異なることを説明できる。
3週 [1] 住まいと生活-住文化を考える
(1) 世界と日本の住まいを学習する。
グローバルな視点に立って、自然条件や人為的条件の違いによって住まいのつくりようが異なることを説明できる。
4週 [1] 住まいと生活-住文化を考える
(1) 世界と日本の住まいを学習する。
グローバルな視点に立って、自然条件や人為的条件の違いによって住まいのつくりようが異なることを説明できる。
5週 [1] 住まいと生活-住文化を考える
(1) 世界と日本の住まいを学習する。
グローバルな視点に立って、自然条件や人為的条件の違いによって住まいのつくりようが異なることを説明できる。
6週 (2) 日本の住まいの歴史を概観する。 日本の住まいが古代から近代まで歴史的にどのように変化・発展してきたのかを説明できる。
7週 中間試験 到達目標達成度の確認
8週 (3) 家族構成の変化と住要求について建築の対処方法を考える。 ライフサイクルの各ステージにおいて住要求が変化すること、その変化に対処するためにこれまでに考えられた方法を説明できる。
2ndQ
9週 (4) プライバシーとコミュニケーションから生活空間を考える。 人を取り巻く、個人-家族-社会の各段階で求められるプライバシーの質的違い、その対局としてのコミュニケーション段階を理解し、ゾーニングや空間配置を説明できる。
10週 (4) プライバシーとコミュニケーションから生活空間を考える。 人を取り巻く、個人-家族-社会の各段階で求められるプライバシーの質的違い、その対局としてのコミュニケーション段階を理解し、ゾーニングや空間配置を説明できる。
11週 (5) 住まいに求められる機能の変遷と分化を学習する。 機能分化(食寝分離、就寝分離)の意味を知り、近代住居理論の科学性を説明できる。
12週 (5) 住まいに求められる機能の変遷と分化を学習する。 機能分化(食寝分離、就寝分離)の意味を知り、近代住居理論の科学性を説明できる。
13週 (6) 住様式を考える。 ユカザとイスザの利点・欠点を知り、現代の住様式を説明できる。
14週 (6) 住様式を考える。 ユカザとイスザの利点・欠点を知り、現代の住様式を説明できる。
15週 期末試験 期末試験
16週 テスト返却と解説 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 [2] 住まいの機能と計画ー現代の住まい・空間を考える
(1) 接客空間を考える。
明治以降における接客空間の歴史的変遷を学習し、戦後否定された接客空間が今日でも設けられ、現代的意義を問い直されていることを説明できる。
2週 (2) 公室空間とその配置構成を学習する。 リビング・ダイニング・キッチンの配置の組み合わせの利点と欠点を説明できる。
3週 (3) 私室と高齢者空間を考える。 プライベートルームとして確立されていないと言われる現代日本の私室の状況、その位置づけを説明でき、高齢者空間のありようを説明できる。
4週 (4) 設備や家事作業の空間を考える。 水回りなど設備空間(便所、浴室、脱衣室など)や家事作業空間を学習し、ユーティリティや家事室の違いを説明できる。
5週 (5) 優れた住宅建築を学習する。 住宅建築は小規模住宅ほど機能的追求が明確である。ここでは戦後間もない頃の立体最小限住居などの試みの中に展開された近代住居の構成理論を説明できる。
6週 中間試験 中間試験
7週 [3] 集合住宅の計画ー集合住宅を考える
(1) 集合住宅の変遷を学習する。
集合住宅の種類は多彩で、郊外中高層団地やテラスハウス、市街地高層団地やタウンハウス、市街地超高層など時代とともに立地や住宅形式が異なってきたことを説明できる。
8週 (2) 集合方式と接地性および、いわば対局的に捉えた方がわかりやすい空間用語の概念を学習する。 戸建て住宅と共同住宅、階段室型と廊下型、接地型と準接地型・非接地型、コモンスペースや専用庭などを説明できる。
4thQ
9週 (3) 断面構成を考える。 フラットとメゾネット、スキップ形式など集合住宅独特の断面構成を説明できる。
10週 (3) 断面構成を考える。 フラットとメゾネット、スキップ形式など集合住宅独特の断面構成を説明できる。
11週 (3) 断面構成を考える。 フラットとメゾネット、スキップ形式など集合住宅独特の断面構成を説明できる。
12週 (4) 住戸平面構成の発展を学習する。 戦後のDK型から始まり、住戸規模の拡大に伴いLDK型、順応型、デュアルタイプ、メニュー方式など多様化してきた集合住宅の住戸平面の変化・発展を説明できる。
13週 (4) 住戸平面構成の発展を学習する。 戦後のDK型から始まり、住戸規模の拡大に伴いLDK型、順応型、デュアルタイプ、メニュー方式など多様化してきた集合住宅の住戸平面の変化・発展を説明できる。
14週 (5) 集合住宅計画の事例を低層、中層、高層にわけて、紹介する。 平行配置型から囲み型配置へなど、コミュニティーの形成をどのように空間的に工夫してきたかを説明できる。
15週 期末試験 期末試験
16週 テスト返却と解説 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野計画・歴史モデュールについて説明できる。3
建築設計に関わる基本的な家具をはじめとする住設備機器などの寸法を知っている。3
居住系施設(例えば、独立住宅、集合住宅など)の計画について説明できる。3
現代におけるコミュニティの役割について説明できる。3
参加協働によるコミュニティ開発について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000