都市計画

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 都市計画
科目番号 0025 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 適宜プリント配付。副読本は次のとおり。饗庭他『初めて学ぶ都市計画』市ヶ谷出版社,谷口『入門都市計画』森北出版,伊藤他『都市計画とまちづくりがわかる本』彰国社。これらの他,参考図書を適宜紹介する。
担当教員 加藤 浩司

到達目標

1. 都市を取り巻く環境との関係で都市計画を読み解くことの重要性を理解しつつ,わが国における都市計画の枠組みと課題を説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1都市を取り巻く環境との関係で都市計画を読み解くことの重要性を理解しつつ,わが国における都市計画の枠組みと課題を的確かつ詳細に説明できる。都市を取り巻く環境との関係で都市計画を読み解くことの重要性を理解しつつ,わが国における都市計画の枠組みと課題を説明できる。都市を取り巻く環境との関係で都市計画を読み解くことの重要性を理解しつつ,わが国における都市計画の枠組みと課題を説明することができない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では,私たちの暮らしの場である,都市空間を制御する道具としての都市計画についてその基本事項を学習します。
本科目の到達目標は,次のとおりです。都市化をめざす都市計画から成熟化をめざす都市計画へ。こうした状況の変化への理解も深めつつ,わが国における都市計画の枠組みと課題を説明できるようになること。あわせて,都市計画を,都市を取り巻く様々な環境との関係で読み解くことの重要性を理解すること。
授業の進め方・方法:
授業では,プリントを用意し,講義形式でその内容について説明します。
授業終了後は,各回の学習内容の定着と理解を図るため,プリントの見直しをするよう心掛けて下さい。
都市計画は,目の前に広がる景色全体が教科書です。問題意識や注意力をもって,日頃から景色を観察することが何より大切です。
注意点:
授業には,予習をして臨んでください。授業後には,各回の学習内容の定着と理解を図るため,プリントの見直しをするよう心掛けてください。都市計画は,目の前に広がる景色全体が教科書です。問題意識や注意力をもって,日頃から景色を観察することが何より大切です。
本科目の位置付けは,以下の通りです。
(1)本科目は「都市計画」という特定領域を扱う授業ですが,都市計画の専門家を育成することを目的に行うものではありません。本科目では,将来建築の実務に就くことを想定し,“都市空間を構成する要素としての建築”に携わる者の心得と基礎知識を学んで欲しいと考えています。
(2)都市計画・まちづくりを専攻する人にとっては,その入門編という位置づけです。そうした人たちには,本科目の成果として,今後の研究・設計活動の手がかりをつかんでくれることを期待します。
(3)本科目で学習する都市計画関連制度の詳細は,5年生の「建築法規」で確認してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,都市と都市計画,都市のかたち 本科目の目的と構成,進め方,ならびに評価方法等を知る。都市とは,都市計画とは,について説明できるようになる。近代以前の都市のかたちの特徴を説明できるようになる。
2週 都市計画の歴史1
*近代都市計画の誕生
近代都市計画誕生の経緯について説明できること。近代の都市問題とそこから生み出された都市計画技術についての理解は,私たちが暮らす現代都市の課題に対処する上で欠かせない。
3週 都市計画の歴史2
*田園都市,近隣住区,ラドバーン,ニュータウン等
田園都市,近隣住区論について特徴を説明できること。これらの都市論に基づいて建設された住宅地について特徴を説明できること。近代の都市問題とそこから生み出された都市計画技術についての理解は,私たちが暮らす現代都市の課題に対処する上で欠かせない。
4週 都市計画の歴史3
*工業都市,300万人の現代都市等
工業都市,300万人の現代都市について特徴を説明できること。後者は,各国の都市建設に強い影響を与える。この動きについて説明できること。また,ここまでの学習を振り返り,近代都市計画のコンセプトについて説明できること。近代の都市問題とそこから生み出された都市計画技術についての理解は,私たちが暮らす現代都市の課題に対処する上で欠かせない。
5週 都市計画の歴史4
*都市のイメージ,パタン・ランゲージ,アメリカ大都市の死と生等
都市のイメージ,パタン・ランゲージ,アメリカ大都市の死と生等の都市論について特徴を説明できること。これらの提案は,ここまでに学習した各論とは違う立場をとるものである。それぞれの立場を整理し,この意味を説明できること。この点を理解することは,近代都市計画に基づいてつくれられる都市が有する問題,さらには,今後の都市像,都市計画の方向性を理解することにつながるので重要である。
6週 都市の捉え方,これからの都市計画 都市の捉え方を説明できるようになること。建築・都市をめぐる近年の社会動向を理解し,これからの都市計画・デザインの方向性について説明できること。
7週 中間試験 第6週までの学習内容についての達成度を確認できること。
8週 都市計画制度の体系とマスタープラン わが国における都市計画制度の体系を説明できること。目標とする都市空間像や,その実現に向けた都市計画の基本方針の示し方とつくり方を説明できること。
2ndQ
9週 土地利用計画 都市の土地利用に関して将来のあるべき姿の示し方と,その実現の仕方について説明できること。区域区分と開発許可,地域地区のそれぞれについて役割と規制方法を説明できること。
10週 都市の住まいと住環境,建築のコントロール 都市の住まいと住環境について基本的な事項を説明できること。建築行為をコントロールするための方法について説明できること。建築敷地と道路の関係についての規定,用途地域制に基づく建築規制,ならびに建築協定・地区計画の役割と使い方等について説明できること。
11週 市街地整備事業 市街地整備事業の種類と,代表的な道具として,土地区画整理事業,市街地再開発事業の仕組み,意義・課題について説明できること。
12週 新しい都市の形と都市交通計画 ポスト成長時代の都市像(諸外国および日本の代表的な事例)の特徴について説明できること。都市交通計画の課題,道路の役割と段階構成,歩行者に優しい交通計画や歩行者空間の計画・設計手法について説明できること。
13週 公園・緑地の計画と都市の防災計画 公園・緑地の役割とその計画に際する考え方,都市の防災計画・復興計画の考え方について説明できること。
14週 参加・協働のまちづくり 都市計画を動かすためのシステムとして欠かせない市民参加や協働のまちづくりの事例学習を通じて,参加・協働まちづくりの意義やそれを支える基本的な技術について説明できること。
15週 期末試験 第8週から第14週までの学習内容についての達成度を確認できること。
16週 テスト返却と解説 本科目における達成度を確認できること。都市を取り巻く環境との関係で都市計画を読み解くことの重要性を理解しつつ,わが国における都市計画の枠組みと課題を理解する,という視点から本科目での学習内容を説明できること。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野環境・設備都市環境における緑の役割について説明できる。4
計画・歴史現代社会における都市計画の課題の位置づけについて説明できる。4
近現代都市の特質と課題について説明できる。5
産業革命と理想社会論について理解している。5
近代の都市計画論について説明できる。5
現代にいたる都市計画論について説明できる。4
市街地形成と都市交通のあり方について説明できる。4
街路計画の手法と理念について説明できる。4
日本の土地利用計画の仕組みについて説明できる。5
方法・制度の変遷について説明できる。5
景観形成・風景計画、用途・形態規制の仕組みについて説明できる。4
市街地を開発する仕組みについて説明できる。4
土地区画整理事業について説明できる。5
市街地再開発事業について説明できる。5
市街地を開発する地域コミュニティー等による仕組みについて理解している。4
市街地の防災、保全・改善事業について説明できる。4
地区計画制度について説明できる。4
建築協定・緑化協定などの住民参加・協働のまちづくりの体制について説明できる。4
都市の形成について説明できる。4
都市と農村の計画について説明できる。4
現代におけるコミュニティの役割について説明できる。4
中心市街地と郊外地域の関係について説明できる。4
施工・法規用途地域について説明できる。4
容積率・建ぺい率について説明できる。4
高さ制限について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力900000090
分野横断的能力100000010