建築計画Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 建築計画Ⅰ
科目番号 0026 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 コンパクト建築設計資料集成:日本建築学会編/丸善
担当教員 藤原 ひとみ,正木 哲

到達目標

1.教育施設として学校、なかでも、最も基本的で身近な小学校建築の計画について理解できる。
2.芸術施設として、大空間を持つ劇場建築の計画について理解できる。
3. 文化施設として、図書館建築、特に地域公共図書館の計画について理解できる。
4. 高層建築の施設として、オフィスビルの計画について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1学校建築における具体的な計画の方法(方式)について理解し、設計の基本計画ができる。学校建築における計画の方法(方式)について説明できる。学校建築における計画の方法(方式)について説明できない。
評価項目2劇場建築における具体的な計画の方法(方式)について理解し、設計の基本計画ができる。劇場建築における計画の方法(方式)について説明できる。劇場建築における計画の方法(方式)について説明できない。
評価項目3図書館建築における具体的な計画の方法(方式)について理解し、設計の基本計画ができる。図書館建築における計画の方法(方式)について説明できる。図書館建築における計画の方法(方式)について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築の本来の目的は、人々がさまざまな行為を行って生活する空間、そのような建築内外の生活空間を創造することであり、そのためには、そこで行われる生活と生活する人々の空間に対する多面的な要求を把握して、生活がうまく機能する空間を計画する必要がある。これを学ぶのが建築計画学である。人々の生活空間に対する要求は、常に発展するものであり、現状の社会的な制度やシステムによって規制された潜在的なものまで含めて捉えることが重要である。また、これらの要求に対応した空間をいかに計画するかという空間計画の手法を学ぶことが大切である。生活空間にはさまざまなものがあるが、いくつかの代表的空間(施設)を取り上げて、具体的な計画の方法(方式)を学習するが、その対象施設は4学年、5学年での建築設計演習の課題にも合わせて選んでいる。授業目標は次のとおりである。
 [1] 教育施設として学校、なかでも、最も基本的で身近な小学校建築の計画について学習し、地域における学校の役割や地域社会とのつながりなど「開かれた小学校」についての理解を深めること。 
 [2] 芸術施設として、大空間を持つ劇場建築の計画について理解できること。
 [3] 文化施設として、図書館建築、特に地域公共図書館の計画について理解できること。
 [4] 高層建築の施設として、オフィスビルの計画について理解できること。 
授業の進め方・方法:
講義を中心とし、建築計画の理念と方法についての理解を基礎に、小学校、劇場、地域公共図書館、オフィスビルの計画・設計の方法についての理解の程度を、定期試験およびレポートで評価する。
注意点:
授業で取り上げる小学校、劇場、オフィスビル、地域公共図書館の建築計画をより深く理解するためには、それぞれの建物での生活や機能、例えば小学校であれば子どもの遊び、カリキュラム、運営方式、授業の方法、地域との連携など、劇場であれば、演劇の種類、舞台形式の種類、運営方法など、オフィスビルであればビルタイプの種類、収益性と快適性のバランス、地域公共図書館であれば、図書の閲覧方式、サービス内容などについての知識が必要になってくる。これらの関連事項について授業外にインターネットや図書館等を活用して自分で学習することによってより深く理解すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 建築計画の理念 建築計画の理念と方法について説明できる。
2週 学校建築計画の歴史 学校建築の歴史を説明できる。
3週 小・中学校建築の運営方式 総合教室方式、特別教室方式等、 小・中学校建築の運営方式について説明できる。
4週 小・中学校建築の校区・校地計画 小・中学校建築の校区・校地計画について説明できる。
5週 小・中学校建築のプラン計画 ブロックプラン、ユニットプランの特徴について理解できる。高低分離等、小・中学校建築の空間構成の特徴について説明できる。
6週 小・中学校建築のオープン化 教授方法のオープン化・個別化、コミュニティ・スクール等、これからの学校建築のあり方を説明できる。
7週 中間試験 到達目標達成度の確認
8週 劇場建築の歴史 ギリシャ劇場に起源をおく劇場建築について、その歴史を説明できる。
2ndQ
9週 劇場建築の舞台形式 プロセニアムステージ、オープンステージ、能楽堂、歌舞伎劇場等、舞台形式を説明できる。
10週 劇場建築の計画1 客席内の通路・座席配置、奥行と角度、断面形式、天井高、音響計画等、客席部分の計画を説明できる。
11週 劇場建築の計画2 音響計画等、客席部分の計画を説明できる。
12週 劇場建築の計画3 技術諸室、収納・倉庫、搬入口等、管理・運営諸室の計画を説明できる。
13週 劇場の空間構成と動線計画 劇場の空間構成と動線計画を説明できる。
14週 総括 全体について学習内容を説明できる。
15週 期末試験 期末試験
16週 テスト返却と解説 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 地域公共図書館(1)
日本の公共図書館の歴史を理解し、特に、閲覧方式と簡易図書館の展開を説明できる。
2週 地域公共図書館(2) 地域公共図書館の運営と機能、特に閲覧方式(出納方式)と平面構成の対応を説明できる。
3週 地域公共図書館(3) 近年の図書館サービスや利用形態の特徴を説明できる。
4週 地域公共図書館(4) 図書館ネットワークの種類とその利用圏域を説明できる。
5週 地域公共図書館(5) 図書館のゾーニングと機能構成を説明できる。
6週 地域公共図書館(6) 開架フロアと集会部分の計画を理解し、特に、ブラウジングスペースの重要性を説明できる。
7週 地域公共図書館(7) 管理事務のスペース、保存書庫、ブックモビールを説明できる。
8週 中間試験 中間試験
4thQ
9週 オフィスビルの計画(1) オフィスビルに求められる3つの要求からオフィスビルの歴史を説明できる。
10週 オフィスビルの計画(2) ビルタイプの特徴を理解し、縦の動線計画としての断面構成を説明できる。
11週 オフィスビルの計画(3) <経済性・収益性の追求>を理解し、レンタブル比、コアタイプを説明できる。
12週 オフィスビルの計画(4) <執務機能の充実>を理解し、フレキシビリティー、オフィスレイアウト、モジュールとグリッドプランニングを説明できる。
13週 オフィスビルの計画(5) <快適性の追求>を理解し、窓の効用、快適性の追求を説明できる。
14週 オフィスビルの計画(6) 各部の計画、構造・断面計画を理解し、カーテンウォール、空調ゾーニング、ベアリングウォールを説明できる。
15週 期末試験 期末試験
16週 テスト返却と解説 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野計画・歴史モデュールについて説明できる。4
建築設計に関わる基本的な家具をはじめとする住設備機器などの寸法を知っている。4
居住系施設(例えば、独立住宅、集合住宅など)の計画について説明できる。4
教育や福祉系の施設(例えば、小学校、保育所、幼稚園、中・高・大学など)あるいは類似施設の計画について説明できる。4
文化・交流系の施設(例えば、美術館、博物館、図書館など)あるいは類似施設の計画について説明できる。4
建築計画・設計の手法一般について説明できる。4
計画の立案ができる。4
企画の手法について理解できる。4
動線について説明できる。4
ゾーニングについて説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000