建築実験実習Ⅱ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 建築実験実習Ⅱ
科目番号 0037 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 建築学科より配布する「実験の手引き」および実験テーマにより下記の教科 書が必要となる。・振動実験 (担当:上原) 地震と建築:大崎順彦著/岩波新書 ・鋼構造実験 (担当:岩下) 鋼構造および構造力学で使用した教科書 ・建築測量 (担当:下田) 配付プリント ・残響時間の測定(担当:窪田) 建築環境工学:山田由紀子/培風館
担当教員 窪田 真樹,上原 修一,岩下 勉,下田 誠也

到達目標

1.実験課題を理解し,工学の基礎的な知識・技術を駆使して決められた時間内に計画的に実験を終え、期限内にレポートを提出できる.
2.得られた結果を適切に分析し,工学的に考察できる.
3.日本語による文章や図表を用いて論理的に説明できる.
4.発表会において,決められた時間内に実験内容や結果を正しくかつ分かりやすく説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1事前に予習を行い,正しく機器を使用して効率的に実験を終え,レ ポートを提出できる.決められた時間内に計画的に実験を終え,期限内にレポートを提出できる.決められた時間を超えても実験を終えられない,あるいは期限内にレポートを提出できない.
評価項目2得られた結果を適切に分析し,参考文献等からあらたな情報を追加して,工学的に深く考察できる.得られた結果を適切に分析し,それを工学的に考察できる.得られた結果を適切に分析できない.
評価項目3得られた結果を日本語による文章や図表を用いて論理的にかつ分かりやすく説明できる.得られた結果を日本語による文章や図表を用いて論理的に説明できる.得られた結果を日本語による文章や図表を用いて論理的に説明できない.
評価項目4決められた時間内に実験内容や結果,深い考察を正しくかつ分かり やすく説明できる.決められた時間内に実験内容や結果を正しくかつ分かりやすく説明できる.決められた時間内に実験内容や結果を正しくかつ分かりやすく説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 本科目では、以下に示す構造系,生産系,環境系の実験 4 種類を,各実 験に 3週間かけて実施する.
( 1 )振動実験:長さや材質の異なる片持ち梁の自由振動実験と強制振 動実験により,構造物の振動に関する基礎的な知識を得る.
( 2 )鋼構造実験:筋かいつきラーメンに水平力を加えることにより, 筋かいの形状やその配置の違いによる復元力特性の差異を比較・検討する.
( 3 )建築測量:測量に用いる機器・器具を使用して測定作業を行い, 測定結果を計算して,その精度を調べることで,建築工事を行う上で必要な測量の基礎知識を得る.
( 4 )残響時間の測定:教室の残響時間を測定し,教室をテレビスタジ オにするために必要な吸音材とその量を求める.
授業の進め方・方法:
 4 班に分かれ,上記のテーマをローテーションしながら,班ごとに 3 週で 1 つのテーマに取り組む.なお,1 つの班においてもグループに分かれて それぞれの実験を行うことがある.限られた時間の中で,実験をより身のあるものにするためには,その実
験のテーマの予習を行うことが必要である.それぞれのテーマでレポートを提出するので,計画的にレポートを作成する.また,一部の実験では,後日計測等を行うこともあるので,それについては適宜指示をする.
 最終週には実験の発表を行う.
注意点:
 実験実習は,実験をすることにより物理現象等を自分の目で確かめ,授業で学んだ種々の理論を確認することが主要な目的である.本科目では構造 系,環境系,生産系の実験を4 種類行うが,これらの項目は構造力学・鋼構造・建築振動学・建築生産・建築環境工学Ⅰの授業科目と対応している ので,よく予習および復習しておくことが大切である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス 各実験の概要を知るとともに,実験における注意事項を理解できる.
2週 テーマ 1:振動実験(第 1 週) 振動学についての基礎理論を理解できる.次に,片持ち梁の自由振動実験を行うことができる.
3週 テーマ 1:振動実験(第 2 週) 片持ち梁の強制振動実験を行い,共振現象を観察し,その性状を説明できる.
4週 テーマ 1:振動実験(第 3 週) 本実験の結果をレポートにまとめ,関連の課題について調査して理解することができる.
5週 テーマ 2:鋼構造実験(第 1 週) 実験内容の説明および試験体の耐力計算をすることができる.
6週 テーマ 2:鋼構造実験(第 2 週) 静的繰返し載荷実験を行うことができる.
7週 テーマ 2:鋼構造実験(第 3 週) 実験結果を比較・検討することができる.
8週 テーマ 3:建築測量(第 1 週) 平板測量に必要な機器・器具の取り扱いおよび測定方法を理解して,測量の図面を作成することができる.
2ndQ
9週 テーマ 3:建築測量(第 2 週) 水準測量に必要な機器・器具の取り扱いおよび測定方法を理解して,土地の高低差を測定することができる.
10
10週 テーマ 3:建築測量(第 3 週) 得られた測定結果を整理して,比較検討することができる.
11週 テーマ 4:残響時間の測 定(第 1週) 音に関する基礎知識の復習と実験方法を理解することができる.
12週 テーマ 4:残響時間の測 定 (第 2週) 教室の残響時間を測定することができる.
13週 テーマ 4:残響時間の測 定 (第 3週) 得られた教室の残響時間と最適残響時間を比較検討するとともに,テレビスタジオに改修するために必要な吸音材とその面積を求め,レポートにまとめることができる.
14週 発表準備 発表のための準備を行うことができる.
15週 発表会 発表を行うことができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建築系分野【実験・実習能力】建築系【実験実習】実験の目的と方法を説明できる。3
構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)によるいずれかの構造形式(ラーメン、トラスなど)の試験体を用い、載荷実験を行い、破壊形状と変形の性状を観察することができる。3
実験結果を整理し、考察できる。3
実験の目的と方法を説明できる。3
建築を取巻く環境(例えば音、光、温度、湿度、振動など)を実験により把握できる。3
実験結果を整理し、考察できる。3
建築生産で利用されている測量(例えば、レベル、トランシット、トータルステーション、GPS測量など)について機器の取り扱いができる。3
測量の結果を整理できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合020006020100
基礎的能力0000000
専門的能力000060060
分野横断的能力0200002040