到達目標
1.塑性力学の基本的な知識を修得し,それらについて説明できる.
2.構造物の崩壊荷重を計算できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 塑性力学や塑性解析の基本的な知識を修得し,それらについて詳細に説明できる. | 塑性力学や塑性解析の基本的な知識を修得し,それらについて説明できる. | 塑性力学や塑性解析の基本的な知識ついて説明できない. |
評価項目2 | 構造物の崩壊荷重を正確に計算できる. | 構造物の崩壊荷重を計算できる. | 構造物の崩壊荷重を計算できない. |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
これまで学んできた構造力学では,構造材料が弾性範囲,すなわちフックの法則を満足する範囲を対象としていた.しかしながら,建物が大地震を受ける際,建物を構成する部材は,容易に塑性域に入るといわれている(現実に兵庫県南部地震では多くの建物が塑性変形を起こし,倒壊に至るものもあった).そのため,弾性解析だけでは建物が最終的にどれだけの外力に耐えられるのか,すなわち,建物の崩壊荷重を知ることができず,建物の安全性を確保することはできない.建物の崩壊荷重を知るには,塑性解析の手法を利用することが有効である.
授業の進め方・方法:
塑性解析の修得には,自ら問題を解いていくことが重要となる.塑性力学の知識,塑性解析の計算手法を理解していくために,適宜演習を取り入れて進める.そのため,できる限り授業の前半に講義,後半に演習という形をとる.また,講義・演習において適宜グループワークやディスカッション等を入れていく.
注意点:
この科目では,構造力学1・2,および,材料力学の知識が必要となる.また,5 年次の建築実験実習2 で行う鋼構造実験や構造設計演習において保有水平耐力計算を行う際,この科目の知識を必要とする.
内容を深く理解するために,授業で学ぶ内容を予習しておく必要がある.
また,グローバル化や英語の重要性の観点から,英語での説明,問題提示が行われる.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
本科目で何を学ぶのかを理解できる.
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2週 |
引張材の崩壊荷重1 |
引張材の崩壊荷重を計算できる.
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3週 |
引張材の崩壊荷重2 |
引張材の崩壊荷重を計算できる.
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4週 |
曲げモーメントと曲率 |
曲げモーメントと曲率の関係を理解できる.
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5週 |
曲げ材の応力分布 |
曲げモーメントを受けた部材の応力分布を理解できる.
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6週 |
曲げ材の崩壊荷重1 |
曲げ材の崩壊荷重を計算できる.
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7週 |
曲げ材の崩壊荷重2 |
曲げ材の崩壊荷重を求め,それに関連して,形状係数や予備強度比等を計算できる.
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
メカニズム法 |
メカニズム法による解法を理解する.
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10週 |
崩壊荷重1 |
メカニズム法を用いて,梁の崩壊荷重を計算できる.
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11週 |
崩壊荷重2 |
メカニズム法を用いて,ラーメンの崩壊荷重を計算できる.
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12週 |
多層ラーメン |
多層ラーメンの崩壊荷重を計算できる.
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13週 |
節点振分け法 |
節点振分け法を用いて崩壊荷重を計算できる.
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14週 |
多層ラーメン |
多層ラーメンを通して,メカニズム法と節点振分け法の違いを理解できる.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 構造 | 骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13 |
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。 | 4 | 前2,前3,前10,前11,前13 |
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。 | 4 | 前10 |
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。 | 4 | 前10 |
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。 | 4 | 前10 |
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。 | 4 | 前11,前12 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |