基礎設計特別演習

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 基礎設計特別演習
科目番号 PI021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 適宜
担当教員 岩本 達也,原槙 真也,鷹林 将,石丸 智士,松野 哲也,石川 洋平,野口 卓朗

到達目標

1.機械・電気・電子・情報工学の知識を活用して適切に実験や演習を遂行できること(前期).
2.各工学系のグループに分かれ,共通な課題に取り組み,主体的に実験を遂行できること(後期).
3.レポート・制作物が適切に作成できること(前後期共通).

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各専攻の知識を活用して適切に実験や演習を遂行でき,かつ,考察・検討する上で必要十分な結果・結論を導くことができる.各専攻の知識を活用して適切に実験や演習を遂行できる.各専攻の知識を活用した実験や演習を遂行できない.
評価項目2与えられた共通課題を解決するための実験装置,計測制御プログラムを工学的に理解し,主体的かつ適切に遂行することができる.与えられた共通課題を解決するための実験装置,計測制御プログラムを主体的に遂行することができる.与えられた共通課題を解決するための実験装置,計測制御プログラムを主体的に遂行できない.
評価項目3レポート・制作物が一般的な形式で作成でき,設計技術に対する社会的背景を踏まえた考察ができる.レポート・制作物が一般的な形式で作成できる.レポート・制作物が一般的な形式で作成できない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
機械工学系,電気工学系,電子情報工学系の各分野で個々に学習した基本的事項を有機的に結びつけ実際に応用できる設計能力を養う.
授業の進め方・方法:
機械工学系,電気工学系,電子情報工学系の各分野の要素的テーマについて,実際に即した設計・演習を行う.

(前期) 各系で用意したテーマについて演習を行う.
[機械工学系]
マイコンを用いてマイコン制御の基本設計を例題と演習により実践学習する.
[電気工学系]
電気・電子回路に関する演習を行う.また,実験データの解析法や実験計画法,計測技術について講義および演習を行う.
[電子情報工学系]
電子回路の基本的回路について,電子回路実習装置を用いて演習を行う.

(後期)機械工学系と電子情報工学系は合同で,電気工学系は単独で演習を行う.
[機械工学系,電子情報工学系]
産業界で広く用いられているシーケンス制御について,複数の演習装置を用いた基礎から応用までの様々な課題に対して各専門分野を有機的に結びつけ課題解決に挑戦する.
先ず,使用する演習装置システムの各部の基礎的事項を例題を通して学び,これをベースとして実践的な応用課題を動作実験を通して理解を深めていく.
最後に課題・演習結果に関するレポートを課す.
[電気工学系]
高周波回路の理論と評価方法について、講義と実習を組み合わせながら進めていく。

(前期・後期)評価について
レポート(あるいは製作物)により評価する.与えられた課題の探究・理解の達成度および問題に対処できるデザイン能力をレポートで評価し,レポートによる実験,製作物等の内容説明の簡潔で分かり易い記述,考察等の程度も評価する.

また,この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として,適宜,レポート作成を課す.
注意点:
(前期)
[機械工学系]
機械基礎設計や機械基礎製図の知識を有していること.また,メカトロ二クスや電気電子回路の知識があると理解しやすい.
[電気工学系]
電気電子回路の基礎知識を有していること.
[電子情報工学系]
電子回路および電子計測の基礎知識を有していること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 [機械工学系]
マイコンの基礎
[電気工学系]
回路の基礎(1)
[電子情報工学系]
電気・電子・集積回路概論
[機械工学系]
マイコンの構成要素とその働きが理解できること.また,マイコンの動作の仕組みが理解できること.
[電気工学系]
実用的な電気回路計算ができること.
[電子情報工学系]
電気・電子・集積回路の全体像を把握できること.
2週 [機械工学系]
メカトロ二クス演習(1)
[電気工学系]
回路の基礎(2)
[電子情報工学系]
電子回路CAD
[機械工学系]
電子部品と回路図記号の関係が理解できること.
[電気工学系]
実用的な電気回路計算ができること.
[電子情報工学系]
電子回路CADを用いて回路図を描けること.
3週 [機械工学系]
メカトロ二クス演習(2)
[電気工学系]
半導体工学の基礎(1)
[電子情報工学系]
電子デバイスの基礎(1)
[機械工学系]
ブレッドボードを用いて,簡単な回路を作成できること.
[電気工学系]
半導体工学の基礎問題が解けること.
[電子情報工学系]
トランジスタ・カウンタを用いたアナログ回路とデジタル回路が理解できること.
4週 [機械工学系]
プログラムの基礎(1)
[電気工学系]
半導体工学の基礎(2)
[電子情報工学系]
電子デバイスの基礎(2)
[機械工学系]
プログラム開発の流れが理解できること.
[電気工学系]
半導体工学の基礎問題が解けること.
[電子情報工学系]
トランジスタ・カウンタを用いたアナログ回路とデジタル回路が理解できること.
5週 [機械工学系]
プログラムの基礎(2)
[電気工学系]
基本増幅回路
[電子情報工学系]
電子回路の基礎(1)
[機械工学系]
開発に必要なツールの使用方法,注意点が理解できること.
[電気工学系]
基本的な増幅回路の計算ができること.
[電子情報工学系]
デジタル集積回路の中身が理解できること.
6週 [機械工学系]
プログラミング演習 (1)
[電気工学系]
増幅回路
[電子情報工学系]
電子回路の基礎(2)
[機械工学系]
A/D,D/Aの機能が理解できること.また,A/D,D/Aを使ったプログラムが理解できること.
[電気工学系]
種々の増幅回路の計算ができること.
[電子情報工学系]
デジタル集積回路の中身が理解できること.
7週 [機械工学系]
プログラミング演習 (2)
[電気工学系]
オペアンプ(1)
[電子情報工学系]
センサ回路の基礎(1)
[機械工学系]
模型用サーボモータ制御のプログラムが理解できること.
[電気工学系]
オペアンプに関する問題が解けること.
[電子情報工学系]
センサを用いた電子回路を理解できること.
8週 [機械工学系]
基本設計
[電気工学系]
オペアンプ(2)
[電子情報工学系]
センサ回路の基礎(2)
[機械工学系]
センサとアクチュエータとマイコンを使用した作品について,動作や性能などの基本仕様を決定できること.
[電気工学系]
オペアンプに関する問題が解けること.
[電子情報工学系]
センサを用いた電子回路を理解できること.
2ndQ
9週 [機械工学系]
詳細設計
[電気工学系]
発振回路
[電子情報工学系]
電子回路設計(1)
[機械工学系]
作品の構成部品や詳細な構造を決定できる.
[電気工学系]
発振回路に関する問題が解けること.
[電子情報工学系]
センサと電子回路を組み合わせた回路を深く理解できること.
10週 [機械工学系]
課題製作(1)
[電気工学系]
実験データの解析法(1)
[電子情報工学系]
電子回路設計(2)
[機械工学系]
詳細設計を元に設計図を作成できる.
[電気工学系]
実験データの解析法に基づいて,データ処理方法を説明できること.
[電子情報工学系]
センサと電子回路を組み合わせた回路を深く理解できること.
11週 [機械工学系]
課題製作(2)
[電気工学系]
実験データの解析法(2)
[電子情報工学系]
電子回路設計(3)
[機械工学系]
設計書に基づき作品を計画的に製作できる.
[電気工学系]
実験データの統計処理ができること.
[電子情報工学系]
センサと電子回路を組み合わせた回路を深く理解できること.
12週 [機械工学系]
課題製作(3)
[電気工学系]
実験計画法(1)
[電子情報工学系]
演算増幅器と計測(1)
[機械工学系]
設計書に基づき作品を計画的に製作できる.また,不具合に適切に対応できる.
[電気工学系]
フィッシャーの3原則および一次元配置実験におけるデータ構造モデルについて説明できること.
[電子情報工学系]
演算増幅器の計算および計測ができること.
13週 [機械工学系]
課題製作(4)
[電気工学系]
実験計画法(2)
[電子情報工学系]
演算増幅器と計測(2)
[機械工学系]
設計書に基づき作品を計画的に製作できる.また,不具合に適切に対応できる.
[電気工学系]
統計的検定を用いてデータの検定ができること.
[電子情報工学系]
演算増幅器の計算および計測ができること.
14週 [機械工学系]
動作確認・評価
[電気工学系]
実験計画法(3)
[電子情報工学系]
演算増幅器と計測(3)
[機械工学系]
自ら設定した基本仕様を満足しているかどうか,動作確認を行い評価できる.
[電気工学系]
二元配置実験データの解析ができること.
[電子情報工学系]
演算増幅器の計算および計測ができること.
15週 [機械工学系]
課題発表
[電気工学系]
計測とデータ処理
[電子情報工学系]
復習とまとめ
[機械工学系]
自ら設計・製作した作品の構造や動作について適切に説明できること.
[電気工学系]
PCを用いた計測手法とデータ処理について例を挙げて説明できること.
[電子情報工学系]
電気回路・電子回路・集積回路の歴史を含めて現代につながる技術を説明できること.
16週
後期
3rdQ
1週 [機械工学系,電子情報工学系] ガイダンス,有接点シーケンス制御
[電気工学系] 【講義】授業概要、電信方程式と分布定数回路 (1)
[機械工学系,電子情報工学系] ガイダンス,授業概要,演習で用いるシステムが理解できる.
[電気工学系] 電信方程式と分布定数回路について、説明・計算できる。
2週 [機械工学系,電子情報工学系] 有接点シーケンス制御演習,PLC基礎演習1
[電気工学系] 【講義】電信方程式と分布定数回路 (2)
[機械工学系,電子情報工学系] 演習で用いるシステムが理解でき,基本的な動作が行える.
[電気工学系] 電信方程式と分布定数回路について、説明・計算できる。
3週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC基礎演習1
[電気工学系] 【講義】高周波測定の特徴とスミスチャート (1)
[機械工学系,電子情報工学系] 基本的な動作が行える.
[電気工学系] 高周波測定の特徴を説明し、スミスチャートを用いて計算できる。
4週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC基礎課題1
[電気工学系] 【講義】高周波測定の特徴とスミスチャート (2)
[機械工学系,電子情報工学系] 基本的な課題が解決できる.
[電気工学系] 高周波測定の特徴を説明し、スミスチャートを用いて、インピーダンスなど諸量を計算できる。
5週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC応用課題1
[電気工学系] 【講義】Sパラメータとベクトルネットワークアナライザ
[機械工学系,電子情報工学系] 基本的な応用課題が解決できる.
[電気工学系] Sパラメータを説明・計算でき、ベクトルネットワークアナライザについて説明できる。
6週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC応用課題1
[電気工学系] 【実習】MHz帯回路の測定評価(1)
[機械工学系,電子情報工学系] 基本的な応用課題が解決できる.
[電気工学系] MHz帯回路を取り扱うことができる。
7週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC基礎演習2
[電気工学系] 【実習】MHz帯回路の測定評価(2)
[機械工学系,電子情報工学系] 基礎課題が解決できる.
[電気工学系] MHz帯回路を取り扱うことができる。
8週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC基礎演習2
[電気工学系] 【講義】MHz帯測定評価のまとめ
[機械工学系,電子情報工学系] 基礎課題が解決できる.
[電気工学系] MHz帯回路を評価することができる。
4thQ
9週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC応用課題2
[電気工学系] 【講義】導波管 (1)
[機械工学系,電子情報工学系] 応用課題が解決できる.
[電気工学系] 導波管について、説明・計算できる。
10週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC応用課題2
[電気工学系] 【講義】導波管 (2)
[機械工学系,電子情報工学系] 応用課題が解決できる.
[電気工学系] 導波管について、説明・計算できる。
11週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC基礎演習3
[電気工学系] 【講義】導波管 (3)
[機械工学系,電子情報工学系] 外部制御に必要な基礎的事項が理解できる.
[電気工学系] 導波管について、説明・計算できる。
12週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC基礎演習3
[電気工学系] 【講義】アドミッタンスチャートとイミッタンスチャート
[機械工学系,電子情報工学系] 外部制御に必要な基礎的事項が理解できる.
[電気工学系] アドミッタンスチャートとイミッタンスチャートを用いて、インピーダンスなど諸量を計算できる。
13週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC応用課題3
[電気工学系] 【実習】GHz帯回路の測定評価 (1)
[機械工学系,電子情報工学系] 外部制御を高度に制御ができる.
[電気工学系] GHz帯回路を取り扱うことができる。
14週 [機械工学系,電子情報工学系] PLC応用課題3,レポート作成
[電気工学系] 【実習】GHz帯回路の測定評価 (2)
[機械工学系,電子情報工学系] 外部制御を高度に制御ができる.演習をまとめ,レポートにする事ができる.
[電気工学系] GHz帯回路を取り扱うことができる。
15週 [機械工学系,電子情報工学系] レポート作成
[電気工学系] 【講義】GHz帯測定評価のまとめ
[機械工学系,電子情報工学系] 演習をまとめ,レポートにする事ができる.
[電気工学系] GHz帯回路を評価することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。5前12,前13,前14
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。5前12,前13,前14
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。5前12,前13,前14
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。5前9,前10,前11
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。5前9,前10,前11
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。5前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000