概要:
本科目で,学生は「商品改善提案・製作」を行う.既存の商品の欠点をいろいろな角度から検討し,何らかの方法で改善を加えてより良い商品を提案・製作する.本科目では,自ら進んで未知の問題を解決する意欲,能力,創造力およびグループで協力し,話合って物事を解決する能力,プレゼンテーション能力等を養う.
「SDGs9.産業と技術革新の基盤をつくろう」
授業の進め方・方法:
本科目はPBL科目としても位置付けられるため,学生が主体的に計画し,進めていくことが特に重要である.また,本科での所属コースを越えたチーム編成で授業に取り組む.そのため,授業時間外における打ち合わせ・作業等の時間設定・計画をうまくマネジメントする必要がある.本授業で進めるプロジェクトは大きく3つの段階に分けられる.
1.課題の説明,プロジェクトの準備・設計段階
2.製品の製作を行う段階
3.プレゼンテーションの準備と実施
なお,第1回目の授業は前期(夏休み前)に実施する.このような商品改善提案などのアイディアは,後期に授業を開始してすぐに出てくるほど簡単なものではない.これまでの学生の要望を踏まえ,夏休み前に班分けを行い,夏休み期間中にアイディアを考えることができるようにする.第1回目の授業の日時については各系の担当教員より事前に連絡をする.
また,本授業のはやい段階で,商品改善に活かすことの助けとなるよう「知的財産に関するセミナー」を受講する予定である。
さらに,プレゼンテーションは最終発表以外にも,中間発表を行う.なお,例年12月には,シンガポールポリテクニック(SP)学生が本校を訪問しており,都合が合えば,SP学生への英語での発表やSP学生との交流を実施する.このことも踏まえ,英語による授業説明を実施することもある.
注意点:
2年次の課題研究1、4年次の創造設計基礎演習などでは教員側から課題を与えられ、その解決にチームで取り組むことを行っている。本科目では,それを発展させて,商品に関する課題を自ら抽出し,その課題を解決した商品を製作する.すなわち,商品改善を行うことで商品の課題を解決するという前述したPBL 科目と位置づけられる.前提となる知識の指定はないが,各学生がこれまでに培った専門知識,および,創造力,問題解決能力等が,プロジェクトを進める上で重要となる.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 4 | 後7,後10 |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 4 | 後7,後10 |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 4 | 後7,後10 |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 4 | 後7,後10 |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 4 | 後7,後10 |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 4 | 後7,後10 |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 4 | 後4 |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 4 | 後4 |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 4 | 後4 |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 4 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 4 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 4 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 4 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 4 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 4 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 4 | 後2,後3,後4 |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 4 | 後2,後3,後4 |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 4 | 後2,後3,後4 |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 4 | 後15 |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 4 | 後15 |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 4 | 後15 |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 4 | 後15 |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 4 | 後15 |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 4 | 後15 |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 4 | 後6,後8,後9,後11,後12,後13 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 4 | |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 4 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 4 | |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 4 | 後15 |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 4 | 後15 |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 4 | 後15 |