機能デバイス工学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機能デバイス工学
科目番号 PI053 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産情報システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 適宜,配付
担当教員 石丸 智士

到達目標

1.半導体理論について説明できる.
2.代表的な機能デバイスの動作機構を説明できる.
3.いくつかの機能デバイスの現状や技術展開について理解するとともに,その課題について考察できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体デバイスを理解するために十分な半導体物性や接合理論について説明できる.半導体物性や接合理論について概ね説明できる.半導体物性や接合理論について説明できない.
評価項目2学習する機能デバイスの動作機構や特徴について詳細に説明できる.いくつかの機能デバイスの動作機構や特徴について説明できる.機能デバイスの動作機構や特徴についてほとんど説明できない.
評価項目3ある機能デバイスの現状の技術や仕組みを理解した上で,その課題について指摘し,解決に向けた考察ができる.ある機能デバイスの現状の技術や仕組みを説明でき,その課題について示すことができる.ある機能デバイスの現状の技術や仕組みを説明できない.また,その技術課題について把握できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 C-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在のエレクトロニクスの隆盛は,トランジスタやダイオードなどの半導体デバイスをはじめとした多くの機能デバイスの開発によるところが大きい.半導体表面の物理学の探求途上で生まれたトランジスタは,当時,電子デバイスにおいて主流であった電子管を半導体デバイスへと次々と置き換えていった.出現当初は信頼性,機能とも電子管より劣るとされていたトランジスタを,現在のように確固たる位置に押し上げた背後には半導体単結晶の製造技術や高純度精製技術の地道な研究開発があったことが挙げられる.現在ではIT産業の発展にともなって電子機器に要求される情報処理能力の巨大化および複雑化がすすみ,様々なデバイスの開発が進められてきている.
このような背景のもと,本科目では企業でデバイス(集積回路)開発に携わった教員が,その経験を生かし,半導体理論や高専本科において十分にふれることができなかった各種機能デバイスについて講義および演習により授業を行う.
授業の進め方・方法:
半導体理論およびいくつかの機能デバイスについて講義や演習を行ったのち,現代社会で用いられている機能デバイスの現状や技術課題などについて各自で調査・検討し,プレゼンテーションしてもらう.しがたって,事前・事後学習として演習課題やプレゼンテーション資料の作成・準備を課する.
注意点:
プレゼンテーションの時間配分については履修者の人数により変更する可能性がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目ガイダンス
半導体理論(1)
エネルギーバンド構造と半導体の特徴について説明できる.
2週 半導体理論(2) 金属や半導体中のキャリヤの挙動について説明できる.
3週 半導体理論(3) 真性半導体や不純物半導体について説明できる.
4週 半導体理論(4) pn接合理論について説明できる.
5週 半導体物理演習(1) 半導体物理に関する問題を解くことができる.
6週 半導体物理演習(2) 半導体物理に関する問題を解くことができる.
7週 半導体物理演習(3) 半導体物理に関する問題を解くことができる.
8週 マイクロ波デバイス HEMTやIMATTダイオードなどのマイクロ波デバイスの動作と応用について説明できる.
2ndQ
9週 光デバイス 光電変換デバイスや発光デバイスの動作原理について説明できる.
10週 表示デバイス 液晶ディスプレイ等の表示デバイスの動作原理について説明できる.
11週 超伝導デバイス 超伝導現象を利用したデバイスの動作と応用について説明できる.
12週 その他の機能デバイス 紹介する機能デバイスの動作原理や特徴について説明できる.
13週 プレゼンテーション 調査した機能デバイスの現状と技術課題について説明できる.
14週 プレゼンテーション 調査した機能デバイスの現状と技術課題について説明できる.
15週 期末試験 これまでの講義や調査課題について理解度を確認する.
16週 試験答案返却と解説 試験答案の返却・確認と解説を通して,理解状況を把握する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。5前1
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。5前1
原子の構造を説明できる。5前1
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。5前1
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。5前1,前2
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。5前2
真性半導体と不純物半導体を説明できる。5前3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。5前3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。5前4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力0000000
専門的能力6030000090
分野横断的能力010000010