到達目標
1.半導体理論について説明できる.
2.代表的な機能デバイスの動作機構を説明できる.
3.いくつかの機能デバイスの現状や技術展開について理解するとともに,その課題について考察できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 半導体デバイスを理解するために十分な半導体物性や接合理論について説明できる. | 半導体物性や接合理論について概ね説明できる. | 半導体物性や接合理論について説明できない. |
評価項目2 | 学習する機能デバイスの動作機構や特徴について詳細に説明できる. | いくつかの機能デバイスの動作機構や特徴について説明できる. | 機能デバイスの動作機構や特徴についてほとんど説明できない. |
評価項目3 | ある機能デバイスの現状の技術や仕組みを理解した上で,その課題について指摘し,解決に向けた考察ができる. | ある機能デバイスの現状の技術や仕組みを説明でき,その課題について示すことができる. | ある機能デバイスの現状の技術や仕組みを説明できない.また,その技術課題について把握できない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 B-2
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学習・教育到達度目標 C-1
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学習・教育到達度目標 B-2
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学習・教育到達度目標 C-1
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教育方法等
概要:
現在のエレクトロニクスの隆盛は,トランジスタやダイオードなどの半導体デバイスをはじめとした多くの機能デバイスの開発によるところが大きい.半導体表面の物理学の探求途上で生まれたトランジスタは,当時,電子デバイスにおいて主流であった電子管を半導体デバイスへと次々と置き換えていった.出現当初は信頼性,機能とも電子管より劣るとされていたトランジスタを,現在のように確固たる位置に押し上げた背後には半導体単結晶の製造技術や高純度精製技術の地道な研究開発があったことが挙げられる.現在ではIT産業の発展にともなって電子機器に要求される情報処理能力の巨大化および複雑化がすすみ,様々なデバイスの開発が進められてきている.
このような背景のもと,本科目では企業でデバイス(集積回路)開発に携わった教員が,その経験を生かし,半導体理論や高専本科において十分にふれることができなかった各種機能デバイスについて講義および演習により授業を行う.
授業の進め方・方法:
半導体理論およびいくつかの機能デバイスについて講義や演習を行ったのち,現代社会で用いられている機能デバイスの現状や技術課題などについて各自で調査・検討し,プレゼンテーションしてもらう.しがたって,本科目では授業外学習(事前・事後学習)として演習課題やプレゼンテーション資料の作成・準備を課す.
注意点:
プレゼンテーションの実施要領については別途指示する.
なお,「発表」40%については,13・14週に実施するプレゼンテーションにおいて,以下の観点から評価する。
・資料の分かりやすさ(45%)
・調査内容や説明の適切さ(45%)
・質疑に対する応答(10%)
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
科目ガイダンス 半導体理論(1) |
エネルギーバンド構造と半導体の特徴について説明できる.
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2週 |
半導体理論(2) |
金属や半導体中のキャリヤの挙動について説明できる.
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3週 |
半導体理論(3) |
真性半導体や不純物半導体について説明できる.
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4週 |
半導体理論(4) |
pn接合理論について説明できる.
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5週 |
半導体物理演習(1) |
半導体物理に関する問題を解くことができる.
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6週 |
半導体物理演習(2) |
半導体物理に関する問題を解くことができる.
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7週 |
半導体物理演習(3) |
半導体物理に関する問題を解くことができる.
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8週 |
マイクロ波デバイス |
HEMTやIMATTダイオードなどのマイクロ波デバイスの動作と応用について説明できる.
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2ndQ |
9週 |
光デバイス |
光電変換デバイスや発光デバイスの動作原理について説明できる.
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10週 |
表示デバイス |
液晶ディスプレイ等の表示デバイスの動作原理について説明できる.
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11週 |
超伝導デバイス |
超伝導現象を利用したデバイスの動作と応用について説明できる.
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12週 |
その他の機能デバイス |
紹介する機能デバイスの動作原理や特徴について説明できる.
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13週 |
プレゼンテーション |
調査した機能デバイスの現状と技術課題について説明できる.
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14週 |
プレゼンテーション |
調査した機能デバイスの現状と技術課題について説明できる.
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15週 |
期末試験 |
これまでの講義や調査課題について理解度を確認する.
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16週 |
試験答案返却と解説 |
試験答案の返却・確認と解説を通して,理解状況を把握する.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 5 | 前1 |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 5 | 前1 |
原子の構造を説明できる。 | 5 | 前1 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 5 | 前1 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | 前1,前2 |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 5 | 前2 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 5 | 前3 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | 前3 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 5 | 前4 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |