電子物性工学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子物性工学
科目番号 PI057 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 教科書:「量子統計力学」石原純夫・泉田渉 / 参考書:「電子物性」松澤剛雄ら / 森北出版,「トポロジカル絶縁体入門」安藤陽一 / 講談社
担当教員 松野 哲也

到達目標

1.電子の量子力学的性質を説明できる.
2.電子の統計力学的性質を説明できる.
3.電子の性質に基づき固体の基本的電気特性などの巨視的現象を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1電子の量子力学的性質をシュレディンガー方程式などを用いて説明できる.電子の量子力学的性質を定性的に説明できる.電子の量子力学的性質を説明できない.
評価項目2電子の統計力学的性質を例題を用いて説明できる.電子の統計力学的性質を簡単に説明できる.電子の統計力学的性質を説明できない.
評価項目3電子の量子力学的および統計力学的性質にもとづいていくつかの巨視的現象の原理を説明できる.電子の量子力学的および統計力学的性質にもとづいて固体の比熱や電気抵抗の原理を説明できる.電子の性質に基づいた巨視的現象の原理を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
固体の電気的特性などの巨視的現象を理解するために量子力学および統計力学の基本を学ぶ.
授業の進め方・方法:
講義主体で授業が行われる.ここでは固体の巨視的現象を理解するための基礎としての量子力学や統計力学に関する説明が行われる.
注意点:
物理学の基礎的知識が必要である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 理想気体 古典統計力学にもとづき,理想気体の性質を説明できる.
2週 調和振動子 古典統計力学にもとづき,調和振動子集団の振る舞いを説明できる.
3週 量子統計力学 量子力学的粒子集団を統計的に取り扱う方法を説明できる.
4週 2準位系 2準位系モデルの比熱の原理を説明できる.
5週 自由なスピン系 相互作用のないスピン集団の振る舞いを量子統計力学にもとづき説明できる.
6週 フェルミ・ディラック統計 フェルミ・ディラック分布の導出過程を理解し,フェルミ準位や状態占有確率(状態占有個数の期待値)について説明できる.
7週 ボーズ・アインシュタイン統計 ボーズ・アインシュタイン分布の導出過程を理解し,フェルミ準位や状態占有確率(状態占有個数の期待値)について説明できる.
8週 アインシュタイン模型 アインシュタイン模型にもとづき,固体の比熱の原理を説明できる.
2ndQ
9週 弾性波の状態密度 固体中を伝わる3次元弾性波の状態の数え方を説明できる.
10週 デバイ模型 デバイ模型にもとづき,固体の比熱の原理を説明できる.
11週 調和振動子(演算子の方法) 調和振動子系をボーズ粒子系とみなす考え方を説明できる.
12週 電磁場の統計力学 電磁場の統計力学的取り扱いについて説明できる.
13週 縮退した電子系 縮退した電子系の熱力学的性質を説明できる.
14週 イジング模型 強磁性体モデルとしてのイジングモデルの振る舞いを説明できる.
15週 相転移のランダウ理論 常磁性・強磁性相転移や常伝導・超伝導相転移をランダウ理論にもとづき説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000