情報通信工学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 情報通信工学
科目番号 PI064 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産情報システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 自作プリント
担当教員 嘉藤 学

到達目標

1.待ち行列理論の基礎(確率論の基礎、コンピュータネットワークのモデル化、確率過程、待ち行列システム)を理解する
2.シミュレーション技法の基礎(シミュレーションの概要、出力データの統計的処理)を理解する

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1確率論の基礎、コンピュータネットワークのモデル化、確率過程、待ち行列システムについての問題を正確に解くことができる確率論の基礎、コンピュータネットワークのモデル化、確率過程、待ち行列システムについての問題を解くことができる確率論の基礎、コンピュータネットワークのモデル化、確率過程、待ち行列システムについての問題を解くことができない
評価項目2シミュレーションの概要の説明ならびに出力データの統計的処理が正確にできるシミュレーションの概要の説明ならびに出力データの統計的処理ができるシミュレーションの概要の説明ならびに出力データの統計的処理ができない
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 通信プロトコルの設計や交換機の設計などのネットワークに関する設計を行なう際には、ネットワークを流れるトラヒックフローが要求する通信サービス品質を満足させつつ、それと同時にネットワークの構成要素であるネットワーク資源を有効に使うことが望まれる。通信サービス品質を表す指標としては、伝送遅延時間、パケット廃棄率、呼損率などがある。ネットワーク資源としては、交換機やリンクなどがあり、これらの資源を有効に利用しているかどうかを表す指標として最大スループットや利用率などがある。ネットワークシステムを設計するときには、これらの指標を定量的に明らかにする必要がある。すなわち、システムの性能評価を行なう必要がある。本授業では、ネットワークシステムの性能評価のための基礎理論について学ぶ。
 本授業の目標は大きく分けて2つある。第一は、ネットワークシステムの性能を解析的に明らかにするための理論である待ち行列理論の基礎を理解することである。確率論の基礎、コンピュータネットワークのモデル化、確率過程、待ち行列システムを学習する。待ち行列理論は、通信ネットワークへの応用を考えるとき通信トラヒック理論とも呼ばれる。第二は、待ち行列理論で扱えない複雑なモデルを評価する際に必要となるシミュレーション技法の基礎を理解することである。シミュレーション実験から得られた出力結果は確率的な要素を含むため、システムの性能に関する定量的な結論を得るためには統計的な推論を行なう必要がある。本授業では、シミュレーションの概要、出力データの統計的処理を学習し、実際のシミュレーションプログラムの例をもとに学ぶ。
 なお、本科目はSDGsの目標「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」に合致している。
授業の進め方・方法:
〇自作プリントによる講義で授業を進める。
〇各授業において演習課題プリントに取り組む。
〇3~4個程度のレポートの提出を予定している。
注意点:
ポートフォリオ100%で評価する。課題およびレポートの提出期限を厳守すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 科目の概要と目的 ネットワークシステムの性能評価、ネットワーク設計の目標を理解すること
2週 確率論の基礎 確率の定義、確率の性質を理解すること
条件付確率に関して理解すること
3週 確率論の基礎 確率変数と確率分布関数について理解すること
4週 確率論の基礎 期待値、分散、Z変換・ラプラス変換等を理解すること
5週 確率論の基礎 多変数の場合について理解すること
代表的な分布について理解すること
6週 確率過程 確率過程について理解すること
ポアソン過程について理解すること
7週 確率過程 ポアソン過程について理解すること
マルコフ過程について理解すること
8週 確率過程 マルコフ過程について理解すること
4thQ
9週 コンピュータネットワークのモデル化 待ち行列の概念、ケンドールの記号、待ちを理解すること
10週 待ち行列システム リトルの公式を理解すること
M/M/1システムについて理解すること
11週 待ち行列システム M/M/1システムについて理解すること
12週 待ち行列システム M/M/1/Kシステム、M/M/m/Kシステム、M/G/1システムについて理解すること
13週 シミュレーション技法 ネットワークのシミュレーションプログラムについて理解すること
シミュレーションのソースプログラムを入力し、実行すること
14週 シミュレーション技法 シミュレーションとは何か、その目的等を理解すること
標本平均、標本分散、信頼区間を理解すること
15週 シミュレーション技法 シミュレーションプログラムを実行してデータを取得し、信頼区間を求めることができること
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000