塑性加工学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 塑性加工学
科目番号 0075 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産情報システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 教科書: 基礎からわかる塑性加工;長田 修次,柳本 潤共著/コロナ社参考書: 基礎塑性加工学;川並 高雄,関口 秀夫,斉藤 正美編著/森北出版 基礎塑性力学;野田 直剛,中村 保共著/日新出版 金属塑性加工学;加藤 健三著/丸善出版 基礎から学ぶ塑性加工;木内 学/工業調査会
担当教員 南 明宏

到達目標

1.塑性加工とはどのような加工法か,また,日常の身近な生活品の中に塑性加工を利用した製品が数多くあることを認識し,これらの製品が塑性加工の中でもどのような加工法で作られているのかを理解し,説明できる.
2.塑性力学の基礎を学習し,塑性加工(変形)を施す際に必要な加工応力,加工荷重を適切に計算することができる.
3.実際の塑性加工例として鍛造加工,引抜き加工,押出し加工にこれらの塑性力学を適用して,加工応力や加工荷重が計算できる.
4.有限要素法を用いた塑性加工に関する数値解析の基本を理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1塑性加工とはどのような加工法か,また,塑性加工を利用した製品がどのような加工法で作られているのかを理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる.塑性加工とはどのような加工法か,また,塑性加工を利用した製品がどのような加工法で作られているのかを理解し,説明できる.塑性加工とはどのような加工法か,また,塑性加工を利用した製品がどのような加工法で作られているのかを理解していない.あるいは説明できない.
評価項目2塑性力学の基礎を学習し,塑性加工(変形)を施す際に必要な加工応力,加工荷重を適切に計算することができ,応用問題まで正しく計算できる.塑性力学の基礎を学習し,塑性加工(変形)を施す際に必要な加工応力,加工荷重を適切に計算することができる.塑性力学の基礎を学習し,塑性加工(変形)を施す際に必要な加工応力,加工荷重を適切に計算することができない.
評価項目3実際の塑性加工例として鍛造加工,引抜き加工,押出し加工にこれらの塑性力学を適用して,加工応力や加工荷重に関して,あらゆる発展問題まで計算することができる.実際の塑性加工例として鍛造加工,引抜き加工,押出し加工にこれらの塑性力学を適用して,加工応力や加工荷重に関して,計算することができる.実際の塑性加工例として鍛造加工,引抜き加工,押出し加工にこれらの塑性力学を適用して,加工応力や加工荷重に関して,計算することができない.
評価項目4有限要素法を用いた塑性加工に関する数値解析の基本を理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる.有限要素法を用いた塑性加工に関する数値解析の基本を理解し,説明できる.有限要素法を用いた塑性加工に関する数値解析の基本を理解していない.あるいは説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2

教育方法等

概要:
自動車,航空機・ロケット,造船,鉄道車輌,重機械,電気・電子部品製造装置,家電機器,コピー器機等のOA機器,パソコン機器等の様々な分野において塑性加工が利用されている.
塑性加工には主な種類だけでも圧延加工法,鍛造法,曲げ加工法,せん断加工,引抜き加工,押出し加工,板成形加工(深絞り加工,張出し加工,スピニング加工)等もあり,これらの加工法の特徴を学習するのが塑性加工学と言える.
 本教科の第1の目標は,鍛造法,押出し,引き抜き,プレス(深絞り,張り出し等)加工法等の技術を学習し,どのような分野に利用されているかを理解できることである.
第2の目標は塑性力学の基礎から応用までを学習し,塑性加工(変形)を施す際に必要な加工応力,加工荷重を適切に見積ることができることである.5年次で履修した塑性加工学で学習した塑性力学特有の体積一定条件,流動方程式,降伏条件式等を活用できることがである.
 第3の目標は実際の塑性加工例として鍛造加工,引抜き加工・押出し加工にこれらの塑性力学を適用して,加工応力や加工荷重の計算ができることである.
 第4の目標は塑性加工の分野でも導入されている有限要素法(Finite Element of Method,略してFEM)による数値解析の基本を理解できることである. 

授業の進め方と授業内容・方法:
講義(パワーポイントと板書)を中心とし,毎週,課題プリントを提出する.
注意点:
塑性力学を理解するためには材料の弾性領域を主に取り扱う材料力学Ⅰ,Ⅱおよび塑性域を取り扱う基礎塑性力学(並列選択)に関する知識が必要である.降伏条件式,応力ーひずみ関係を示すLevy-Misesの流動方程式等を理解する上で数学の基本的な微積分や対数指数の知識も必要である.また,有限要素法を用いて温度解析を行う際には接触熱コンダクタンス,熱伝達係数,熱伝導率等の熱力学の知識も必要となる.

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
前期
1週 塑性加工の意義と種類(塑性加工とは,塑性加工事例) 塑性加工とはどのようなものなのかを他の機械加工法(切削加工,鋳造+溶接=溶融加工)と対比しながら説明ができる.
2週 塑性加工の意義と種類(塑性加工の特徴と分類) 様々な塑性加工法の種類(鍛造,打ち抜き,曲げ,押出し,引き抜き,圧延,深絞り等)と特徴や用途が説明でき,分類もできる.
3週 金属材料の塑性変形と降伏応力・変形抵抗(応力-ひずみ) 弾性・塑性変形,弾性限度,比例限度,降伏点(上下降伏点),耐力等の基礎用語の意味が分かり,線図上で説明できる.また,公称応力,真応力,公称ひずみ,真ひずみの関係式が分かり,使い分けができる.
4週 金属材料の塑性変形と降伏応力・変形抵抗(降伏応力,変形抵抗,偏差応力と静水圧応力) 降伏応力と変形抵抗(流動応力),偏差応力と静水圧応力について理解し,説明することができる.
5週 塑性力学の基礎理論(フックの法則とロイスの方程式,ミーゼスの降伏条件式:相当応力) 弾性力学で使用するフックの法則を発展させたロイスの方程式およびミーゼスの降伏条件式を理解し,両式を用いて計算ができる.
6週 塑性力学の基礎理論(Levy-Misesの流動方程式,降伏条件式,事例演習) レビィ・ミーゼスの流動方程式の導き方を理解し,この式とミーゼスの降伏条件式を用いて塑性に関する事例演習を解くことができる.
7週 塑性力学の基礎理論(応用事例演習) 塑性力学に関する応用演習問題を体積一定条件,ミーゼスの降伏条件式(相当応力)およびLevy-Misesの流動方程式を利用して計算できる.
8週 前期中間試験
9週 鍛造加工(鍛造加工の効果と分類,鍛造加工の基礎) 鍛造の特徴,鍛造金型の違いによる分類{自由鍛造,型鍛造(半閉塞鍛造,閉塞鍛造,押出し)},材料の変形形態による分類{(据込み,延伸,押出し(直接押出し,間接押出し,前後方押出し),型鍛造,回転鍛造}あるいは温度または素材の形態による分類(溶湯鍛造,熱間鍛造,温間鍛造,冷間鍛造,等温鍛造,粉末鍛造)等が分かり,熱間鍛造,温間鍛造,冷間鍛造の長短所を簡潔に表現できる.
10週 鍛造加工(鍛造理論)  直方体および円柱ブロックの据込み鍛造における加工荷重,加工応力を求める計算式をスラブ法にて誘導できる.その際,力の釣り合い方程式の立て方,変数分離形を応用した積分,境界条件の入れ方等も理解できる.
11週 鍛造加工(鍛造機械),引抜き(引抜き加工,引抜き理論) 各種鍛造機械{液圧プレス,機械プレス(クランクプレス,エキセンプレス,ナックルプレス,フリクションプレス),ハンマ}の機構と特徴を理解できる.また,引抜き加工の種類と特徴を理解し,引抜き力や荷重の計算ができる.
12週 押出し(押出し加工,押出し理論) 押出し加工の種類と特徴を理解し,押出し力や荷重の計算ができる.
13週 有限要素法の理論や特徴 有限要素法の理論や特徴を理解し,説明することができる.
14週 後方押出し加工における熱(温度)解析の理論と方法 後方押出し加工を例にして熱(温度)解析の理論や方法を説明することができる.また,解析パラメータとなる型と鍛造材料との接触時間,接触熱コンダクタンス,(強制)冷却熱伝達係数,摩擦せん断係数,滑り速度等を理解し,説明できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000