概要:
専攻科の専門科目を履修するためには、5年までに修得した基礎知識とそれに基づく応用力が必要となる。多くの演習問題を解くことより、これまでにわからなかった問題点が明らかになると同時に、解く過程で思考能力が訓練される。さらには、勉学への動機づけがなされ、新しいアイデアも生まれる。このことは研究への成果向上にも寄与する。この科目では5年までの専門基礎科目を中心に、演習を通して基礎的な理論及び原理を習得する。また自分の力で解いた問題を全員に説明し、納得してもらう訓練を行うことでプレゼンテーション能力を養う。
前期では大学入試や技術士第1次試験(化学部門)と同程度の演習問題を解き、化学全般に亘った知識を習得する。
後期では有機合成により得られた化合物の機器分析の結果から、同定を行う。また、有機合成化学に関する英論文をまとめてプレゼンを行う。その際、特に反応機構について詳細に説明を行う。最終的にそれらの内容について試験を行う。
授業の進め方・方法:
[冨永担当分] 毎回,演習問題を解答させるが,自宅あるいは必要に応じて図書館等で予習を行い,授業時に各自担当部分の解答および解説をプレゼンテーションしてもらう.授業後に分からなかった問題等については復習を行って,担当以外の問題についても十分に理解するように努力してほしい.
[藤本担当分] ある化合物の機器分析データを調べてその化合物の同定を行い、その根拠をプレゼンテーションにより説明する。また英論文については、実験方法や反応機構について検討し、同様にプレゼンテーションをおこなう。授業後に分からなかった問題等については復習を行い、担当以外の問題についても十分に理解するように努力してほしい。
注意点:
物質工学の基礎知識を有することが望ましい。
前期の評価割合は試験(専門的能力)が60%、発表が25%,ポートフォリオ(専門的能力)が15%である。
後期の評価割合は試験(専門的能力)が60%、発表(専門的能力)が25%、ポートフォリオ(専門的能力)が15%である。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 5 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 5 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 5 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
共鳴構造について説明できる。 | 5 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 5 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 5 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 5 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 5 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 5 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 5 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 5 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 5 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |