概要:
有機化学のほとんど全領域の基盤になるのは特定の化合物を市販の原料から合成することである。単純な 化合物でさえその合成経路は通常いくとおりもあり、どの経路がよいかを判断することは難しい。逆合成解析は、このような複雑な有機化合物を効率的に合成するための手法である。
本科目では、逆合成解析を学ぶことによって、単純な一置換分子あるいは二置換分子からピロリジジンアルカロイドのような複雑な分子までを含む幅広い分子の効率的な合成戦略の設計ができるようになることを目標とする。また、逆合成解析を学ぶ前に、有機化学における4つの重要な反応(付加、脱離、置換、転 移)や有機化合物の基本的な性質(共鳴構造、誘起効果)について復習を行う。
授業の進め方・方法:
プロジェクタを用いた講義を主体とする。授業内容は教科書に沿っているので、必要に応じて教科書に追記し、ノートは問題を解く際に用いる。また、授業内容を理解するために予習も欠かさないこと。この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として小テストを実施するので毎回復習してくること。。
注意点:
有機化学の基礎知識を有することが望ましい。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 5 | 前1 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 5 | 前1,前2,前3 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 5 | 前1 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 5 | 前1 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 5 | 前1,前3,前4,前5,前6 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 5 | 前1,前3 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 5 | 前1 |
共鳴構造について説明できる。 | 5 | 前1 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 5 | 前1,前7 |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 5 | 前4,前5,前6 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 5 | 前14 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 5 | 前12,前13,前14 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 5 | 前14 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 5 | 前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 5 | 前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 5 | 前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 5 | 前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 5 | 前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |