到達目標
1.セントラルドグマと関連付けて、遺伝子の構造と関連付けて理解している。
2.遺伝子操作(DNA操作)、遺伝子組換え技術・ゲノム編集の原理、手法について理解している。
3.細胞周期について理解し、細胞操作(fucci法など)と関連付けて説明できる。
4.実験手法としての遺伝学を理解している。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | セントラルドグマと関連付けて、遺伝子の構造と関連付けて理解し、説明できる。 | セントラルドグマと関連付けて、遺伝子の構造と関連付けて概ね理解している。 | セントラルドグマと関連付けて、遺伝子の構造と関連付けて理解できていない。 |
評価項目2 | 遺伝子操作(DNA操作)、遺伝子組換え技術の原理、手法について理解し、説明できる。 | 遺伝子操作(DNA操作)、遺伝子組換え技術の原理、手法について概ね理解している。 | 遺伝子操作(DNA操作)、遺伝子組換え技術の原理、手法について理解していない。 |
評価項目3 | 細胞周期について理解し、細胞操作と関連付けて説明できる。 | 細胞周期について概ね理解し、細胞操作と関連付けても概ね理解している。 | 細胞周期、細胞操作について理解できていない。 |
評価項目4 | 実験手法としての遺伝学を理解し、説明できる。 | 実験手法としての遺伝学を概ね理解している。 | 実験手法としての遺伝学を理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 B-2
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学習・教育到達度目標 B-2
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教育方法等
概要:
遺伝子とは遺伝情報を担う構造単位で、遺伝形質を規定する因子をいう。現在では、遺伝子の本体はデオキシリボ核酸(DNA)(リボ核酸の場合もある)の一定の領域の塩基配列によって規定されていることが明らかとなっている。遺伝子工学とは、ある生物種からDNAを得て、それを別のDNAと試験管内で自由に組換え、最終的に生物雑種をつくることである。しかし、自由に組み換えるといっても巨大な染色体を自由に組み換えて生物雑種をつくりあげることは非常に困難である。このため、遺伝子組換えでは、染色体よりも非常に小さなDNAを予め精巧に作っておき、これを目的とするDNAを組換え反応によりつなげることにより実現している。本講義では、遺伝子の構造、機能、遺伝子操作、細胞操作、遺伝子の分子機構について講義を行う。この科目では研究所で研究業務を担当していた教員がその経験を活かし、遺伝子工学の専門知識、そして最新の研究開発の手法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
2年生の生物、3年生の生物化学、生物工学基礎、4年生の生体触媒工学、生物工学、5年生の生体高分子工学と重複する部分も多くあることからグループワークと講義とで進める。
シラバスに授業内容、到達目標が記載してあるので、該当箇所は予習して授業に臨むこと。
教科書には該当箇所の問題があるので、各人で解き進めて、内容の理解の定着をはかること。時折、該当箇所の問題を配布するので、各人で解き進めて、内容の理解の定着をはかること。事後学習としてレポートを課す。
注意点:
2年生の生物、3年生の生物化学、生物工学基礎、4年生の生体触媒工学、生物工学、5年生の生体高分子工学、生物工学演習を基礎とする科目であることから、これらの科目の理解度が低い学生は、これらの科目の理解度を十分にあげておくこと。また、3年生の有機化学1、物理化学1、4年生の有機化学2、物理化学2、5年生の物理化学3の理解度も本科目修得の基礎となるので、これらの科目の理解度が低い学生は、これらの科目の理解度も十分にあげておくこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス DNAと染色体 |
DNAの構造と機能を理解し、説明できる。 真核生物の染色体構造について理解し、説明できる。
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2週 |
DNAの複製、修復、組換え |
DNA複製、DNA修復、相同組換えについて理解し、説明できる。
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3週 |
DNAからタンパク質へ |
DNAからRNAへ(転写)について理解し、説明できる。RNAからタンパク質へ(翻訳)について理解し、説明できる。
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4週 |
発現ベクターの構造及び組換えタンパク質の発現、組換えDNA実験の安全性確保と法規制 |
目的に応じた発現ベクターを選択でき、組み換えDNA実験の安全性確保を理解している。
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5週 |
タンパク質の精製と分離 |
組み換えタンパク質の分離と精製、プロテオーム解析を理解して、説明できる。
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6週 |
遺伝子工学の応用 |
発光・蛍光タンパク質の利用と応用を理解して、説明できる。
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7週 |
遺伝子とゲノム編集 |
ゲノム編集の原理と応用を理解して、説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
細胞周期 |
細胞周期、細胞周期制御系を説明できる。S期、M期を説明できる。
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10週 |
細胞周期 |
有糸分裂、細胞質分裂を説明できる。FucciやFACSによる細胞周期の分析方法を理解して、説明できる。
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11週 |
体細胞核のリプログラミング |
クローン技術やES細胞、iPS細胞を理解して、説明できる。
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12週 |
遺伝学・特定の遺伝子の不活性化 |
遺伝学、特に逆遺伝学法であるノックアウト法やRNAi法を理解して、説明できる。
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13週 |
性と遺伝学 |
実験手法としての遺伝学を理解し、説明できる。メンデルと遺伝の法則を説明できる。性の恩恵について説明できる。減数分裂と受精を説明できる。
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14週 |
産業界における遺伝子工学の利用 |
ヒトゲノムの多型解析や遺伝子工学手法を用いた医薬品や食品の実例を理解して、説明できる
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
テストの範囲の内容で理解不足であったところ(テストで明確化されたところ)の内容を正確に理解する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 5 | 後1 |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 5 | 後1 |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 5 | 後1,後2,後3,後7 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 5 | 後3,後4,後7 |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 5 | 後1,後2,後12,後13 |
細胞周期について説明できる。 | 5 | 後9,後10,後11 |
分化について説明できる。 | 5 | 後9,後11 |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 5 | 後7,後13 |
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。 | 5 | 後10,後11 |
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。 | 5 | 後14 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 5 | 後1,後3,後4,後5 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 5 | 後1,後5 |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 5 | 後2 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 5 | 後2 |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 5 | 後2 |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 5 | 後3 |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 5 | 後3,後6 |
生物工学 | 遺伝子組換え技術の原理について理解している。 | 4 | 後5,後6,後7 |
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。 | 4 | 後7 |
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。 | 4 | 後7 |
遺伝子組み換え技術のリスクと安全策について説明できる。 | 4 | 後7 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |