概要:
原子が多数結合して形成される分子は、原子の種類・サイズ・構成・立体構造など様々な要因によって機能性が変化する。様々な機能性材料や医薬品等を設計するうえで、分子が発現する機能を把握しておくことは非常に重要である。近年の分析機器の発展は目覚ましいものである一方、必要に応じて適した分析機器や条件・手法を選択する必要がある。そのためには、各種分析機器の原理を理解したうえで利用することが必要不可欠であり、さらに得られる結果を正確に解析できなければならない。
本科目では、指定された分析機器に関して自身で調べてプレゼンテーションを行う。これにより情報収集・プレゼンテーション能力を養う。また、様々な分子構造解析の手法および原理を理解し、実際に得られるスペクトル等の結果から分子構造を決定する解析手法を習得する。また、逆に分子構造からスペクトルを予測するために、その化合物の各種特徴(軌道、電子状態、共鳴、溶媒等)から得られる情報について適切に判断できる知識を習得する。一方で、高分子化合物に関しては、それらの構造的特徴、重合法、熱的性質等に関して、および解析法について習得する。
この科目は企業において分析実務経験を有する教員がその経験を活かし、分析機器の原理や仕組みのみではなく、分析に至るまでのフロー構築や注意点など、ALを交えた多面的な視点から講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
板書中心
注意点:
本科目では基礎化学、物理、有機化学、無機化学、生物学等の総合的な基礎・応用知識が必要となる。
各種分析機器、およびスペクトル解析については課題を与え、その内容に関して授業中に発表を行うため、授業時間外での学習が必要である。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス NMR |
本科目の内容と目標を理解する。 プレゼンする各種分析装置の担当、プレゼン時の注意点等を把握する。 1H-NMRの復習、二次元NMRおよび13C-NMRの原理とデータ解析法について理解する。
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2週 |
NMR、FT-IR、MSの復習 |
FT-IR、MSの復習を行い、それぞれの分析法の理解度を深める。
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3週 |
有機化合物のスペクトル解析1 |
NMR、MS、IR、UV-vis等のスペクトル解析法を習得する。
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4週 |
有機化合物のスペクトル解析2 |
NMR、MS、IR、UV-vis等のスペクトル解析法を習得する。
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5週 |
有機化合物のスペクトル解析+プレゼンテーション1 |
NMR、MS、IR等のスペクトルより導いた有機化合物の分子構造についてプレゼンテーションを行う。その際、化合物の軌道、電子状態より、官能基の効果や溶媒、共鳴などによるスペクトルの変動についても討論を行う。
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6週 |
有機化合物のスペクトル解析+プレゼンテーション2 |
NMR、MS、IR等のスペクトルより導いた有機化合物の分子構造についてプレゼンテーションを行う。その際、化合物の軌道、電子状態より、官能基の効果や溶媒、共鳴などによるスペクトルの変動についても討論を行う。
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7週 |
有機化合物のスペクトル解析+プレゼンテーション3 |
NMR、MS、IR等のスペクトルより導いた有機化合物の分子構造についてプレゼンテーションを行う。その際、化合物の軌道、電子状態より、官能基の効果や溶媒、共鳴などによるスペクトルの変動についても討論を行う。
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8週 |
計算化学(分子軌道法) |
計算化学的手法である分子軌道法の原理を理解する。ソフトウェアを用いた基本的な計算方法を習得する。
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4thQ |
9週 |
計算化学(分子動力学法) |
計算化学的手法である分子動力学法の原理を理解する。ソフトウェアを用いた基本的な計算方法を習得する。
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10週 |
プレゼンテーション1 |
担当する分析機器の原理、特徴についてプレゼンテーションを行う。その際、関係する論文などを適宜参照し、合成(重合)法、化合物の特徴・性質、精製法等についても詳細に発表する。また、プレゼン者以外の学生は質疑を行う。
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11週 |
プレゼンテーション2 |
担当する分析機器の原理、特徴についてプレゼンテーションを行う。その際、関係する論文などを適宜参照し、合成(重合)法、化合物の特徴・性質、精製法等についても詳細に発表する。また、プレゼン者以外の学生は質疑を行う。
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12週 |
プレゼンテーション3 |
担当する分析機器の原理、特徴についてプレゼンテーションを行う。その際、関係する論文などを適宜参照し、合成(重合)法、化合物の特徴・性質、精製法等についても詳細に発表する。また、プレゼン者以外の学生は質疑を行う。
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13週 |
プレゼンテーション4 |
担当する分析機器の原理、特徴についてプレゼンテーションを行う。その際、関係する論文などを適宜参照し、合成(重合)法、化合物の特徴・性質、精製法等についても詳細に発表する。また、プレゼン者以外の学生は質疑を行う。
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14週 |
プレゼンテーション5 |
担当する分析機器の原理、特徴についてプレゼンテーションを行う。その際、関係する論文などを適宜参照し、合成(重合)法、化合物の特徴・性質、精製法等についても詳細に発表する。また、プレゼン者以外の学生は質疑を行う。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
高分子の熱的性質を説明できる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
重合反応について説明できる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
分析化学 | 光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 5 | 後3,後4,後10,後11,後12,後13,後14 |
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。 | 5 | 後10,後11,後12,後13,後14 |
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。 | 5 | 後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14 |