分子構造解析学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 分子構造解析学
科目番号 0028 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 応用物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 教科書:配布プリント / 教材:各種スペクトル解析、機器分析に関する書籍
担当教員 大河平 紀司

到達目標

1.各分析機器の原理・装置・応用例について正しく説明することができる
2.複数の分析機器より得られる多様な情報を正しく解析することができる
3.計算化学的手法にて目的分子の3Dモデルを作成し正しい情報を得ることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各分析機器の原理・装置・応用例について、プレゼン資料を用いて正しく説明することができる各分析機器の原理・装置・応用例について、ある程度説明することができる各分析機器の原理・装置・応用例について説明することができない
評価項目2複数の分析機器より得られる多様な情報を正しく理解し、正確に解析することができる複数の分析機器より得られる情報をある程度解析することができる分析機器より得られる情報を解析することができない
評価項目3計算化学的手法を用いて目的分子の3Dモデルを作成し、分子サイズ・結合角・電荷等の正しい情報を得ることができる計算化学的手法を用いて目的分子の3Dモデルを作成し、ある程度の情報を得ることができる計算化学的手法を用いて目的分子の情報を得ることができない

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
原子が多数結合して形成される分子は、原子の種類・サイズ・構成・立体構造など様々な要因によって機能性が変化する。様々な機能性材料や医薬品等を設計するうえで、分子が発現する機能を把握しておくことは非常に重要である。近年の分析機器の発展は目覚ましいものである一方、必要に応じて適した分析機器や条件・手法を選択する必要がある。そのためには、各種分析機器の原理を理解したうえで利用することが必要不可欠であり、さらに得られる結果を正確に解析できなければならない。
 本科目では、指定された分析機器に関して自身で調べてプレゼンテーションを行う。これにより情報収集・プレゼンテーション能力を養う。また、様々な分子構造解析の手法および原理を理解し、実際に得られるスペクトル等の結果から分子構造を決定する解析手法を習得する。
授業の進め方・方法:
板書中心
注意点:
本科目では基礎化学、物理、有機化学、無機化学、生物学等の総合的な基礎・応用知識が必要となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 本科目の内容と目標を理解する。
プレゼンする各種分析装置の担当、プレゼン時の注意点等を把握する。
2週 光学・電子顕微鏡 光学顕微鏡と電子顕微鏡の原理・応用を理解する。電子顕微鏡に関しては、その分類や特徴についても理解する。
3週 有機化合物のスペクトル解析1 NMR、MS、IR等のスペクトル解析法を習得する。
4週 有機化合物のスペクトル解析2 NMR、MS、IR等のスペクトル解析法を習得する。実際に演習を解き、全員でディスジカッションを行う。
5週 有機化合物のスペクトル解析+プレゼンテーション1 NMR、MS、IR等のスペクトルより導いた有機化合物の分子構造についてプレゼンテーションを行う。
6週 有機化合物のスペクトル解析+プレゼンテーション2 NMR、MS、IR等のスペクトルより導いた有機化合物の分子構造についてプレゼンテーションを行う。
7週 有機化合物のスペクトル解析+プレゼンテーション3 NMR、MS、IR等のスペクトルより導いた有機化合物の分子構造についてプレゼンテーションを行う。
8週 計算化学(分子軌道法) 計算化学的手法である分子軌道法の原理を理解する。ソフトウェアを用いた計算方法を習得する。
4thQ
9週 計算化学(分子動力学法) 計算化学的手法である分子動力学法の原理を理解する。ソフトウェアを用いた計算方法を習得する。
10週 プレゼンテーション1 担当する分析機器の原理、特徴、応用例についてプレゼンテーションを行う。また、プレゼン者以外の学生は質疑を行う。
11週 プレゼンテーション2 担当する分析機器の原理、特徴、応用例についてプレゼンテーションを行う。また、プレゼン者以外の学生は質疑を行う。
12週 プレゼンテーション3 担当する分析機器の原理、特徴、応用例についてプレゼンテーションを行う。また、プレゼン者以外の学生は質疑を行う。
13週 プレゼンテーション4 担当する分析機器の原理、特徴、応用例についてプレゼンテーションを行う。また、プレゼン者以外の学生は質疑を行う。
14週 プレゼンテーション5 担当する分析機器の原理、特徴、応用例についてプレゼンテーションを行う。また、プレゼン者以外の学生は質疑を行う。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。5
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。5
σ結合とπ結合について説明できる。5
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。5
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。5
共鳴構造について説明できる。5
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。5
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。5
分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。5
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。5
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。5
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。5
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。5
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力010000010
専門的能力6030000090
分野横断的能力0000000