構造解析学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 構造解析学
科目番号 0006 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 初めての建築構造設計(建築のテキスト編集委員会,学芸出版社),構造骨組の特性と解析(日本建築学会関東支部)
担当教員 上原 修一

到達目標

1.構造解析ソフト(マルチフレーム)を使い,構造物の解析ができる.
2.構造骨組の特性とその解析法が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 構造解析ソフト(マルチフレーム)を使い,構造物の解析ができ,さらにその結果の意味を,専門用語を用い的確に説明できる.構造解析ソフト(マルチフレーム)を使い,構造物の解析ができる. 構造解析ソフト(マルチフレーム)を使い,構造物の解析がでない.
評価項目2 構造骨組の特性と解析について理解でき,専門用語を用い的確に説明できる.構造骨組の特性と解析について理解できる。 構造骨組の特性と解析について理解ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 建築構造技術者は,構造解析ソフトを的確に運用しなければならない。その際必要となることは,実際の構造物の適切なモデル化と,解析結果の適切な評価である。本授業では,前半は構造解析ソフト(マルチフレーム)を使って,構造物の基本的な性状を理解する。後半は,テキスト「構造骨組の特性と解析(日本建築学会関東支部)」を用い,最新の知識を学ぶ。本テキストでは,実務で用いる知識が系統的にまとめられている。
 なお,評価項目1が前半の授業内容,評価項目2が後半の授業内容である.筆記試験は行わず,発表と輪講準備の内容によって評価し,下記総合評価の合計点が60点以上の場合,合格となる.
授業の進め方・方法:
授業の前半では,構造解析ソフト(マルチフレーム)の使用可能な環境を与える.またそのマニュアルを配付する.そのソフトウエアを使って,個人あるいは2人程度のグループで各課題に取り組む.後半は,テキスト「構造骨組の特性と解析(日本建築学会関東支部)」を用いた輪講とする。
注意点:
構造力学および材料力学の知識が必要である.前半は,構造解析ソフト(マルチフレーム)のマニュアルを用いて,予習をすること.後半は構造骨組の特性と解析(日本建築学会関東支部)について,予習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要説明 授業の概要が理解できる.
2週 構造解析ソフト(マルチフレーム)の基礎1 マルチフレームの使い方が理解できる.
3週 構造解析ソフト(マルチフレーム)の基礎2 マルチフレームの例題が解析でき,その結果を評価できる.
4週 構造解析ソフト(マルチフレーム)の基礎3 5年生時に手計算で解いた鋼構造物(以下鋼構造物)をマルチフレームで解き,その結果を比較できる.
5週 構造解析ソフト(マルチフレーム)の基礎4 同上の比較結果を発表できる.
6週 偏心率,剛性率,床剛性の演習1 マルチフレームによる解析結果を用いて,偏心率,剛性率,床剛性の意味を理解できる.
7週 偏心率,剛性率,床剛性の演習2 マルチフレームによる解析結果を用いて,偏心率,剛性率,床剛性の影響を評価できる.
8週 偏心率,剛性率,床剛性の演習3 マルチフレームによる解析結果を用いて,偏心率,剛性率,床剛性の影響を発表できる.
2ndQ
9週 解析手法の位置づけと歴史1 骨組のモデル化,境界条件,解析の仮定,解析方法の概要を説明できる。
10週 解析手法の位置づけと歴史2 骨組解析の歴史,たわみ角法などの古典理論を説明できる。
11週 ラーメン構造の架構特性1 ラーメン部材の変形特性を説明できる。
12週 ラーメン構造の架構特性2 ラーメン構造の変形特性を説明できる。
13週 耐震壁の構造特性1 耐震壁のモデル化を説明できる。
14週 耐震壁の構造特性2 開口を有する耐震壁等の多様な耐震壁のモデル化を説明できる。
15週 保有水平耐力 保有水平耐力の計算事例について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。5
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。5
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。5
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。5
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。5
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。5
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。5
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。5
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。5
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。5
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。5
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。5
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。5
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。5
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。5
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。5
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。5
ラーメンやその種類について説明できる。5
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。5
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。5
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。5
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。5
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。5
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合03000700100
基礎的能力0000000
専門的能力0200050070
分野横断的能力0100020030