鋼構造設計論

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 鋼構造設計論
科目番号 0037 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 建築技術/株式会社建築技術(必要に応じて資料を配付する)
担当教員 岩下 勉

到達目標

1.鋼構造設計に関する用語や内容(耐震設計,材料,接合部,破壊現象等)を説明することができる.
2.自ら調べた鋼構造建築の構造的特徴を分かりやすく説明,発表できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1鋼構造設計に関する用語や内容(耐震設計,材料,接合部,破壊現象等)を詳細に説明できる.鋼構造設計に関する用語や内容(耐震設計,材料,接合部,破壊現象等)を説明できる.鋼構造設計に関する用語や内容(耐震設計,材料,接合部,破壊現象等)を説明できない.
評価項目2鋼構造建築の構造的特徴を深く考察し,分かりやすく説明,発表できる.鋼構造建築の構造的特徴を分かりやすく説明,発表できる.鋼構造建築の構造的特徴を分かりやすく説明,発表できない.
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
兵庫県南部地震で生じた鋼構造物の脆性破壊は,骨組の塑性変形によるエネルギー吸収を期待した設計法に衝撃を与え,溶接部の品質管理に対して 抜本的な見直しを迫った.それから多くの研究や検討が積み重ねられ,溶接部の品質確保に関する規定ができたが,その成果は実際の実務にどの程度反映されているのだろうか.一方,時代は建物に要求される性能に対応した性能設計法へと移りつつあり,設計の自由度も高まる一方,設計者としての責任も大きくなる.また,設計で意図した性能をきちんと発揮させるためには,監理の質もより問われることになるであろう.
このようなことを踏まえて,本授業では,鋼構造設計ついて「授業計画」に挙げるテーマを通して,鋼構造の設計やその背景となる知識について理解できることを目標とする.
また,授業では魅力ある鋼構造建築を調べ,その特徴についてレポートを作成するとともに英語での発表も行う.
授業の進め方・方法:
授業では,与えられたテーマについて理解し,学生が発表する形式をとる.また,各テーマにおいては,資料以外の情報(特に最近の技術など)について調べ,それらの紹介を行う.翌週には各テーマにおいて,小テストを実施するため,これらの準備も重要となる.
魅力ある鋼構造建築の発表では,英語で発表を行う.
注意点:
本科で学んだ鋼構造はもとより,建築構法,建築材料,構造力学,建築塑性解析,建築生産などの知識が必要である.
また,上記に述べたよう,学生が発表を行う形で授業を進めるため,授業時間外を使って発表準備(内容の理解)が必要となる.
また,グローバル化や英語の重要性の観点から必要性や内容に応じて,英語での説明,問題提示が行われる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション 本授業で何を学んでいくのかを理解できる.
2週 鋼構造建築の変遷 鋼構造建築の変遷を理解できる.
3週 鋼材に求められる性能 鋼材に求められる性能について理解できる.
4週 接合のメカニズム 接合のメカニズムについて理解できる.
5週 建築鉄骨の破壊とその原因 建築鉄骨の破壊とその原因について理解できる.
6週 スカラップに起因する柱梁仕口のひずみ集中 スカラップに起因する柱梁仕口のひずみ集中ついて理解できる.
7週 破壊・破断対策1 破壊・破断対策について理解できる.
8週 破壊・破断対策2 破壊・破断対策について理解できる.
2ndQ
9週 柱梁接合部 柱梁接合部について理解できる.
10週 柱脚 柱脚について理解できる.
11週 制震 鋼構造物で多く用いられる制震構造,制震要素について理解できる.
12週 魅力ある鋼構造建築の調査 魅力ある鋼構造建築の構造的特徴等の調査を進めることができる.
13週 魅力ある鋼構造建築の調査 魅力ある鋼構造建築の構造的特徴等の調査を進めることができる.
14週 魅力ある鋼構造建築の調査 魅力ある鋼構造建築の構造的特徴等を調べ,発表の準備を進めることができる.
15週 発表 英語で魅力ある鋼構造物を発表できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。4前3
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。4前3
構造鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。4前9,前11
S造の特徴・構造形式について説明できる。4前2,前11
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。4
溶接接合の種類と設計法について説明できる。4前4
仕口の設計方法について説明ができる。4前6,前9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合015001570100
基礎的能力0000000
専門的能力0000157085
分野横断的能力015000015