到達目標
1.拡張されベ巾級数法を理解し,関連する微分方程式を解くことができる.
2.特殊関数のそれぞれを理解し,それらに共通する性質を利用できる.
3.量子力学の基本的な例を通して、特殊関数がどのように応用されるか理解している.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 拡張されベ巾級数法を説明でき,各種微分方程式を解くことができる. | 拡張されベ巾級数法を理解し,関連する微分方程式を解くことができる. | 拡張されベ巾級数法を理解していない.また関連する微分方程式を解くことができない. |
評価項目2 | 特殊関数のそれぞれを説明でき,それらに共通する性質も説明できる. | 特殊関数のそれぞれを理解し,それらに共通する性質を利用できる. | 特殊関数のそれぞれを理解していない。また,それらに共通する性質を利用できない. |
評価項目3 | 量子力学の基本的な例を通して、特殊関数がどのように応用されるか説明できる. | 量子力学の基本的な例を通して、特殊関数がどのように応用されるか理解している. | 量子力学の基本的な例を通して、特殊関数がどのように応用されるか理解していない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
偏微分方程式は常微分方程式の多変数への拡張として数学的に興味深いばかりではなく,多くの自然現象が偏微分方程式を用いて記述されることを見ても明らかなように、広く理工学において中心的な重要性を持っている.
専攻科1年における応用解析1では,応用上非常に重要な意味を持つ2階の線形偏微分方程式が変数分離法により,複数の常微分方程式に分離できることを見た.また,一般的な常微分方程式の解法として巾級数法を理解した.
この科目の第1の目標は、特殊関数を理解する上で必要となる,拡張された巾級数法を理解することである.これにより,より一般的な常微分方程式を取り扱えるようになる.
第2の目標は、ルジャンドル微分方程式,ベッセル微分方程式,エルミート微分方程式およびラゲール微分方程式に対して,巾級数法および拡張された巾級数法を適用しその結果として得られる,ルジャンドル多項式,ベッセル関数,エルミー多項式およびラゲール多項式等の特殊関数を理解することである.個々の特殊関数の理解に合わせて,それらに共通する,ロドリーグ公式,母関数,直交性等の性質・概念も理解することである.
第3の目標は量子力学から例に基づき,特殊関数がどのように応用されているのかを理解することである.1次元調和振動子ではエルミート多項式,また3次元中心力場ではルジャンドル陪多項式およびラゲール陪多項式がその解として現れる.これらの例を通して特殊関数の重要性を認識してもらいたい.
授業の進め方・方法:
講義形式,グループワーク等による授業および問題演習
注意点:
有明高専の数学 第1~4巻の内容を理解している必要があります.また,専攻科1年の応用解析1の内容を理解していることが望ましい.
内容の理解と定着をはかるため、演習問題を適宜レポートとして解答・提出してもらいます.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバス等説明,数学的準備 |
巾級数法について理解し,簡単な微分方程式を解くことができる.
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2週 |
拡張された巾級数法 |
拡張された巾級数法について理解し,簡単な微分方程式を解くことができる.
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3週 |
極座標・球面座標変換 |
デカルト座標で表現されているラプラシアンを極座標・球面座標へ変換できる.
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4週 |
ガンマ関数 |
ガンマ関数の性質を理解し,関連する計算ができる.
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5週 |
ベッセル関数 |
ベッセル微分方程式に対して拡張された巾級数法を用いて解くことができる.
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6週 |
シュツルム−リウビル理論 |
シュツルム−リウビル理論を理解し,シュツルム−リウビル型微分方程式の解の直交性を理解する.
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7週 |
ルジャンドル多項式(1) |
ルジャンドル微分方程式を巾級数法を用いて解くことができる.
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
ルジャンドル多項式(2) |
ルジャンドル多項式の母関数を理解し,母関数からルジャンドル多項式を求めることができる.
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10週 |
ルジャンドル多項式(3) |
条件付期待値に関する知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.
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11週 |
エルミート 多項式 |
エルミート微分方程式に対して拡張された巾級数法を用いて解くことができる.
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12週 |
ラゲール多項式 |
ラゲール微分方程式に対して拡張された巾級数法を用いて解くことができる.
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13週 |
1次元調和振動子 |
1次元調和振動子のシュレディンガー方程式の解にエルミート 多項式が現れることを理解する.
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14週 |
3次元中心力場 |
3次元中心力場のシュレディンガー方程式の解にルジャンドル多項式・ラゲール多項式が現れることを理解する.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分の計算ができる。 | 4 | 前4 |
合成関数の偏微分法を利用した計算ができる。 | 4 | 前3 |
基本的な関数について、2次までの偏導関数を計算できる。 | 4 | 前1,前2 |
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。 | 4 | 前1,前2 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |