応用数理Ⅱ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 応用数理Ⅱ
科目番号 0052 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 プリントを配布
担当教員 田中 彰則

到達目標

1.確率空間についての知識を習得し,関連する問題を解くことができる.
2.マルコフ過程についての知識を習得すし,説明することができる.
3.マルコフ過程に関連する問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1確率空間について知識を習得し,関連する発展的な問題までも解くことができる.確率空間について知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.確率空間について知識を習得しておらず,関連する基本的な問題を解くことができない.
評価項目2マルコフ過程についての知識を習得し,発展的事項までも正しく説明できる.マルコフ過程についての知識を習得し,基本的事項を正しく説明できる.マルコフ過程についての知識を習得しておらず,基本的事項を正しく説明できない.
評価項目3マルコフ過程に関連する発展的問題までも解くことができる.マルコフ過程に関連する基本的問題を解くことができる.マルコフ過程に関連する基本的問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1

教育方法等

概要:
 水を張った水槽にインクを一滴垂らすと,インクが水の中を広がっていく様子が観察される.インクを構成している分子の1つに注目すると,このインク分子は,主に水分子との衝突をくり返しながら運動しているであろう.粒子の衝突と運動はニュートンの運動方程式に支配されるので,このインク分子の運動の様子を理解するためには,多数の水分子とインク分子とを記述する運動方程式を作り,それを解くとよいように思える.しかしながら,今の場合,非常に多くの粒子が絡んだ運動なので,解くべき運動方程式が途方もない数となり,これを実際に行うことは不可能である.
 では,どのようにしてインクが広がって行く様子を理解したらよいのでろうか? 実はニュートンの運動方程式を解くときには障害となってしまう多数の粒子の存在を逆手にとり,インク分子はある"確率"で水分子と衝突し,ある"確率"で次の運動の方向を決めると仮定し,運動を解析するのである.このように,系の時間発展が確率に支配されているとする数学モデルを確率過程と呼ぶ.インク分子の運動の他にも,ゲームをする際の得点状況や経済の変動等,理工学・経済学の様々な場面で,確率過程による記述が適した現象が現れる.この講義では,確率過程のごく初歩的な内容を学習し,確率に依存したプロセスを解析する方法を取得するとともに,実践的高度技術者として論理的に現象を解析する姿勢を身つけることを目標とする.
授業の進め方と授業内容・方法:
講義形式,グループワーク等による授業および問題演習.
内容の定着をはかるために自学としてレポートを課します.
注意点:
有明高専の数学 第1~3巻の内容を理解している必要があります.

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
前期
1週 授業の概要説明・標本空間・事象 標本空間とその部分空間としての事象に関する知識を習得し,関連する問題を解くことができる.
2週 確率空間 事象全体のなす空間から[0,1]への写像としての確率,および,標本空間,確率,全事象の作る確率空間の定義を理解し,確率に関連した基本的な定理を証明することができる.
3週 条件付確率 条件付確率に関する知識を習得し,関連する基本的問題を解くことができる.
4週 前3回の授業の復習と確認 前3回の講義で習得した知識をもとに,問題を解くことができる.
5週 確率変数・分布関数 確率変数,分布関数に関する知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.
6週 確率関数・期待値・標準偏差 確率関数・期待値・標準偏差に関する知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.
7週 条件付期待値 条件付期待値に関する知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.
8週 中間試験
9週 確率過程の定義・マルコフ過程の定義 確率過程とマルコフ過程の定義に関する知識を習得し,説明することができる.
10週 推移確率行列・マルコフ過程の例 推移確率行列に関する知識を習得し,現実の現象をマルコフ過程の観点から説明できる.
11週 mステップ推移確率行列とチャップマン-コルモゴロフ方程式 mステップ推移確率行列とチャップマン-コルモゴロフ方程式に関する知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.
12週 前3回の復習と確認 前3回の講義で習得した知識をもとに,問題を解くことができる.
13週 初期到達時刻・再帰性 初期到達時刻・再帰性に関する知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.
14週 1次元ランダムウォーク 1次元ランダムウォークに関する知識を習得し,関連する基本的な問題を解くことができる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力60000400100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000