応用化学基礎実験

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用化学基礎実験
科目番号 2C006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 配布プリント、化学のレポートと論文の書き方(泉美治ら監修、化学同人)
担当教員 田中 康徳,大河平 紀司,石川 元人

到達目標

1.実験における安全とはどのようなことかを理解し、安全性に注意を払って実験をおこなうことができる。
2.実験で使用する基本的な実験器具・装置の名称がわかり、これらを正しく使用できる。
3.日本語による文章や、 図表を用いて論理的に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験における安全とはどのようなことかを理解し、安全に実験をおこなうことができる。実験における安全とはどのようなことかを理解し、安全性に注意を払って実験をおこなうことができる。実験における安全とはどのようなことかを理解していない。安全性に注意を払って実験ができない。
評価項目2各実験で使用する基本的な実験器具・装置の名称が正確にわかり、これらを正しく使用できる。一部に軽微な誤りはあるが各実験で使用する基本的な実験器具・装置の名称がわかり、これらを正しく使用できる。各実験で使用する基本的な実験器具・装置の名称、使用方法がわからない。また、これらの器具・装置を正しく使用できない。
評価項目3得られた成果を正しい日本語による文章や,言いたいことが分かる図表を用いて論理的に説明できる得られた成果を日本語による文章や、 図表を用いて論理的に説明できる得られた成果を,日本語による文章や, 図表を用いて論理的に説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
新しい発見・発明をすることで化学技術分野は進歩してきた。実験は新しい発見・発明には欠かすことのできないことである。今後、今までにない発見・発明(奇異な実験データ)に遭遇した時、それが新しい発見・発明であるかもしれないし、単なるデータの取得ミス(実験の失敗)かもしれない。これらをはっきりさせるには、正しい能力、技術を身に付けるしかなく、これは、あらかじめどうなるかが分かっている実験器具・装置を使用し、正しい結果を出すということを繰り返していくことでしか培われない。本実験の目的は、今後の実験(卒業研究を含む)において必ず使用する基本的な器具や装置を正確に使い、正確なデータを得る能力を身に付けることである。
また、本科目は以下に挙げるSDGs(Sustainable Development Goals)に関連するものである。
No.9 産業と技術革新の基盤をつくろう
授業の進め方・方法:
2週目までは、講義と演習形式となる。4週目以降は、数名で1グループとして実験を行う。
各実験の目的、手法と注意事項、予想される結果に関する十分な予習を行うこと。また、適宜レポートに関する調査を書籍、文献やインターネットで行うこと。レポート整理日を設けているものの、より質の高いレポートを作成するために時間外にも行うこと。また、実験内容および操作に関する試験を行うので学習しておくこと。
注意点:
1.必ず実験ノートを作り、データを記録すること。データ(数値)でなくても、起こっている現象、気付いたこと等を細かくノートに記載しておくと良い。
2.化学実験は危険であるという前提に行うことは非常に重要である。このことは、自身が危険にさらされる行為は、周囲の人間を危険にさらしていることと同じであることを十分認識すること。
3.実験の目的,実験操作の概要を把握し、ノートにまとめておくこと。実験のフロー図を事前にノートに記載して実験にのぞむと良い。
4.レポートに関しては、読む者が理解しやすいように工夫して書くことが重要である。そのためには、課外の図書館における参考書調べなど必要となる。他人のレポートを写す、インターネットや参考書を丸写しするといた行為は厳に慎むこと。
5. 指定するレポート期限を厳守すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 概要説明
安全教育(1)
本実験の趣旨について理解する。
化学実験に取り組む姿勢、実験中の注意事項等を理解する。
化学実験で使用される器具、薬品などの取り扱い方について理解する。
2週 安全教育(2)
試験
化学実験で使用される器具の使用・洗浄方法について理解する。
廃液処理の方法について理解する。
3週 実験器具、装置の使い方(1) 液体試薬の取り扱いに必要な器具の名称がわかる。
液体試薬を取り扱い、そのために必要な器具の使用方法、使用上の注意点がわかり、その操作の意味を理解する。
4週 実験器具、装置の使い方(2) 固体試薬の取り扱いに必要な器具の名称がわかる。
固体試薬を取り扱い、そのために必要な器具の使用方法、使用上の注意点がわかり、その操作の意味を理解する。
ろ過するために必要な器具の名称および、それらの使用方法、使用上の注意がわかり、その操作の意味を理解する。
5週 吸光度測定 溶液の色とpHおよび波長の関係について理解する。
6週 レポートの書き方(1) レポートの書き方、データの処理法などについて理解する。
7週 レポートの書き方(2) レポートの書き方、データの処理法などについて理解する。
8週 レポートの作成・改善 第5週で行った実験について、第6週および第7週の「レポートの書き方(1)・(2)」を踏まえ、レポートを作成・改善を行う。
4thQ
9週 アントシアニンの抽出・精製 野菜等から有用物質を抽出・精製する方法について理解する。
10週 アントシアニン溶液によるpH定性試験 第9週で行った操作により得られたアントシアニンを用い、溶液のpHと色の変化について理解する。
11週 レポート整理日 第9週および第10週で行った実験について、レポートを作成する。
12週 酸化還元反応 酸化還元反応の原理および分子の構造と呈色の関係を理解する。

13週 レポート整理日 第12週で行った実験について、レポートを作成する。
14週 試験
15週 解説、総評
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。1後15
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。1後5,後15
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。1後15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。1後15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。1後15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。1後15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。1後15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。1後15
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。1後15
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。1後15
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。1後15
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。3後4,後5,後6,後7,後8,後9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合20000800100
基礎的能力0000000
専門的能力20000800100
分野横断的能力0000000