有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 3C004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 Professional Engineer Library 有機化学
担当教員 藤本 大輔

到達目標

1 有機化合物が持つ基本的な性質について説明できる
2 有機化合物を命名でき、各官能基の基本的な性質について説明できる。
3 有機化合物の基本的な反応についてメカニズムを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1共有結合、酸性度、立体化学などの有機化合物が持つ性質を理解し、正しい語句を使用して詳細に 説明できる。共有結合、酸性度、立体化学などの有機化合物が持つ性質を理解し、説明できる。共有結合、酸性度、立体化学などの有機化合物が持つ性質を理解していない。あるいはそれらを説明できない。
評価項目2有機化合物を命名でき、各官能基が持つ性質について理解し、正しい語句を使用して詳細に 説明できる。有機化合物を命名でき、各官能基が持つ性質について理解し、説明できる。有機化合物を命名できず、各官能基が持つ性質について理解していない。あるいはそれらを説明できない。
評価項目3有機化合物の基本的な反応についてメカニズムをについて理解し、正しい語句や反応機構を使用して詳細に 説明できる。有機化合物の基本的な反応についてメカニズムをについて理解し、説明できる。有機化合物の基本的な反応についてメカニズムをについて理解していない。あるいはそれらを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 有機化学は生命科学から材料科学の広範囲にわたる現代物質科学の中心的・基礎的役割を担うたいへん重要な学問である。有機化合物の構造や性質あるいは反応性に関する基礎知識が、生命の働きやその作用機構の解明、高機能性材料の設計や創出、そして21世紀の課題である地球環境・エネルギー問題の解決などに必要不可欠と言っても過言ではない。
 本授業では、有機化学の原理や立体化学、さらには基本的な有機化合物の構造や反応性について学び、有機化学の基礎を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
プロジェクタを用いた講義を主体とする。授業内容の理解度により、小テストを行うことがある。授業内容は教科書に沿っているので、必要に応じて教科書に追記し、ノートは問題を解く際に用いる。
注意点:
特になし。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学結合I 各官能基の構造を説明できる。ケクレ構造式、骨格構造、ルイス構造式で化合物を表すことができる。
2週 化学結合II 共有結合、イオン結合、の違いを説明できる。
シグマ結合とパイ結合の違いを説明できる。アルカン、アルケン、アルキンの構造の違いを説明できる。
3週 酸・塩基I ブロンステッド・ローリーの酸、塩基の定義を説明できる。ヘンダーソンーハッセルバルヒ式から反応の平衡の偏りを説明できる。
4週 酸・塩基II ルイスの酸、塩基の定義を説明できる。
5週 アルカンとシクロアルカンI アルカンとシクロアルカンを命名できる。
6週 アルカンとシクロアルカンII アルカンの立体配座について説明できる。
7週 アルカンとシクロアルカンIII シクロアルカンの立体配座について説明できる。
8週 【前期中間試験】
2ndQ
9週 アルカンとシクロアルカンIV アルカンとシクロアルカンの反応について説明できる。
10週 アルケンとシクロアルケンI アルケンとシクロアルケンを命名できる。
11週 アルケンとシクロアルケンII アルケンとシクロアルケンの合成法を説明できる。
12週 アルケンとシクロアルケンIII アルケンとシクロアルケンの反応を説明できる。
13週 アルケンとシクロアルケンIV 共役ジエンの反応を説明できる。
14週 アルキンI アルキンの命名ができる。
15週 【前期末試験】
16週 アルキンII アルキンの合成、反応について説明できる。
後期
3rdQ
1週 アルキンIII アルキンの酸としての性質を理解し、塩基との反応を説明できる。
2週 立体化学I 分子内のキラル炭素を指摘でき、キラル分子を四面体表示で書くことができる。
3週 立体化学II エナンチオマー、ジアルテレオマー、メソ体とは何かを説明できる。
4週 立体化学III またラセミ体とは何かを説明できる。キラル分子の旋光度について説明できる。キラル中心を持たないキラル化合物について説明できる。
5週 ハロゲン化アルキルI ハロゲン化アルキルを命名できる。SN1反応を理解し、反応機構を用いて説明できる。
6週 ハロゲン化アルキルII SN2反応を理解し、反応機構を用いて説明できる。
7週 ハロゲン化アルキルIII E1反応を理解し、反応機構を用いて説明できる。
8週 【後期中間試験】
4thQ
9週 ハロゲン化アルキルIV E2反応を理解し、反応機構を用いて説明できる。SN1, SN2, E1, E2反応を理解し、それぞれの違いについて説明できる。
10週 ハロゲン化アルキルV
11週 アルコールI アルコールを命名できる。アルコールの性質を説明できる。
12週 アルコールII アルコールの合成を説明できる。アルコールの合成における電子の移動を矢印を使って説明できる。
13週 エーテルI エーテルを命名できる。エーテルの性質を説明できる。
14週 エーテルII エーテルやエポキシの反応性を説明できる
15週 【後期末試験】
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4前1,前2
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3前4,前9,前13,後1,後4,後9,後11,後12
σ結合とπ結合について説明できる。4前2
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4前2
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4前12,後14
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4前2,前12
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4前2,前11,前14,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後13
共鳴構造について説明できる。4前12,後12
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前5,前6,前7,前10,前11,前12,前14
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4後1,後2,後3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前5,前9,後1,後2,後3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4後1,後2,後3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100