機器分析学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機器分析学Ⅰ
科目番号 5C003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 教科書:入門機器分析化学;庄野利之・脇田久伸 編著 三共出版 /教材:配布プリント
担当教員 大河平 紀司

到達目標

1.各分析機器について原理や装置を正しく説明することができる
2.各分析機器より得られる情報を正しく解析することができる
3.様々な物質を正確に分析する手法を提案することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各分析機器について原理や装置を正しく説明することができる各分析機器について原理や装置をある程度説明することができる各分析機器について原理や装置を説明することができない
評価項目2物質を分析機器にて測定した際に得られる情報を正しく解析することができる物質を分析機器にて測定した際に得られる情報をある程度解析することができる分析機器より得られる情報を解析することができない
評価項目3各分析機器の原理を理解し目的に応じた分析手法を正確に提案することができる目的にある程度応じた分析手法を提案することができる目的に応じた分析手法を提案することができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
分析化学の領域でも技術革新に対応して状態分析、極微量の分析、あるいは産業や経済の発展に伴う環境問題の解決に必要な、動態解析ともいうべき高度な分析技術、材料構造とその機能の相関の解析、生体関連現象の解析技術などが要望されるようになっている。本科目では、それらの解析に必要な分析機器の原理および知識を習得する。また演習を通して理解の程度を深めていくことと同時に、学生実験及び卒業研究でも積極的に分析機器を利用することができるように取り組む。なお、この科目は研究組織にて様々な機器分析を使用して研究活動を行っていた教員が、その経験を活かし、機器分析の基礎と応用について講じるものである。
また、本科目は以下に挙げるSDGs(Sustainable Development Goals)に関連するものである。
No.3 すべての人に健康と福祉を
No.6 安全な水とトイレを世界中に
No.9 産業と技術革新の基盤をつくろう
No.13 気候変動に具体的な対策を
No.14 海の豊かさを守ろう
No.15 陸の豊かさも守ろう
授業の進め方・方法:
板書中心で行う。この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習の確認として授業中に口頭による確認を行う場合がある。
注意点:
本科目では基礎化学、物理、有機化学、無機化学、生物学等の総合的な基礎知識が必要となる。総合成績は試験100%で行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
光と波長の関係
本科目の内容を理解する。
機器分析がどのようなものか理解する。
光の性質、エネルギーと波長の関係を理解する。
2週 吸光光度分析・蛍光光度分析 (1) 吸光光度分析の原理・装置の概要を理解する。特に、Lambert-Beer則の概念を理解し、それに基づく計算法を習得する。
3週 吸光光度分析・蛍光光度分析 (2) 吸光光度分析スペクトルの解析法を習得する。
蛍光光度分析の原理・装置の概要を理解し、スペクトルの解析法を習得する。
4週 赤外吸収スペクトル分析(1) 赤外線吸収スペクトル法の原理・装置を理解する。
5週 赤外吸収スペクトル分析(2) 赤外線吸収スペクトルの解析法を習得する。
6週 原子吸光・発光分析(1) 原子吸光分析、フレーム分析、発光分析の原理と装置の概要を理解する。
7週 原子吸光・発光分析(2) 検量線(絶対検量線法、標準添加法、内標準法)の作成法とその解析法を習得する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 磁気共鳴分析(1) 核磁気共鳴(1H-NMR)の原理と装置の概要を理解する。
遮蔽効果、スピン-スピン相互作用について理解する。
10週 磁気共鳴分析(2) 1H-NMRのスペクトルの解析法を習得する。
11週 磁気共鳴分析(3) 13C-NMRの原理を理解し、スペクトルの解析法を習得する。
12週 クロマトグラフィー(1) 分離技術によるサンプルの前処理法について理解する。
13週 クロマトグラフィー(2) 代表的なクロマトグラフィーの分類と特徴、原理、概要、前処理法および定性・定量分析に関する解析法を習得する。
14週 クロマトグラフィー(3) 代表的なクロマトグラフィーの分類と特徴、原理、概要、前処理法および定性・定量分析に関する解析法を習得する。
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4前1,前2
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4前2,前3
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4前12,前13,前14
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4前12,前13,前14
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4前2,前3,前6,前9,前11,前13,前14
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4前13,前14
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前2,前4,前5,前7,前10,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000