電気工学基礎Ⅱ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気工学基礎Ⅱ
科目番号 5C010 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 スライドおよび配付資料にて行う。
参考書: 杉山 進, 小西 聡, 田中 克彦, "電気電子回路―アナログ・ディジタル回路", コロナ社 (2013).
担当教員 鷹林 将

到達目標

1. 半導体の化学構造と電子特性に関する基本的事柄を説明できる。
2. 半導体素子(ダイオード、トランジスタ)に関する基本的事柄を説明できる。
3. 電子回路(増幅器、オペアンプ)に関する基本的事柄を説明・計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体の化学構造と電子特性に関する基本的事柄を、詳細に説明できる。半導体の化学構造と電子特性に関する基本的事柄を、説明できる。半導体の化学構造と電子特性に関する基本的事柄を、説明できない。
評価項目2半導体素子に関する基本的事柄を、詳細に説明できる。半導体素子に関する基本的事柄を、説明できる。半導体素子に関する基本的事柄を、説明できない。
評価項目3電子回路に関する基本的事柄を、詳細に説明・計算できる。電子回路に関する基本的事柄を、説明・計算できる。電子回路に関する基本的事柄を、説明・計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電気電子工学の発展による測定機器などの電気電子機器の普及と高度化は、電気系技術者だけでなく、他分野技術者にもその基本的理解を要求している。本科目では、電子工学に関する基本的事項を講義する。
 本科目は、企業で電子工学に関する製品設計開発を担当していた教員がその経験を活かして行うものである。
 本科目は、以下に挙げるSDGs (Sustainable Development Goals) に関連するものである。
No. 4 質の高い教育をみんなに
No. 5 ジェンダー平等を実現しよう
No. 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
No. 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
授業の進め方・方法:
 スライドショー(プリント)形式の講義を行う。また実習を通じて、実際の素子の取扱いについて学ぶ。本科目は学修単位科目のため、事後学習としてレポートを実施する。
注意点:
 物理と数学に関する各科目の復習をしておくこと。
 レポートは20%の割合で評価する。内容・提出方法は、別途指示する。提出期限は厳守で、遅れた場合は0点評価とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業概要、半導体とバンド構造 (1) 本科目の位置づけ、必要性、到達目標、評価方法などについて理解できること。半導体とバンド構造について、説明できること。
2週 半導体とバンド構造 (2)、シリコンと不純物半導体 (1) 半導体とバンド構造について、説明できる。シリコンと不純物半導体について、説明できること。
3週 シリコンと不純物半導体 (2) シリコンと不純物半導体について、説明できること。
4週 pn接合とダイオード pn接合について、説明できる。ダイオードの仕組みとこれを用いた回路について、説明・計算できること。
5週 バイポーラトランジスタ(BJT) (1) BJTの仕組みについて、説明・計算できること。
6週 バイポーラトランジスタ(BJT) (2) BJTの仕組みについて、説明・計算できること。
7週 BJTを用いた電子回路 BJTを用いた電子回路について、説明・計算できること。
8週 中間試験
4thQ
9週 答案返却と解説、真空管 ~ BJT ~ 電界効果トランジスタ(FET) (1) 間違った箇所を理解できる。真空管、BJT、FETの違いについて、説明できる。FETを用いた回路について、説明・計算できること。
10週 真空管 ~ BJT ~ 電界効果トランジスタ(FET) (2) 真空管、BJT、FETの違いについて、説明できる。FETを用いた回路について、説明・計算できること。
11週 実習 実際に半導体素子回路を組んで測定し、評価報告することができること。
12週 フォトリソグラフィを用いた半導体素子の作製方法 フォトリソグラフィを用いた半導体素子の作製方法について、説明できること。
13週 フォトリソグラフィを用いた半導体素子の作製方法、オペアンプ (1) フォトリソグラフィを用いた半導体素子の作製方法について、説明できること。
14週 オペアンプ (2)、様々な電子回路 オペアンプの仕組みとこれを用いた回路について、説明・計算できる。様々な電子回路について、説明できること。
15週 学年末試験
16週 答案返却と解説 間違った箇所を理解できること。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3後4
演算増幅器の特性を説明できる。3後14
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。3後14
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3後1,後2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3後1,後2
原子の構造を説明できる。3後1,後2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3後1,後2
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3後1,後2
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3後2,後3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3後4,後5,後6,後7,後9,後10
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3後5,後6,後7
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3後9,後10,後12,後13
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3後11
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3後11

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000