化学基礎

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学基礎
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 高等学校 化学基礎 第一学習社、ニューステップアップ化学基礎 東京書籍、アトキンス物理化学要論第6版
担当教員 小林 正幸,伊原 伸治

到達目標

1.物質を構成する基本単位である原子の構造とその性質について理解する。
2.各原子が持つ特異な性質が原子核を取りまく電子の様々な振る舞いによることを理解し、その振る舞いの規則を理解する。
3.化学結合の種類と特徴を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質を構成する基本単位が原子であることを理解し、原子の構造とその性質について理解している。原子の構造とその性質について理解している。原子の構造とその性質について理解していない。
評価項目2各原子が持つ特異な性質が原子核を取りまく電子の様々な振る舞いによることを理解し、その振る舞いの規則を理解して、原子の構造、性質を説明できる。各原子が持つ特異な性質が原子核を取りまく電子の様々な振る舞いによることを理解し、その振る舞いの規則を理解している。各原子が持つ特異な性質が原子核を取りまく電子の様々な振る舞いによることを理解していない。また、電子の振る舞いの規則を理解していない。
評価項目3化学結合の種類と特徴を理解し、原子と分子の関係について説明できる。化学結合の種類と特徴を理解している。化学結合の種類と特徴を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
応用化学、環境生命コースでは、年度をおうごとに化学物質、生体関連物質についての知識を深めていくことになる。これらの物質は、場合よっては相当数の原子がつながった構造物であり、そのような構造物を理解していくことになる。現在、分子の構造がわかればある程度分子の性質がわかるといっても過言ではないので、つきつめれば物質の理解は構成する原子の理解でもある。この化学基礎はこれから学ぶ物質の基礎となる原子、化学結合について、深く理解する科目である。
本科目では、以下について正確に、かつ、詳細に理解することが重要である。
 1.原子についてその構造・性質について理解すること
 2.電子の振る舞いには規則があることから、その規則を理解すること
 3.原子がつながって分子が構築されるが、その時に結合が生じるので、この結合について理解すること
が重要となる。
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進める。
購入している問題集の該当箇所を各人で解き進めて、内容の理解の定着をはかること。
注意点:
1年生の理科基礎、化学1、2年生の化学2(前期分)を基礎とする科目であることから、これらの科目の理解度が低い学生は、これらの科目の理解度をあげておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
2週 原子構造(1)
原子とその構造、原子番号と質量数
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。
同位体について説明できる。
放射線の種類と性質を説明できる。
3週 原子構造(2)
同位体と元素
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。
年代測定の例として、C13による時代考証ができる。
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。
4週 原子構造(3)
原子の電子配置
水素型原子
電子殻、電子配置、価電子を説明できる。
水素の原子スペクトルについて説明できる。
5週 原子構造(4)
量子数、電子軌道(sオービタル、pオービタル)
4つの量子数(主量子数、方位量子数、磁気量子数、スピン量子数)について説明できる。
電子軌道、電子軌道の形を説明できる。
6週 原子構造(5)
電子配置
パウリの排他原理、軌道のエネルギー順位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。
7週 原子の構造(6)
イオンの生成、イオン化エネルギー、電子親和力
価電子について理解し、イオンの生成について説明できる。
イオン化エネルギー、電子親和力について説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却と解説
中間テストの範囲の内容で理解不足であったところ(テストで明確化されたところ)の内容を正確に理解する。
10週 化学結合(1)
イオン結合、組成式
イオン結合について説明できる
11週 化学結合(2)
共有結合、分子式、電子式、構造式
共有結合について説明できる。
分子を分子式、電子式(ルイス構造)、構造式で示すことができる。
12週 化学結合(3)
混成軌道
σ結合について説明できる。
混成軌道について理解し、物質の形が説明できる。
13週 化学結合(4)
配位結合、電気陰性度、極性
配位結合の形成について理解している
電気陰性度について理解している
極性、非極性について理解している
14週 化学結合(5)
金属結合
水素結合
金属結合について理解している
水素結合について理解している
15週 期末試験
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学σ結合とπ結合について説明できる。3後12
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3後12
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3後5
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3後4,後5
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3後6
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3後7,後10
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3後7,後13
イオン結合と共有結合について説明できる。3後10,後11
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3後11
金属結合の形成について理解できる。3後14
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3後12
配位結合の形成について説明できる。3後13
水素結合について説明できる。3後14
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。3後2
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。3後3
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。3後3
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。3後3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000