有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 Professional Engineer Library 有機化学
担当教員 藤本 大輔

到達目標

1 有機化合物を命名でき、各官能基の基本的な性質について説明できる。
2 有機化合物の基本的な反応について反応機構を説明でき、生成物が予測できる。
3 電子論に立脚し構造と反応性の関係が予測できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1有機化合物を命名でき、各官能基が持つ性質について理解し、正しい語句を使用して詳細に
説明できる。 有機化合物を命名でき、各官能基が持つ性質について理解し、説明できる。 
 有機化合物を命名できず、各官能基が持つ性質について理解していない。あるいはそれらを説明できない。 

評価項目2
有機化合物の基本的な反応について反応機構を理解し、詳細に
説明できる。またそれに基づき生成物を正しく予測できる。
有機化合物の基本的な反応について反応機構を理解し、説明できる。またそれに基づき生成物を予測できる。
有機化合物の基本的な反応について反応機構を理解し、詳細に
説明できない。またそれに基づき生成物を正しく予測できない。
評価項目3電子論に立脚し構造と反応性の関係が詳細に予測できる。電子論に立脚し構造と反応性の関係が予測できる。 電子論に立脚し構造と反応性の関係が予測できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
  有機化学は生命科学から材料科学の広範囲にわたる現代物質科学の中心的・基礎的役割を担うたいへん重要な学問である。有機化合物の構造や性質あるいは反応性に関する基礎知識が、生命の働きやその作用機構の解明、高機能性材料の設計や創出、そして21世紀の課題である地球環境・エネルギー問題の解決などに必要不可欠と言っても過言ではない。本授業では有機化合物を官能基の違いによって分類し、それぞれの製法、性質、反応などについて系統的に学習する。様々な有機化合物の性質と反応性を理解し、その反応性や性質に関する問題を自分で解決することができるようになることを目標とする。
授業の進め方・方法:
 プロジェクタを用いた講義を主体とする。授業の終わりに課題を出すので、自宅でやってくること。また定期的に小テストを行うので勉強してくること。授業内容は教科書に沿っているので、必要に応じて教科書に追記し、ノートは問題を解く際に用いる。
注意点:
 特になし。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 芳香族の化学I アルデヒド及びケトンを命名できる。
2週 芳香族の化学II ベンゼンの構造を説明できる。
3週 芳香族の化学III ベンゼンの反応を説明できる。 ベンゼンの配向性や反応性を説明できる。
4週 アルデヒドとケトンI アルデヒド及びケトンを命名できる。カルボニル基の構造的特徴を説明できる。
5週 アルデヒドとケトンII アルデヒド及びケトンの合成方法を説明できる。カルボニル基の反応性を説明できる。
6週 アルデヒドとケトンIII カルボニル基の反応性を説明できる。アルデヒド及びケトンの反応性の違いを説明できる。
7週 カルボン酸I カルボン酸とその誘導体をを命名できる。カルボン酸の酸性度についてその特徴を説明できる。
8週 【前期中間試験】
2ndQ
9週 カルボン酸II カルボン酸の合成方法を説明できる。
10週 カルボン酸III カルボン酸誘導体のカルボニル炭素上での求核置換反応を説明できる。
11週 カルボン酸IV カルボン酸誘導体の反応と相互変換について説明できる。
12週 エノラートのアルキル化I アルファ位では水素イオンが脱離しやすい理由を説明できる。
13週 エノラートのアルキル化II 求電子剤との反応による生成物を示すことができる。
14週 エノラートのアルキル化III マロン酸エステル合成及びアルドール反応の反応機構を示すことができる。クライゼン縮合及びマイケル付加反応の反応機構を示すことができる。
15週 【前期末試験】
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4前1,前4,前7
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4前1,前4,前7
σ結合とπ結合について説明できる。4前2,前4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4前2,前4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4前4,前7
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4前2,前4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4前3,前4,前11
共鳴構造について説明できる。4前2,前4,前7,前11
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前2
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4前2
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4前6
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前6
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4前6
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前2,前4,前6,前7,前12,前13,前14
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4前3,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4前3,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4前3,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4前3,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000