概要:
有機化学は生命科学から材料科学の広範囲にわたる現代物質科学の中心的・基礎的役割を担うたいへん重要な学問である。有機化合物の構造や性質あるいは反応性に関する基礎知識が、生命の働きやその作用機構の解明、高機能性材料の設計や創出、そして21世紀の課題である地球環境・エネルギー問題の解決などに必要不可欠と言っても過言ではない。本授業では有機化合物を官能基の違いによって分類し、それぞれの製法、性質、反応などについて系統的に学習する。様々な有機化合物の性質と反応性を理解し、その反応性や性質に関する問題を自分で解決することができるようになることを目標とする。
授業の進め方・方法:
プロジェクタを用いた講義を主体とする。授業の終わりに課題を出すので、自宅でやってくること。また定期的に小テストを行うので勉強してくること。授業内容は教科書に沿っているので、必要に応じて教科書に追記し、ノートは問題を解く際に用いる。
注意点:
特になし。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 4 | 前1,前4,前7 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 4 | 前1,前4,前7 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | 前2,前4 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | 前2,前4 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | 前4,前7 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 4 | 前2,前4 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 4 | 前3,前4,前11 |
共鳴構造について説明できる。 | 4 | 前2,前4,前7,前11 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 4 | 前2 |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 4 | 前2 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | 前6 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | 前6 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | 前6 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 4 | 前2,前4,前6,前7,前12,前13,前14 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 4 | 前3,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | 前3,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 4 | 前3,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 4 | 前3,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |