到達目標
1.ギブズエネルギーを理解し、状態図の説明に適応できる。
2.相律の定義を理解し、自由度を計算でき、平衡状態を説明できる。
3.束一的性質を理解し、その応用ができる。
4.化学平衡を理解し、物理および化学的変化の自発的進行の方向を判定できる。
5.電解質溶液における各種平衡を理解し、各種溶液のpHが計算できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ギブズズエネルギーを理解し、状態図の説明に適応できる。 | ギブズズエネルギーを理解している。 | ギブズズエネルギーを理解していない。 |
評価項目2 | 相律を理解し、その使い方を理解して自由度を計算でき、平衡状態を説明できる。 | 相律の定義を理解し、自由度を計算でき、平衡状態を説明できる。 | 相律を理解できず、自由度を計算できず、平衡状態を説明できない。 |
評価項目3 | 束一的性質を化学ポテンシャルを用いて説明でき、束一性を利用した諸計算ができる。 | 束一的性質を説明でき、束一性を利用した諸計算ができる。 | 束一的性質を理解できず、束一性を利用した諸計算ができない。 |
評価項目4 | 化学平衡を理解し、ギブズエネルギー、平衡定数、平衡組成を計算でき、物理および化学的変化の自発的進行の方向を判定できる。 | 化学平衡を説明でき、物理および化学的変化の自発的進行の方向を判定できる。 | 化学平衡を理解できず、ギブズエネルギー、平衡定数、平衡組成を計算できず、物理および化学的変化の自発的進行の方向を判定できない。 |
評価項目5 | 電解質溶液の平衡を理解し、各種溶液のpHが計算できる。 | 電解質溶液の平衡を説明でき、単純な系(強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩)のpHが計算できる。 | 電解質溶液の平衡を理解できず、各種溶液のpHが計算できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
物理化学は種々の物質の構造と特性について、巨視的および微視的な2つの立場から理解しようとするものである。
物理化学Ⅱでは、物理化学Ⅰで学んだ熱力学パラメータのエンタルピー、エントロピー、ギブズエネルギーの理解を深める。特に、ギブズエネルギーは化学分野では便利なエネルギーであり、物理的および化学的工程が自発的に進む方向を判定できるほか物質の状態までわかる優れものである。これらの熱力学的パラメータは反応物系(始点)と生成物系(終点)に注目し、その途中は吟味していないことを忘れてはならない。また、ギブスの相律を学び、物質の分離・精製および物質の創成の考え方につながる純物質、混合物(2成分系)の相平衡状態図の読み方を理解する。また、化学反応での反応物、生成物での化学反応平衡から物質生成(化学反応の進行)の予想、平衡溶液の物質の平衡から溶液のpHや沈殿生成などを計算によって求められることは、工場等での適用が重要な位置を占めることを理解する。
授業の進め方・方法:
教科書の「アトキンス物理化学要論第6版」に準拠し、講義形式で進める。物理化学Ⅱでは第5章から第9章が該当する。また,必要に応じて資料や問題を配布する。授業中に教科書の例題、例題の類題、自習問題、演習問題,配布プリントの問題などの計算問題を解いて理解を深めるので関数電卓は必ず持参すること。定期試験においても関数電卓は持ち込みとする。時間的制約からすべての問題を授業中に解くことはできないので,自主的にこれらの問題を解いて理解を深める。また,一部またはすべてをレポート課題とするので,指定した期日までに提出すること。化学・生物分野では、専門用語の英語は極めて重要である。専門用語の英語は早いうちから慣れておくことを必須課題とする。具体的には、テキスト脚注の英単語は必須とし、その意味の説明も含めて定期試験に出題する。
注意点:
物理化学の理解には数式の取り扱いが必須であり、これまで数学で学んだことを活用する必要がある。これまで数学で学んだ、解析学(指数対数を含む)、幾何学、微積分などを活用していくことになるので、数学が苦手であった学生には数学の復習も重要となる。自然の法則が数式で記述できることに感動を覚え、自身の努力(計算)で科学現象を導く醍醐味、未来を予測(予想)できることの感動、工学(工場)での応用・活用への第一歩を知る歓びを知って欲しい。また、
1.関数電卓の使い方に慣れ、単純な計算でも必ず実行して最終結果まで自身で導くこと。
2.計算時は愚直に電卓に向かい合うことと同時にどう楽をするか(どう効率的に行うか)ということを意識して欲しい。
3.計算機のほか、紙と鉛筆による数式の手計算も重要である。また、エクセルやPCソフトの活用も有効である。
4.「単位」は非常に重要である。物理化学でも数値だけの解答であることは特殊な場合(無次元数)を除いてない。異なる単位同士の足し算、引き算はあり得ないし、単位の掛け算、割り算により別の単位が生成することを思い出して欲しい。また、接頭のミリ、センチ、ヘクト、キロなどを軽んじることなく、細心の注意を払って単位を見ることも重要である。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
概要説明 純物質の相平衡① |
ギブズエネルギーを説明できる ギブズエネルギ―の圧力変化、温度変化を説明できる
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2週 |
純物質の相平衡② |
純物質の相図を理解する① 相境界(蒸気圧曲線)、物質に固有な点を説明できる。
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3週 |
純物質の相平衡③
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純物質の相図を理解する② 相律を理解し、純物質、混合物の自由度を計算できる。
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4週 |
混合物の性質① |
濃度の表し方、部分モル量を理解する。 化学ポテンシャルを説明できる。 理想溶液の定義ができ、ラウールの法則の諸計算ができる。
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5週 |
混合物の性質② |
理想希薄溶液の定義ができ、ヘンリーの法則の諸計算ができる。 理想溶液と実在溶液を定義でき活量について理解する。 束一的性質を理解する①沸点上昇、凝固点降下の計算ができる。
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6週 |
混合物の性質③ |
束一的性質を理解する②浸透圧の計算できる。 二成分系状態図を理解して、気液平衡を説明できる。
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
試験返却 化学平衡の原理① |
中間試験の範囲で理解不足であった点を認識する。理解できていた点でも別解法や多面的な理解を深める。 標準ギブズエネルギーを説明できる。
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2ndQ |
9週 |
化学平衡の原理② |
標準反応ギブズエネルギーを理解し、反応ギブズエネルギーを計算できる。 平衡定数が定義し、平衡定数を計算できる。
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10週 |
化学平衡の原理③ |
化学平衡を理解し、平衡組成を計算できる。 諸条件による平衡の移動について説明できる。
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11週 |
化学平衡の原理④ 溶液の化学平衡① |
均一および不均一反応の平衡を説明できる。 酸塩基を理解し、強酸、強塩基、弱酸、弱塩基の平衡について説明できる。
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12週 |
溶液の化学平衡② |
プロトン移動平衡に関する諸計算ができる①強酸、弱酸、強塩基、弱塩基のpHの計算ができる。
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13週 |
溶液の化学平衡③ |
プロトン移動平衡に関する諸計算ができる②多プロトン酸、両プロトン性を示す化学種、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。
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14週 |
溶液の化学平衡④ |
プロトン移動平衡に関する諸計算ができる③緩衝作用について理解し、緩衝液のpHの計算ができる。 溶解度平衡に関する諸計算ができる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験返却 物理化学Ⅱのまとめ |
期末試験の範囲で理解不足であった点を認識する。理解できていた点でも別解法や多面的な理解を深める。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | 光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 4 | |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 4 | |
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。 | 4 | |
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。 | 4 | |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 4 | |
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。 | 4 | |
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |