電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 3E003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(エネルギーコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 電気基礎下:津村栄一,宮崎登,菊地諒 東京電機大出版局    基礎電気回路1;有馬泉,岩崎晴光 森北出版
担当教員 池之上 正人

到達目標

1.電気回路について一般的な交流回路計算ができる。
2.正弦波交流について,ベクトル記号法を用いて計算ができる。
3.多相回路(特に三相回路)についてその性質を知り計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気回路について一般的な交流回路計算が80%以上できる。電気回路について一般的な交流回路計算が60%以上できる。電気回路について一般的な交流回路計算が60%以上はできない。
評価項目2正弦波交流について,ベクトル記号法を用いて計算が80%以上できる。正弦波交流について,ベクトル記号法を用いて計算が60%以上できる。正弦波交流について,ベクトル記号法を用いて行う計算が60%以上はできない。
評価項目3多相回路(特に三相回路)についてその性質を知り計算が80%以上できる。多相回路(特に三相回路)についてその性質を知り計算が60%以上できる。多相回路(特に三相回路)についての計算が60%以上はできない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気回路は電気・電子工学を学ぶ上での最も重要な基幹科目であり,今後学ぶ多くの専門科目の基礎となるものであるから,時間をかけてじっくり勉強する必要がある。2年次の1単位に引き続き3年次では2単位の授業となるので,さらに予習・復習が重要になる。
 本科目では交流回路の性質を理解するだけでなく,計算に慣れることが重要である。情報化社会となり,電卓やパソコンを使用する科目も多いが,暗算や筆算の速さと正確さも身につけてほしい。
国家試験である電気主任技術者試験(電験3種)を受験することは勉学の目標になる。本科目の授業や演習を通して是非その力をつけ,試験にチャレンジしてほしい。
授業の進め方・方法:
講義を中心として行う。
注意点:
数学は,電気回路の現象を分かりやすく解き明かしてくれる最高の友達である。高度な電気回路の問題は,数学の知識なくしては解くことができない。微積・複素数を含む数学をきちんと押さえておくことが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 記号法による交流回路の計算(1) 複素数を,直交座標表示のほか,指数関数表示,極座標表示,三角関数表示の4つのすべてで表現できる。
2週 記号法による交流回路の計算(2) 記号法を使ってインピーダンス,アドミタンスを計算できる。
3週 記号法による交流回路の計算(3) 記号法を使って直列共振,並列共振を計算できる。
4週 記号法による交流回路の計算(4) 重ねの理,テブナンの定理などの諸定理を使って回路計算ができる。
5週 記号法による交流回路の計算(5) 重ねの理,テブナンの定理などの諸定理を使って回路計算ができる。
6週 記号法による交流回路の計算(6) 交流ブリッジの計算ができる。
7週 記号法による交流回路の計算(7) 相互インダクタンスの計算ができる。
8週 【前期中間試験】
2ndQ
9週 正弦波交流回路の基礎(1) 交流回路に接続されたR・L・C回路の電圧平衡式をたてることができる。
10週 正弦波交流回路の基礎(2) di/dt⇒jωI,∫idt⇒1/jω・I の表現を使うことができる。
11週 正弦波交流回路の基礎(3) 電圧平衡式を,記号法を使って書き改め解を求めることができる。
12週 正弦波交流回路の基礎(4) 複素インピーダンスや複素アドミタンスを使って回路計算ができる。
13週 交流回路の記号解析(1) 複素インピーダンスや複素アドミタンスを使って回路計算ができる。
14週 交流回路の記号解析(2) 複素インピーダンスや複素アドミタンスを使って回路計算ができる。
15週 【前期中期末試験】
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 交流回路の記号解析(3) 複素インピーダンスや複素アドミタンスを使って回路計算ができる。
2週 交流回路の記号解析(4) 複素インピーダンスや複素アドミタンスを使って回路計算ができる。
3週 交流回路の記号解析(5) 共振現象を数値的に理解できる。
4週 交流回路の記号解析(6) 電力ベクトルの定義と求め方を理解できる。
5週 交流回路の記号解析(7) 逆回路の意味を理解できる。
6週 一般線形回路解析の諸法則(1) 回路網に関する諸定理を利用した回路解析ができる。
7週 一般線形回路解析の諸法則(2) 行列式を使った閉路方程式をたてて計算ができる。
8週 【後期中間試験】
4thQ
9週 一般線形回路解析の諸法則(3) 重ねの理,テブナンの定理などの諸定理を用いて計算ができる。
10週 多相(三相)交流回路(1)
対称三相電力と三相結線方式を理解できる。
11週 多相(三相)交流回路(2) ベクトルオペレータaの働きを理解できる。
12週 多相(三相)交流回路(3) Y結線とΔ結線の等価変換を双方向でできる。
13週 多相(三相)交流回路(4) ブロンデルの定理を理解できる。
14週 多相(三相)交流回路(5) 回転磁界を三相誘導電動機の回転原理と結びつけて理解できる。
15週 【後期期末試験】
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4前9,前10
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4前9,前10
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4前1
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4前9,前10
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4前9,前10
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4前11
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4前2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4前12,前13,前14,後1,後2
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4前12,前13,前14,後1,後2
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4前3,後3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4前7
理想変成器を説明できる。4前7
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4後4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4前4,前5,後9
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4後7
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4後7
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4前4,前5,後9
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4後10
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4後12
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000