電気磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気磁気学Ⅱ
科目番号 4E005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(エネルギーコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 教科書: 電磁気学; 多田 泰芳, 柴田 尚志 / コロナ社, 参考書: 電気磁気学; 安達 三郎, 大貫 繁雄 / 森北出版, 電磁気学の考え方; 砂川 重信 / 岩波書店, 理論電磁気学; 砂川 重信 / 紀伊國屋書店, 詳解電磁気学演習; 後藤 憲一, 山崎 修一郎 / 共立出版
担当教員 鷹林 将

到達目標

1. ベクトル場で電気現象を説明できる(1stQ)。
2. ベクトル場で磁気現象を説明できる(1stQ)。
3. Maxwell方程式を説明できる(1stQ、2ndQ)。
4. Maxwell方程式から基本的な電磁気現象を導き出せる(2ndQ)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトル場で電気現象を詳細に説明できる。ベクトル場で電気現象を説明できる。ベクトル場で電気現象を説明できない。
評価項目2ベクトル場で磁気現象を詳細に説明できる。ベクトル場で磁気現象を説明できる。ベクトル場で磁気現象を説明できない。
評価項目3Maxwell方程式を詳細に説明できる。Maxwell方程式を説明できる。Maxwell方程式を説明できない。
評価項目4Maxwell方程式から基本的な電磁気現象を詳細に導き出せる。Maxwell方程式から基本的な電磁気現象を導き出せる。Maxwell方程式から基本的な電磁気現象を導き出せない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電気磁気学(電磁気学)は、電気ならびに磁気現象を体系的にまとめた物理学の一大分野である。物理学に止まらず、電力工学・電子工学・通信工学など電気に関する工学各分野における最も基礎的な学問であり、その理解は電気系技術者に必須である。エネルギーコースにおいて電気磁気学は、これまで学んだ「基礎電気磁気学」ならびに「電気磁気学I」、および本科目とを併せて総合的に学習していく。最後となる本科目を修めることで、電気系技術者に求められる電気磁気学の基本は完成する。なおこの科目は、実務経験のある教員がその経験を活かし、講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
 教科書を基にしたスライドショー(プリント)形式の講義を行う。適宜、演習問題を課す。
注意点:
 「基礎電気磁気学」、「電気磁気学 I」、およびこれまでの数学各科目を十分に復習しておくこと。加えて、併行して開講される数学各科目の内容も必要とする場合があるので、その理解に努めておくこと。本科目は、これら科目の基礎に立った高度な内容となっているので、自学習を怠らないこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要、「電気磁気学 I」の復習 (1) 本科目の位置づけ、必要性、到達目標、評価方法などについて理解できる。「電気磁気学I」の内容について、説明できる。
2週 「電気磁気学 I」の復習 (2) 「電気磁気学I」の内容について、説明できる。
3週 誘電体と静電エネルギー 誘電体の性質と静電エネルギーについて、説明できる。
4週 静電誘導と静電遮蔽 静電誘導と静電遮蔽の現象について、説明できる。
5週 電磁誘導と磁性体 電磁誘導現象と磁性体の性質について、説明できる。
6週 変位電流とMaxwell方程式の完成 変位電流を導出し、Maxwell方程式を完成できる。
7週 これまでの復習 これまでの内容について、説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 答案返却と解説、Maxwell方程式と個々の電磁気現象との関係 (1) 間違った箇所を理解できる。Maxwell方程式を用いて、自己インダクタンスを説明できる。
10週 Maxwell方程式と個々の電磁気現象との関係 (2) Maxwell方程式を用いて、相互インダクタンスおよび磁気エネルギーを説明できる。
11週 Maxwell方程式と個々の電磁気現象との関係 (3) Maxwell方程式を用いて、磁気エネルギーおよび静電界における電位差の経路無依存性を説明できる。
12週 Maxwell方程式の応用 (1): 表皮効果 Maxwell方程式を用いて、表皮効果を導出し、その内容を説明できる。
13週 Maxwell方程式の応用 (2): 波動方程式と電磁波 Maxwell方程式から波動方程式を導出し、電磁波の存在を証明できる。
14週 Maxwell方程式の応用 (3): ポインティングベクトルと電磁界のエネルギー Maxwell方程式を用いて、ポインティングベクトルと電磁界のエネルギーを導出し、説明できる。
15週 期末試験
16週 答案返却と解説 間違った箇所を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前1,前2,前3,前4,前7
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前1,前2,前3,前4,前7,前10,前11,前12
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前1,前2,前3,前4,前7,前12
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4前1,前2,前3,前4,前7,前12
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前6,前7
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前1,前2,前3,前7
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4前1,前2,前3,前7
静電エネルギーを説明できる。4前1,前2,前3,前7,前14
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4前5,前7,前9,前10,前11
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4前1,前2,前5,前7
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4前1,前2,前5,前6,前7,前9,前10,前12
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4前1,前2,前5,前6,前7,前12,前13
ローレンツ力を説明できる。4前1,前2,前5,前7
磁気エネルギーを説明できる。4前5,前7,前10,前11,前13,前14
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4前5,前7,前9,前10
自己誘導と相互誘導を説明できる。4前9,前10
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4前9,前10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000