物理化学概論

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物理化学概論
科目番号 5E015 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(エネルギーコース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 資料を配布する。参考図書として「アトキンス物理化学要論(第7版)」(東京化学同人)
担当教員 榎本 尚也

到達目標

1.様々な物理量(体積、圧力、質量、温度など)を数式の中で取り扱うことができる
2.ギブス自由エネルギーを用いて化学変化の自発的進行方向を判別できる
3.反応速度を定義し、速度式を計算できる
4.波と粒子の二重性を理解し、具体例を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
計算力様々な物理量(体積、圧力、質量、温度など)をすべての物理法則に関する数式の中で取り扱うことができる 様々な物理量(体積、圧力、質量、温度など)を数式の中で取り扱うことができる様々な物理量(体積、圧力、質量、温度など)を数式の中で取り扱うことができない
熱力学計算ギブス自由エネルギーを用いて任意の化学変化の自発的進行方向を判別できるギブス自由エネルギーを用いていくつかの化学変化の自発的進行方向を判別できるギブス自由エネルギーを用いて化学変化の自発的進行方向を判別できない
反応速度論反応速度を定義し、高次の速度式を計算できる反応速度を定義し、速度式を計算できる反応速度を定義し、速度式を計算できない
量子論波と粒子の二重性を理解し、具体例を説明できて、正しく数値計算できる波と粒子の二重性を理解し、具体例を説明できる波と粒子の二重性を理解し、具体例を説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-4

教育方法等

概要:
あらゆる物質は1Å(=10^-10 m = 0.1 nm = 100 pm)程度の原子、分子から構成されている。物理化学は、種々の物質の構造と特性について、巨視的および微視的な2つの立場から理解しようとするものである。また、物質の変化の前後に注目し、そのエネルギー差を定量的に議論する立場(平衡論)と、時間変化に重きをおく立場(速度論)の違いを理解することも重要である。原子、分子、電子を「粒」として理解すると同時に「波・振動」として解釈する意味についても概説する。
授業の進め方と授業内容・方法:
配布資料を中心とし、講義形式で進めるが、一部演習およびグループディスカッションを交える。
注意点:
物理化学の理解には数式の取扱いが必須であり、これまで数学で学んだ微積分、幾何学などを活用していくことになる。
数学が苦手だった学生には、嫌々復習するのではなく、自然の法則が数式によって記述されることに新鮮な感動を覚え、自身の計算で科学現象を導く醍醐味を味わってほしい。
 1.関数電卓の使い方に慣れ、単純な計算でも必ず実行して最終結果まで自身で導くこと。
 2.計算時、必ず「単位」に留意せよ。異なる単位同士の足し算・引き算はあり得ない。異なる単位の掛け算・割り算によって別の単位が生成する。
 3.紙とエンピツによる数式の手計算も重要である一方、エクセル等のPCソフトの活用は極めて有効である。
本講義の中にも随所に数学の基礎知識を確認する演習等を行う。

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
後期
1週 ガイダンス(数学、物理、化学の基礎確認) 分子、原子、モルの概念を理解し、正しいべき乗計算ができる
2週 単位と次元、理想気体の状態方程式 密度、運動量、運動エネルギー、重力ポテンシャル、静電ポテンシャルなどの基本的物理量について正しく数値計算できる
3週 気体分子運動論 単純なモデルにより気体の圧力を計算でき、気体分子の運動速度を見積もることができる
4週 熱力学第一および第二法則 エンタルピーとエントロピーの意味を理解し、簡単な熱力学計算ができる
5週 ギブスエネルギーと化学平衡(1) 熱力学データからギブスエネルギーを計算でき、化学反応の進行方向を判別できる
6週 ギブスエネルギーと化学平衡(2) 平衡定数を定義でき、ギブスエネルギーとの関係を説明できる
7週 ギブスエネルギーと化学平衡(3) 標準電極電位とギブスエネルギーの関係を理解し、電気化学の簡単な計算ができる
8週 【中間試験】
9週 状態図(1) 単成分系の状態図を理解でき、圧力による融点、沸点の変化を説明できる
10週 状態図(2) 2成分系の状態図を理解でき、沸点上昇、凝固点降下を計算できる
11週 状態図(3) 2成分系状態図からてこの法則により組成および物質量を計算できる
12週 速度論(1) 平衡論と速度論の観点の違いを理解し、n次反応についての微分方程式を記述できる
13週 速度論(2) 速度定数の温度依存性を理解し、アレニウスプロットにより活性化エネルギーが計算できる
14週 量子化学(1) 波と粒子の二重性を説明でき、電子のふるまいが波動方程式によって記述されることを説明できる
15週 量子化学(2) 水素の放電スペクトルが不連続となることを説明でき、ボーアモデルを用いた簡単な計算ができる
16週 期末試験の答案返却と総まとめ

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力80000200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000