伝熱工学

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 伝熱工学
科目番号 5E017 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(エネルギーコース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 JSMEテキストシリーズ「伝熱工学」,日本機械学会,丸善
担当教員 河野 晋,山口 卓也

到達目標

1.伝熱現象の基本形態を物理的および理論的に理解し,具体例を示しながら,説明することができる.
2.熱伝導,熱伝達,熱放射及び相変化を伴う伝熱について,基本的な伝熱計算をすることができる.
3.熱交換器の基礎を理解し,熱収支を計算することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1伝熱現象の基本形態を物理的および理論的に理解し,具体例を示しながら,説明することができる.伝熱現象の基本形態を物理的および理論的に理解し,説明することがある程度できる.伝熱現象の基本形態を物理的および理論的に理解し,説明することができない.
評価項目2熱伝導,熱伝達,熱放射及び相変化を伴う伝熱について,基本的な伝熱計算をすることができる.熱伝導,熱伝達,熱放射などについて,基本的な伝熱計算をすることがある程度できる.熱伝導,熱伝達,熱放射などについて,基本的な伝熱計算をすることができない.
評価項目3熱交換器の基礎を理解し,熱収支を計算することができる.熱交換器の基礎を理解し,熱収支の計算をることがある程度できる.熱交換器の基礎を理解し,熱収支を計算することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
伝熱工学は温度差の結果として物体間に生じる熱の移動形態と移動速度を取り扱う.熱エネルギーを直接取り扱う熱機器(ボイラ,タービン,内燃機関,ヒートポンプなど)の工業分野だけではなく,電子機器や医療など多くのいろいろな分野で伝熱の知識が必要とされている.また,地球環境問題や身の回りの自然現象の理解にも役立つ実用的な学問である.伝熱の各現象について,物理的に理解し,基礎的な理論や考え方を身に付け,具体的事例について解き方や計算方法を修得する.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って内容の要点を板書し,説明を行う.その際に,通常よく遭遇する事例を具体的に紹介する.例題および演習問題の解説をとおして,考え方や解き方を学ばせるとともに,適宜,課題をレポートにして提出させ自分のものとして定着させる.
注意点:
履修にあたり熱力学および流体力学の基礎知識を有することが望ましい.
定期試験(中間+期末)の成績 80 %,課題レポートの成績 20 % を目安として,成績評価を行う.
評価基準:60点以上を合格とする.なお,再試験は学期末に一回行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 伝熱工学とは,伝熱の基本的な形態,基礎用語,熱伝導の基礎理論 伝熱の基本形態を理解し,その伝熱機構及び具体例を説明することができる.フーリエの法則及び熱伝導方程式を理解できる.
2週 一次元定常熱伝導(平板,多層板,円管,球) 平板,多層板,円管,球の定常熱伝導について,温度分布,熱流束,熱抵抗を計算できる.
3週 熱通過(平板,円管) 平板,円管の熱通過について,温度分布,伝熱量,熱抵抗,熱通過率を計算できる.
4週 フィンの伝熱,非定常熱伝導の概要 各種フィンについて,温度分布,伝熱量を計算できる.非定常熱伝導の解法について,理解できる.
5週 対流伝熱の基礎理論,相似則 ニュートンの冷却法則,エネルギー式を理解し説明できる.対流伝熱に関する次元解析と無次元整理式を理解できる.
6週 強制対流熱伝達(平板,円管内) 平板,円管内の強制対流熱伝達の速度境界層と温度境界層を説明し,層流と乱流の場合の熱伝達率を計算することができる.
7週 自然対流熱伝達(平板,円柱) 垂直平板と水平円柱の自然対流熱伝達を説明し,それぞれの平均熱伝達率を算出することができる.
8週 以上の演習問題
放射伝熱の基本法則,黒体と実在面の放射
各種の問題を理解し,解くことができる.放射伝熱の基本法則及び黒体と灰色体の性質について説明することができる.
2ndQ
9週 黒体面間の放射伝熱 黒体二面間の放射伝熱量を計算することができる.
10週 灰色面間の放射伝熱 灰色体二面間の放射伝熱量を計算することができる.
11週 相変化を伴う伝熱,沸騰伝熱,プール核沸騰 沸騰のメカニズム及び沸騰特性曲線を説明し,核沸騰熱伝達率を見積もることができる.
12週 管内流動沸騰 管内流動沸騰の流動様式と伝熱様式を説明し,熱伝達率を算出することができる.
13週 凝縮(膜理論,平板,管外,管群) 体積力及び強制対流凝縮を説明し,各種の凝縮形態における平熱伝達率を算出することができる.
14週 熱交換器の基礎 各種熱交換器の分類や構造を理解し,熱収支の計算方法を応用することができる.
15週 熱交換器の設計法
以上の演習問題
各種熱交換器の伝熱量や伝熱面積を算出することができる.各種の問題を理解し,解くことができる.
16週 試験の答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000