電気磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気磁気学Ⅰ
科目番号 0023 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(エネルギーコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 教科書:電気磁気;西巻正郎/森北出版,参考書:電気磁気学;電気学会編集/オーム社,電気電子工学シリーズ1 電磁気学;岡田龍雄、船木和夫/朝倉書店
担当教員 泉 勝弘

到達目標

1.電荷、クーロンの法則、電界、電位、電気力線とガウスの法則を説明できる。
2.電位差、導体と電荷、静電容量を説明できる。
3.静電容量の組合せ、誘電体、電界のエネルギーと静電気力を説明できる。
4.電流現象を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電荷、クーロンの法則、電界、電位、電気力線とガウスの法則を詳細に説明できる。電荷、クーロンの法則、電界、電位、電気力線とガウスの法則を説明できる。電荷、クーロンの法則、電界、電位、電気力線とガウスの法則を説明できない。
評価項目2電位差、導体と電荷、静電容量を詳細に説明できる。電位差、導体と電荷、静電容量を説明できる。電位差、導体と電荷、静電容量を説明できない。
評価項目3静電容量の組合せ、誘電体、電界のエネルギーと静電気力を詳細に説明できる。静電容量の組合せ、誘電体、電界のエネルギーと静電気力を説明できる。静電容量の組合せ、誘電体、電界のエネルギーと静電気力を説明できない。
評価項目4電流現象を詳細に説明できる。電流現象を説明できる。電流現象を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電磁気学は巨視的電磁気学と微視的電磁気学に大別される。巨視的電磁気学とは、クーロンやアンペア、ファラデーなどの天才たちが発見した数多くの実験的諸事実を、自己矛盾を生ずることなしに統一して説明できるように構成された理論体系をさして言う。したがって、巨視的電磁気学は、またの名を現象論的電磁気学とも呼ばれる。一方、微視的電磁気学とは、量子的な手法に従って、物質の究極的な構造を極めつつ、それの物理的諸性質や電磁気的現象を究明しようとするものである。本授業では、前者の現象論的電磁気学について行う。
授業の進め方・方法:
 初学者にとっては、電気磁気学の理論およびこの説明に使われるベクトル解析・微積分が難解で複雑なものとなる。このようなことで、本授業での電磁気学は、多変数の微積分を使わないで、以下のような項目を、自分の言葉で表現でき、また取り扱う諸量の計算ができることを目標とする。
○静電気現象では、電荷の存在を認めた上で、静電気力、電界、電気力線とガウスの定理、電位差、導体中の電荷、誘電体と静電容量、電界のエネルギーと静電気力などについて理解する。
○電流現象では、導体中での電流、電気抵抗、電源などについて理解する。
注意点:
 全般にわたって、2年生で学ぶ「電気磁気学」との係わりが深く、受講にあたっては、今一度電気磁気学の復習を勧める。
 内容の理解と定着を図るため、必ず予習をして授業に臨み、授業でやったところは教科書本文中の演習問題や章末問題で復習し、理解度のチェックを行うこと。また、教科書各章末にある章末問題等を授業中に前に出て解いてもらう。
 本科目は評価項目に記載した内容の理解と習得の度合いを評価する試験で評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要と静電気力 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
2週 静電気力と電界の強さ 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
3週 点状電荷により生じる電界 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
4週 電界と電気力線 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
5週 点状電荷から出る電気力線 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
6週 ガウスの法則 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
7週 これまでの復習 前期中間までの内容について説明できる。
8週 中間試験 前期中間までの内容について説明・計算できる。
2ndQ
9週 電界と電位差および電位の傾きと電界 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
10週 金属導体中の電荷とその移動 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
11週 金属導体の内部および表面の電荷と電界 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
12週 導体系の電荷と電位 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
13週 静電容量 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
14週 これまでの復習 前期末までの内容について説明できる。
15週 期末試験 前期末までの内容について説明・計算できる。
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 コンデンサの並列接続・直列接続 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
2週 誘電体とキャパシタンス 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
3週 誘電体の分極と比誘電率・誘電率 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
4週 コンデンサに蓄えられるエネルギー 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
5週 電界に蓄えられるエネルギー 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
6週 導体表面に作用する静電気力 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
7週 これまでの復習 後期中間までの内容について説明できる。
8週 中間試験 後期中間までの内容について説明・計算できる。
4thQ
9週 電流と電流密度 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
10週 金属導体中の電流 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
11週 抵抗率とオームの法則 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
12週 温度による抵抗の変化と電気抵抗の直列接続・並列接続 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
13週 電源の等価回路 項目ごとの理論を理解し,説明・計算できる。
14週 これまでの復習 学年末までの内容について説明できる。
15週 期末試験 学年末までの内容について説明・計算できる。
16週 テスト返却と解説 間違った箇所を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3前1
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3前2,前3,前4,前5,前9
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3前6
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3前10,前11,前12
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3後2,後3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3前13
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3後1
静電エネルギーを説明できる。3後4,後5,後6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000