概要:
メカニクスコースでは,材料力学,流体力学,熱力学,機械力学を4力学と呼び機械工学の根幹をなしている.これらの力学を学ぶにあたり,基礎的な力学の考え方を学ぶ事が本講義の目的である.専門創造演習で学習した内容は上記の4力学だけでなく,機械工作や設計などの応用分野においても力学的な考え方が非常に重要になるので,演習を通して学習を行っていく.
授業の進め方・方法:
スライドによる講義を行なう.教科書の各章終了時にレポートを課すので,次回の授業日の翌日朝8時35分までに提出する.
注意点:
物理学,解析学,専門基礎演習の内容を都度復習しておく.
講義には,必ず関数電卓を持参すること.
「中間試験」を40%,「前期期末試験」を40%,「レポート」を20%で評価する.
「ポートフォリオ」は各回10点満点で採点する.1日遅れる毎に1点を減点する.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,力の合成と分解 |
①講義の概要と基礎内容を理解できること. ②SI単位や工学単位で力を示す事が出来る. ③1点に作用する力の合力を求める事ができる.
|
2週 |
剛体に働く力と合力 |
➀1点に2つ以上の力が作用する時の合力を求める事ができる. ②剛体棒に作用する力の合力とその位置を求める事ができる.
|
3週 |
力のつり合い |
①力とモーメントのつり合い方程式を立てる事ができる. ②支持された剛体棒に作用する反力を計算する事ができる. ③トラスの部材に作用する力を切断法で計算する事ができる.
|
4週 |
重心 |
➀連結体の重心を計算する事ができる. ➁連続体の重心を計算する事ができる.
|
5週 |
重心 |
①回転体の重心を計算する事ができる. ②結合体の重心を計算する事ができる. ③穴のあいている物体の重心
|
6週 |
直線運動 |
➀直線運動する物体の変位,速度,加速度に関する関係式を導出する事ができる. ②落体の運動を計算する事ができる.
|
7週 |
平面運動 |
①媒介変数であらわされた平面運動を計算する事ができる. ②回転運動する物体の運動を計算する事ができる.
|
8週 |
中間試験 |
7週までの授業内容について,中間試験を受けて授業内容の理解度を確認すること.
|
2ndQ |
9週 |
運動方程式 |
①運動の第一法則(慣性の法則)を説明できること. ②運動の第二法則を説明でき,力,質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができること. ③運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できること.
|
10週 |
運動方程式 |
①さまざまな問題で運動方程式をたてて計算する事ができる. ②円運動の運動方程式をたてて計算する事ができる.
|
11週 |
剛体の運動 |
①剛体の慣性モーメントを計算する事ができる.
|
12週 |
剛体の運動 |
①角運動方程式をたてて計算する事ができる. ②円運動の慣性モーメントを計算する事ができる.
|
13週 |
運動量とエネルギー |
①動いている物体の運動量を計算できる. ②反発係数を使って反発した物体の計算をする事ができる. ③動く物体のエネルギーを計算する事ができる. ④エネルギー保存則を使って状態を計算する事ができる. ⑤仕事を動力として計算する事ができる.
|
14週 |
摩擦と滑車 |
①物体が摩擦から受ける力を摩擦係数を使って計算する事ができる. ②動滑車と定滑車を組み合わせた装置の計算をする事ができる.
|
15週 |
期末試験 |
14週までの授業内容について,期末試験を受けて授業内容の理解度を確認すること.
|
16週 |
テスト返却と解説 |
試験結果を確認して,各自の理解度を認識すること.
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 3 | 前1,前2,前3 |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 3 | 前1,前2,前3 |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 3 | 前3 |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 3 | 前2,前3 |
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。 | 3 | 前2,前3 |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 3 | 前3 |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 3 | 前4,前5 |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 3 | 前6,前7 |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 3 | 前6,前7 |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 3 | 前9,前10 |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前12 |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 3 | 前10,前11,前12 |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 3 | 前13 |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 3 | 前14 |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 3 | 前13 |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 3 | 前13 |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 3 | 前13 |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 3 | 前14 |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 3 | 前13 |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 3 | 前10,前11 |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 3 | 前10,前11 |