概要:
材料力学Ⅰでは、機械類の設計に必要な強度計算の基本を学ぶ。具体的には、部材に作用する様々な荷重や部材に生じる応力、ひずみについて、その概念、現象を理論的に理解し、計算できることを目指す。また、材料力学Ⅰに出てくる専門用語はすべて英語で書けるように、試験成績のうち20%の配点をこれに当てる。
授業の進め方・方法:
講義を中心とし、適宜講義用の資料を用いて説明する。また、内容の理解と定着をはかるため,授業後毎回その日の授業内容に関する宿題を提出させる。
注意点:
力とモーメントなど物理学の知識を有することが望ましい。また、応力やひずみの計算では微分積分を用いる場合もある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
概要説明、序説・講義 |
荷重の種類および荷重による材料の変形を説明できる。また、応力とひずみに関する定義や公式を理解し、説明できること。
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2週 |
材料試験について |
各種材料試験について説明できる。特に応力ひずみ線図を説明できること。
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3週 |
演習問題 |
応力とひずみに関する公式を使って計算できること。
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4週 |
小テスト(50分)・引張圧縮の簡単な問題①棒の自重による応力と変形 |
棒の自重よって生じる応力とひずみを計算できること。
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5週 |
引張圧縮の簡単な問題②:断面が一様でない棒の伸びと不静定問題 |
断面が変化する棒について、応力と伸びを計算できる。不静定問題を説明できること。
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6週 |
引張圧縮の簡単な問題③:不静定問題 |
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できること。
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7週 |
熱応力、演習 |
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できること。
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
真直梁のせん断力と曲げモーメント①せん断応力と曲げモーメント図の書き方 |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明でき、はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できること。
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10週 |
真直梁のせん断力と曲げモーメント②演習 |
各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できること。
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11週 |
真直梁のせん断力と曲げモーメント③演習 |
各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できること。
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12週 |
小テスト(50分)、真直梁の応力①:図心 |
各種断面の図心を計算できること。
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13週 |
真直梁の応力②:断面二次モーメントと曲げ応力の式 |
各種断面の断面二次モーメントと断面係数を計算でき、曲げモーメントによる曲げ応力とその分布を理解できること。
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14週 |
真直梁の応力③:曲げ応力の計算 |
曲げモーメントによる曲げ応力を計算できること。
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15週 |
前期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
真直梁のたわみ①たわみ曲線の基本式 |
各種のはりについて、たわみ角とたわみを理解できること。
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2週 |
真直梁のたわみ②両端単純支持梁 |
両端単純支持梁について、たわみ角とたわみを計算できること。
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3週 |
真直梁のたわみ③不静定梁 |
不静定梁について、反力およびたわみ角、たわみを計算できること。
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4週 |
小テスト(50分)/ ねじり①:円形面棒のねじり |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力について理解できること。
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5週 |
ねじり②:円形面棒のねじり |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじり角を計算できる。また、丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できること。
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6週 |
ねじり③密巻きコイルばね |
密巻きコイルばねに生じる応力について理解し、計算できること。
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7週 |
ねじり④:演習 |
動力を伝える丸棒に作用するねじりモーメントおよびねじり角、せん断応力を計算できること。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
組み合わせ応力①斜断面に生ずる応力 |
一軸および二軸応力について、任意の斜断面に作用する応力を計算できること。
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10週 |
組み合わせ応力②モールの応力円 |
モールの応力円を理解し、平面応力状態において、主応力が与えられたとき、モールの応力円を用いて、任意の斜面上の応力状態を求めることができること。
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11週 |
組み合わせ応力③モールの応力円 |
平面応力状態において、任意の応力状態が与えられたとき、モールの応力円を用いて、主応力や主せん断応力、任意の斜面の応力状態を求めることができること。
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12週 |
小テスト(50分)、組み合わせ応力⑤:曲げとねじりを受ける軸 |
曲げモーメントとねじりモーメントを受ける軸の応力状態から、主応力および主せん断応力を求めることができること。
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13週 |
組み合わせ応力⑥: 伝動軸の設計 |
曲げとねじりを同時に受ける伝導軸の応力状態から主応力および主せん断応力を計算し、必要な軸径を求めることができること。
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14週 |
組み合わせ応力⑦: 内圧を受ける薄肉円筒 |
内圧を受ける薄肉円筒の応力を計算できること。
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15週 |
学年末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | 前1,前3 |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | 前1,前3 |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
許容応力と安全率を説明できる。 | 3 | 前3 |
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。 | 3 | 前4,前5 |
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。 | 4 | 前6 |
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。 | 4 | 前7 |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 4 | 後4,後5,後6 |
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。 | 4 | 後5,後7 |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 4 | 後6,後7 |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 4 | 前9 |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 4 | 前10,前11 |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 4 | 前10,前11 |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。 | 3 | 前14 |
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。 | 3 | 前12,前13 |
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
多軸応力の意味を説明できる。 | 4 | 後9,後14 |
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。 | 4 | 後10,後11,後13 |