精密加工

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 精密加工
科目番号 0006 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(メカニクスコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 機械系教科書シリーズ16 精密加工学(コロナ社)
担当教員 明石 剛二

到達目標

1.切削加工(研削加工を含む)の原理,切削工具,工作機械の運動を説明できる
2.工具の種類と各部の名称,工作機械の種類と構造を説明できる
3.切削工具材料の条件と種類,切削条件,切削の仕組みを説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1切削加工(研削加工を含む)の原理,切削工具,工作機械の運動を理解し,実際の加工例を含めて説明できる切削加工(研削加工を含む)の原理,切削工具,工作機械の運動を説明できる切削加工(研削加工を含む)の原理,切削工具,工作機械の運動を説明できない
評価項目2工具の種類と各部の名称,工作機械の種類と構造をJISに規定された用語を用いて詳細に説明できる工具の種類と各部の名称,工作機械の種類と構造を説明できる工具の種類と各部の名称,工作機械の種類と構造を説明できない
評価項目3切削工具材料の条件と種類,切削条件,切削の仕組みを理解し,詳細に精密に加工するための説明ができる切削工具材料の条件と種類,切削条件,切削の仕組みを説明できる切削工具材料の条件と種類,切削条件,切削の仕組みを説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ロケットや航空機,自動車,家電製品など機械装置の中に組み込まれている機械・電子部品は誤差が1000 分の1mm 以下あるいは10000 分の1mm 以下といった非常に精密に製作されている部品がある.それは,機械を精密に動かすためには,まず相対する機械部品が精密でなければならないからである.たとえば機械のある部分を真直ぐに動かすためには,その部品を真直ぐに案内する真直ぐな部品が必要になる.また,軸の回転において軸心が振れないようにするには,振れの生じないような精密な軸受が求められる.このような精密部品の作り方は,主に素材から不要なところを取り除いてつくる除去加工である.除去加工は運動精度の高い工作機械を用いて素材に大きな力をかけずに,少しずつ不要なところを取り去り,ほぼその工作機械の運動精度に近い精度で工作物を仕上げる方法である.その方法として刃物で行う切削加工,砥石を使う研削加工およびレーザー加工などの特殊加工がある.しかし加工方法を適切に行わないと高精度に仕上げることはできない.また工具の損耗が激しく高コストになることもある.
この科目では精密に加工するために必要な加工の原理,基本的な考え方,刃物や砥石・砥粒の働き,考慮事項,実際の具体的な形状を加工するための方法などを学習する.最初に刃物について学習する.金属を削る場合はナイフで果物の皮を削るのとは原理が異なる.刃物の強さが削られる金属の数倍しかないからである.このようにあまり強くない刃物でうまく削るにはどのようなことを考慮しなければならないかを学ぶ.次に刃物を使う各種工作機械による具体的な形状の加工方法について学ぶ.円筒形は旋盤,角ものはフライス盤,穴あけはボール盤というように加工する形状によって使用する工作機械や工具が異なる.もっと高い精度の加工方法として砥石を使う研削についても,加工の原理,具体的な形状の加工方法について学ぶ
授業の進め方・方法:
講義を中心とし,講義内容の理解を深めるために,原則として授業毎に演習課題を課し,提出する.
注意点:
2年次のものづくり基礎で得られた知識を復習しておくこと

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 各種工作機械による機械作業(1) 精密加工の必要性とそれに関する技術分野について理解できる
2週 各種工作機械による機械作業(2) 加精度向上の歴史を知ることができる
3週 各種工作機械による機械作業(3) 円筒を削る機械と作業内容を理解できる
4週 各種工作機械による機械作業(4) 平面を削る機械と作業内容を理解できる
5週 各種工作機械による機械作業(5) 穴を削る機械と作業内容を理解できる
6週 各種工作機械による機械作業(6) 特殊な形状を削る機械と作業内容を理解できる
7週 各種工作機械による機械作業(7) といしやと粒を使う機械と作業内容を理解できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 精密に加工するには(1) 精密にならない原因についての事項を理解できる
10週 精密に加工するには(2) 刃物の持つべき性質を理解できる
11週 精密に加工するには(3) 工作機械の持つべき性質を理解できる
12週 精密に加工するには(4) 計測修正加工の重要性と方法を理解できる
13週 精密に加工するには(5) びびり現象と無方向性加工の原理を理解できる
14週 精密に加工するには(6) 環境の重要性を理解できる
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 工具形状(1) 工具材料の種類と特色を理解できる
2週 工具形状(2) 刃先に生じる切削機構を理解できる
3週 工具形状(3) 刃先に生じる切削機構を理解できる
4週 工具形状(4) 刃先に生じる切削機構を理解できるできる
5週 工具形状(5) 切削力に及ぼす因子と切削方程式を理解できる
6週 工具形状(6) 切削力に及ぼす因子と切削方程式を理解できる
7週 工具形状(7) 切削力に及ぼす因子と切削方程式を理解できる
8週 中間試験
4thQ
9週 工具形状(8) 工具の摩耗と寿命について理解できる
10週 加工法(1) 円筒を精密に加工するための考慮事項を理解できる
11週 加工法(2) 平面を精密に加工するための考慮事項を理解できる
12週 加工法(3) 穴を精密に加工するための考慮事項を理解できる
13週 加工法(4) 研削加工で精密に加工するための考慮事項を理解できる
14週 加工法(5) 砥粒加工で精密に加工するための考慮事項を理解できる
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4前1,前2
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4前3
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4前4
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4前5
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4後1
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4後2
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4後3,後4
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4前7
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4後13
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000