機構と要素

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 機構と要素
科目番号 0012 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(メカニクスコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 担当教員が作成したプリント資料
担当教員 坂本 武司

到達目標

1.機械設計の基礎となる内容を理解し説明することができる.
2.目的に応じた機構の種類,寸法,運動を説明することができる.
3.目的に応じた機械要素の種類,材料,寸法を説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械設計の基礎となる内容を理解し,詳細に説明できる.機械設計の基礎となる内容を理解し,概要を説明できる.機械設計の基礎となる内容を理解できず,説明もできない.
評価項目2目的に応じた機構の種類を決定し,その理由を詳細に説明できる.目的に応じた機構の種類を決定し,その理由を簡単に説明できる.目的に応じた機構の種類を決定できない.
評価項目3目的に応じた機械要素の種類,材料,寸法を決定し,その理由を詳細に説明できる.目的に応じた機械要素の種類,材料,寸法を決定し,その理由を簡単に説明できる.目的に応じた機械要素の種類,材料,寸法を決定できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 機構(メカニズム)とは,動力を変換,伝達し,有用な機械的仕事を行う仕組み(からくり)のことである.要素とは,機械を構成する基本的な部品(機械要素)のことである.メカトロニクスに象徴される機械の知能化,超精密加工に象徴される高精度化を根底で支える基礎が「機構と要素」である.
 本授業では,前期に機械の機構(メカニズム)の基礎について,後期に代表的な機械要素について,使用目的に応じた種類・材料の選択,運動・強度の計算について学ぶ.
授業の進め方・方法:
 講義を中心とし,理解を深めるためのレポート課題を複数回提出してもらう.
注意点:
機械製図,機械実習の経験を有していることが望ましい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械の歴史と学問体系 機械の歴史と学問体系を説明できる.
2週 機構の種類 簡単な機構の種類とその仕組みを説明できる.
3週 機械の運動1 仕事の意味を理解し,計算できる.動力の意味を理解し,説明できる.
4週 機械の運動2 てこ,滑車,斜面などを用いる場合の仕事を説明できる.
5週 機構学の基礎 自由度について説明できる.
6週 リンク機構 リンク機構を説明できる.
7週 リンク機構 リンク機構に関する力学計算ができる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 カムについて カムの仕組みと用途について説明できる.
10週 歯車について1 歯車の種類,各部の名称,歯形曲線,歯の大きさの表しかたを説明できる.
11週 歯車について2 すべり率,歯の切下げ,かみあい率を説明できる.標準歯車と転移歯車の違いを説明できる.
12週 歯車について3 標準平歯車について,歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる.
13週 歯車について4 歯車列の速度伝達比を計算できる.
14週 歯車について5 遊星歯車,差動歯車について説明できる.
15週 摩擦伝達要素について 摩擦伝達要素について説明できる.
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 機械設計の基礎1 機械設計の方法を理解できる.
2週 機械設計の基礎2 基準規格の意義を理解できる.
3週 機械設計の基礎3 許容応力,安全率,疲労破壊,応力集中の意味を説明できる.
4週 機械設計の基礎4 トライボロジー,すべり摩擦の意味を理解し,摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる.
5週 機械設計の基礎5 金属材料の腐食,防食について説明できる.
6週 締結要素1 ねじ,ボルト,ナットの種類,特徴,用途,規格を理解できる.
7週 締結要素2 ボルトナット結合における締め付けトルクを計算できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 締結要素3 ボルトに作用するせん断応力,接触面圧を計算できる.
10週 締結要素4 軸継手の種類と用途を理解できる.
11週 締結要素5 リベット,溶接継手について説明できる.
12週 伝達要素1 軸継手の種類と用途を理解できる.
13週 伝達要素2 キーの強度を計算できる.
14週 機械の駆動1 モーターの性能諸元について説明できる.
15週 機械の駆動2 仕様に応じたアクチュエーターを選択できる.
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。4後2
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。3後3
標準規格を機械設計に適用できる。3
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4後5
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。4後6
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4後7
キーの強度を計算できる。4後11
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4後10
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4前10
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4前11
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。4前11
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4前12
歯車列の速度伝達比を計算できる。4前13
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4
力学周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4前3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4前4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4前3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4後4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000