概要:
機構(メカニズム)とは,動力を変換,伝達し,有用な機械的仕事を行う仕組み(からくり)のことである.要素とは,機械を構成する基本的な部品(機械要素)のことである.メカトロニクスに象徴される機械の知能化,超精密加工に象徴される高精度化を根底で支える基礎が「機構と要素」である.
本授業では,前期に機械の機構(メカニズム)の基礎について,後期に代表的な機械要素について,使用目的に応じた種類・材料の選択,運動・強度の計算について学ぶ.
授業の進め方・方法:
講義を中心とし,理解を深めるためのレポート課題を複数回提出してもらう.
注意点:
機械製図,機械実習の経験を有していることが望ましい.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
機械の歴史と学問体系 |
機械の歴史と学問体系を説明できる.
|
2週 |
機構の種類 |
簡単な機構の種類とその仕組みを説明できる.
|
3週 |
機械の運動1 |
仕事の意味を理解し,計算できる.動力の意味を理解し,説明できる.
|
4週 |
機械の運動2 |
てこ,滑車,斜面などを用いる場合の仕事を説明できる.
|
5週 |
機構学の基礎 |
自由度について説明できる.
|
6週 |
リンク機構 |
リンク機構を説明できる.
|
7週 |
リンク機構 |
リンク機構に関する力学計算ができる.
|
8週 |
前期中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
カムについて |
カムの仕組みと用途について説明できる.
|
10週 |
歯車について1 |
歯車の種類,各部の名称,歯形曲線,歯の大きさの表しかたを説明できる.
|
11週 |
歯車について2 |
すべり率,歯の切下げ,かみあい率を説明できる.標準歯車と転移歯車の違いを説明できる.
|
12週 |
歯車について3 |
標準平歯車について,歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる.
|
13週 |
歯車について4 |
歯車列の速度伝達比を計算できる.
|
14週 |
歯車について5 |
遊星歯車,差動歯車について説明できる.
|
15週 |
摩擦伝達要素について |
摩擦伝達要素について説明できる.
|
16週 |
前期末試験 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
機械設計の基礎1 |
機械設計の方法を理解できる.
|
2週 |
機械設計の基礎2 |
基準規格の意義を理解できる.
|
3週 |
機械設計の基礎3 |
許容応力,安全率,疲労破壊,応力集中の意味を説明できる.
|
4週 |
機械設計の基礎4 |
トライボロジー,すべり摩擦の意味を理解し,摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる.
|
5週 |
機械設計の基礎5 |
金属材料の腐食,防食について説明できる.
|
6週 |
締結要素1 |
ねじ,ボルト,ナットの種類,特徴,用途,規格を理解できる.
|
7週 |
締結要素2 |
ボルトナット結合における締め付けトルクを計算できる
|
8週 |
後期中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
締結要素3 |
ボルトに作用するせん断応力,接触面圧を計算できる.
|
10週 |
締結要素4 |
軸継手の種類と用途を理解できる.
|
11週 |
締結要素5 |
リベット,溶接継手について説明できる.
|
12週 |
伝達要素1 |
軸継手の種類と用途を理解できる.
|
13週 |
伝達要素2 |
キーの強度を計算できる.
|
14週 |
機械の駆動1 |
モーターの性能諸元について説明できる.
|
15週 |
機械の駆動2 |
仕様に応じたアクチュエーターを選択できる.
|
16週 |
後期末試験 |
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | 機械設計の方法を理解できる。 | 3 | 後1 |
標準規格の意義を説明できる。 | 4 | 後2 |
標準規格を機械設計に適用できる。 | 3 | |
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。 | 3 | 後3 |
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。 | 4 | 後5 |
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。 | 4 | 後6 |
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。 | 4 | 後7 |
キーの強度を計算できる。 | 4 | 後11 |
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。 | 4 | 後10 |
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。 | 4 | 前10 |
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。 | 4 | 前11 |
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。 | 4 | 前11 |
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。 | 4 | 前12 |
歯車列の速度伝達比を計算できる。 | 4 | 前13 |
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 4 | |
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。 | 4 | |
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 4 | |
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。 | 4 | |
力学 | 周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前3 |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | 前4 |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前3 |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 4 | 後4 |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 4 | |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 4 | |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 4 | |