機械要素設計

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機械要素設計
科目番号 0045 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(メカニクスコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 機械設計法;林則行,冨坂兼嗣,平賀英資(森北出版)
担当教員 堀田 源治

到達目標

1.機械設計を目的とした場合の機械要素の種類,特徴,使い方について理解し,説明できる.
2.機械要素の形状,運動学的な特徴を理解して説明でき,信頼性に関する計算ができる.
3.複数の機械要素間の動力伝達について理解して説明でき,事例を計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械の構成要素の種類と特徴,およびそれらの組合せによる使い方について理解し,正しい語句を使用して詳細に説明できる.機械の構成要素の種類と特徴およびそれらの組合せによる使い方について理解し,説明できる.機械の構成要素の種類と特徴,およびそれらの組合せによる使い方について理解していない.あるいは説明できない.
評価項目2機械要素の運動学的な特徴を理解して正しい語句を使用して詳細に説明でき,信頼性に関してどのような応用例でも正しく計算できる.機械要素の運動学的な特徴を理解して説明でき,信頼性に関する事例を計算できる.機械要素の運動学的な特徴を理解していない.あるいは説明できない.信頼性に関する事例を計算ができない.
評価項目3複数の機械要素間の動力伝達について理解して正しい語句を使用して詳細に説明でき,動力伝達に関するどのような応用例でも正しく計算できる.複数の機械要素間の動力伝達について理解して説明でき,動力伝達に関する事例を計算できる.複数の機械要素間の動力伝達について理解していない.あるいは説明できない.動力伝達に関する事例を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
産業に用いられる機械は多種多様あるが,どの機械も基本的な機械要素から成り立つことは共通している.これらの機械要素について種類,特徴,使い方や動力伝達を学ぶことは将来学生が接するあるいは設計する機械に広く通用するものである.本科目では伝動要素(摩擦車,歯車,巻き掛け伝導要素,ブレーキ),支持要素(すべり軸受け,ころがり軸受け),緩衝要素(ばね),配管要素(管や弁)について学ぶ.また,これらの項目に関連する応用力を身に付ける.この科目は企業で自動化機械の設計を担当していた教員が、その経験を活かし、機械要素の種類、特性、最新の設計手法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義を中心とし,1回目の授業ごとに前回の簡潔な復習を行ってから今回の要点を列挙し,本題の学習に入る.また,ある程度学習した時点で演習問題を実施する.
注意点:
3年次の材料力学,工業力学,機構と要素,材料学の知識を有することが望ましい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 すべり軸受①
2週 すべり軸受② すべり軸受の種類,特徴,使い方が理解できる
3週 ころがり軸受け① すべり軸受の信頼性について計算ができる
4週 ころがり軸受け② ころがり軸受の種類,特徴,使い方が理解できる
5週 ころがり軸受け③ ころがり軸受の型式選定ができる
6週 摩擦伝動装置① 摩擦車の種類,特徴,使い方が理解できる
7週 摩擦伝動装置② 円筒摩擦車の動力計算ができる
8週 前期中間試験 みぞ付き摩擦車の動力計算ができる
2ndQ
9週 摩擦伝動装置③ 円すい摩擦車の動力計算ができる
10週 摩擦伝動装置④ 円すい摩擦車の動力計算ができる
11週 歯車① 歯車の種類,特徴,使い方が
歯形の基礎用語が理解できるモジュール,ピッチ円,円周ピッチが計算できる.
12週 歯車② 歯形曲線の種類,特徴が理解できる
作用線,圧力角,法線ピッチが理解できる
13週 歯車③ かみ合い率,すべり率が計算できる
14週 歯車④ 歯の干渉と転位理論が理解できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格を機械設計に適用できる。4
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。4
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4
軸の種類と用途を理解し、適用できる。4
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。4
キーの強度を計算できる。4
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4
滑り軸受の構造と種類を説明できる。4
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。4
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。4
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4
歯車列の速度伝達比を計算できる。4
力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000