情報システム演習Ⅱ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 情報システム演習Ⅱ
科目番号 3I005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報システムコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 インターネット社会を生きるための情報倫理/実教出版
担当教員 菅沼 明,嘉藤 学

到達目標

1. UNIXオペレーティングシステムの利用技術を身に付けることができる。
2. 基本的なデータ表現法と基本的なアルゴリズムを理解できる。
3. UNIX上のプログラミング環境を用いてプログラムを記述でき、自作プログラムをロードモジュールに変換し実行することができる。
4. HTML言語を用いてWebページを作成することができる。
5. 情報倫理やセキュリティに関する知識を身に付けることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1UNIXオペレーティングシステムの利用技術を身に付け、的確なコマンドを利用することができる。UNIXオペレーティングシステムの利用技術を身に付けることができる。UNIXオペレーティングシステムの利用技術を身に付けることができない。
評価項目2基本的なデータ表現法と基本的なアルゴリズムを理解し、問題の解決に適切に利用できる。基本的なデータ表現法と基本的なアルゴリズムを理解できる。基本的なデータ表現法と基本的なアルゴリズムを理解できない。
評価項目3UNIX上のプログラミング環境を用いてプログラムを記述でき、自作プログラムをロードモジュールに変換し実行でき、コンパイル時のメッセージに応じてプログラムの修正・プログラムのテストで誤りの有無を適切に確認できる。UNIX上のプログラミング環境を用いてプログラムを記述でき、自作プログラムをロードモジュールに変換し実行が行える。UNIX上のプログラミング環境を使うことができないために、プログラムを記述できない、もしくは、自作プログラムをロードモジュールに変換できず実行できない。
評価項目4HTML言語のさまざまな表現法を理解し、様々なタグを利用した修飾や画像などを使ったWebページを作成することができる。HTML言語を用いてWebページを作成することができる。HTML言語を使うことができないため、Webページを作成することができない。
評価項目5情報倫理についての知識を正確に身に付け、適切なセキュリティの対応を取ることができる。情報倫理に関する知識を身に付け、セキュリティに注意を払うことができる。情報倫理に関する知識を身に付けることができず、セキュリティに注意を払うことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 プログラミングIIの講義と連係して、情報系技術者としてのリテラシとしてUNIXを修得する。さらに、C言語による実際のプログラム開発を通じて、アルゴリズムの理解、プログラミング技術の理解を深めるための演習を行う。
 C言語によるプログラミングが主な内容ではあるが、それ以外に下の2項目にも触れる。1つ目は、Webページを作成し公開(限定公開)することで、HTML(Hyper Text Markup Language)を習得することである。HTMLのソースファイルの書き方、各種タグ、画像の取り込み方、リンクの記述方法について理解する。2つ目は、情報倫理について理解を深めることである。現在の情報社会のなかで特に留意すべきこと(例えばプライバシー、知的所有権、情報セキュリティ等)について知識を深める。
 この科目はSDGsの目標のうち、「4.質の高い教育をみんなに」と「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」、「12.つくる責任つかう責任」に関連する。
授業の進め方・方法:
 プログラミング演習、Webページ作成は演習室でPCを使用して実施する。同期に開講するプログラミングⅡと連携して年間で30問程度のプログラミング課題を出す予定であり、各自課題に取り組む。作成したプログラムはファイルで提出する。
 UNIXと情報倫理に関しては、解説を行った後に小テストを実施する。演習室でのプログラミングの時間を十分確保するため、これらの解説と小テストはプログラミングⅡの時間に実施する。しかし、小テストの成績は情報システム演習Ⅱの評価に含める。
注意点:
 プログラミングⅠや情報システム演習Ⅰで学習したUNIXについて発展的内容を学習する。情報システム演習Ⅰで学習したC言語プログラミングの発展的内容を学習する。
 「ポートフォリオ」は、授業中に実施する「UNIX、情報倫理に関する小テスト」40%と、授業で出題する「プログラミング課題」60%の点数で評価する。プログラミング課題の評価の観点は、(1)〆切を守ること、(2)エラーなしにプログラムが動作すること、(3)各課題に記されているプログラミングの方針に従っていること、(4)インデントやコメントで読みやすいプログラムを書いていることである。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、UNIX演習、安全教育 UNIXの基本コマンドを使うことができる。ホームディレクトリ内の整理ができる。安全に関する注意事項を理解できる。
2週 UNIX演習、プログラミング演習 UNIXの基本コマンドを使うことができる。関数に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
3週 UNIX演習、プログラミング演習 UNIXの基本コマンドを使うことができる。関数に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
4週 UNIX演習、プログラミング演習 UNIXの基本コマンドを使うことができる。関数に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
5週 emacsの操作、プログラミング演習 emacsを使ってファイルの編集ができる。関数に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
6週 プログラミング演習 関数に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
7週 プログラミング演習 関数に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
8週 プログラミング演習 関数に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
2ndQ
9週 プログラミング演習 配列に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
10週 プログラミング演習 配列に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
11週 プログラミング演習 配列・構造体に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
12週 プログラミング演習 構造体に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
13週 プログラミング演習 構造体に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
14週 プログラミング演習 構造体に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
15週 プログラミング演習 構造体に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 情報倫理・プログラミング演習 情報と情報社会、個人情報と知的財産について理解できる。ポインタに関するプログラミング演習課題を解くことができる。
2週 情報倫理・プログラミング演習 ネットワークにおけるコミュニケーションとマナーについて理解できる。ポインタに関するプログラミング演習課題を解くことができる。
3週 情報倫理・プログラミング演習 情報社会における生活について理解できる。ポインタに関するプログラミング演習課題を解くことができる。
4週 情報倫理・プログラミング演習 情報セキュリティとネット被害について理解する。ポインタに関するプログラミング演習課題を解くことができる。
5週 プログラミング演習 ポインタに関するプログラミング演習課題を解くことができる。
6週 プログラミング演習 ポインタに関するプログラミング演習課題を解くことができる。
7週 プログラミング演習 ポインタに関するプログラミング演習課題を解くことができる。
8週 Webページの作成 Webページで使われているHTMLに関して理解できる。簡単なWebページをHTMLで記述できる。
4thQ
9週 Webページの作成 簡単なWebページをHTMLで記述できる。
10週 プログラミング演習 ファイル入出力に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
11週 プログラミング演習 ファイル入出力に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
12週 プログラミング演習 ファイル入出力・コマンドライン引数に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
13週 プログラミング演習 コマンドライン引数に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
14週 プログラミング演習 コマンドライン引数に関するプログラミング演習課題を解くことができる。
15週 Webページの作成 最終的に自分のWebページを作成し、適切な形で公開できる。作成したWebページの工夫した点をまとめて、簡単なレポートを作成し、提出できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,後1,後2,後3,後4,後5,後6
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
変数の概念を説明できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
データ型の概念を説明できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後3,後4,後5,後6,後7
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後3,後4,後5,後6,後7
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後15
情報数学・情報理論コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4前1,前2,前3,前4,後8,後9,後10,後11,後12,後15
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4後1,後2,後3,後4
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。4後2,後3,後4
基本的な暗号化技術について説明できる。3後3,後4
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4後3,後4
分野別の工学実験・実習能力情報系分野(実験・実習能力)情報系分野(実験・実習能力)与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力000030030
専門的能力000070070
分野横断的能力0000000