電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 3I007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報システムコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 「例題で学ぶやさしい電気回路(直流編)」,「 例題で学ぶやさしい電気回路(交流編)」/ 堀 浩雄 著:森北出版株式会社
担当教員 原 武嗣

到達目標

1. 直流回路の計算ができる.(電流,電圧,電力,抵抗などの値)
2. 交流回路の性質を理解し,フェーザ表示を用いた計算ができる.
3. 共振回路の概念を理解できる.
4. 交流の電力について理解し、計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1直列、並列回路およびそれらを組み合わせた直流回路の電流,電圧、電力の計算ができ,その応用例を説明できる.直列,並列回路およびそれらを組み合わせた直流回路の電流,電圧、電力の計算ができる.直流回路の計算ができない.
評価項目2正弦波交流の電圧や電流の性質について説明でき,フェーザ表示を用いて正しい回路計算ができる.正弦波交流の電圧や電流の性質について説明ができ,簡単な計算ができる,正弦波交流の電圧や電流の性質について説明できない.
評価項目3共振特性について説明でき,回路計算ができる.共振特性について説明できる.共振特性について説明できない.
評価項目4有効電力,無効電力,皮相電力について説明と計算ができる.有効電力,無効電力,皮相電力について説明と簡単な計算ができる.有効電力,無効電力,皮相電力について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気回路は,各種集積回路やデバイスから通信,情報処理システムに至る広範な電子技術の根幹をなす基礎科目である.それ故,電子系・情報系のどちらを目指そうとする学生にとっても重要な専門科目である.本授業にて,直流回路および交流回路の基礎を学び,今後学ぶ電子系専門科目を学んでいくための十分な土台を築く.
本科目は,SDGsの17の目標のうち「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」に関連している.
授業の進め方・方法:
講義を中心とする.必要に応じて演習の時間やレポート課題を課す.各個人の予習と復習を強く望む.
注意点:
微積分,三角関数等の初歩計算を自在に使えること.三角関数のグラフを正しく描けること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 直列接続と合成抵抗 直列接続された回路の合成抵抗を計算できる.
2週 電圧の分配 直列接続された複数の抵抗に対し,電圧がどのように生じるのかを説明できる.
3週 倍率器 倍率器の働きについて説明できる.
4週 並列接続と合成抵抗 並列接続された回路の合成抵抗を計算できる.
5週 電流の分配 並列接続された複数の抵抗に対し,電流がどのように流れるのかを説明することができる.
6週 分流器 分流器の働きについて説明できる.
7週 ブリッジ回路 ブリッジ回路の性質を説明できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 テストの返却と解説,第8週までの授業内容のまとめ
10週 直流電圧源と直流電流源 直流電圧源および電流源の回路図を描き,使い方を説明できる.
11週 キルヒホッフの法則①(直流回路) キルヒホッフの第一法則,第二法則を用いて簡単な直流回路の計算ができる.
12週 キルヒホッフの法則②(直流回路) キルヒホッフの第一法則,第二法則を用いて複雑な直流回路の計算ができる.
13週 電力と電力量 直流回路における電力および電力量について理解し,その計算ができる.
14週 最大電力 直流回路において消費電力が最大となる条件を説明し,最大消費電力の計算ができる.
15週 期末試験
16週 テストの返却と解説,前期授業内容のまとめ
後期
3rdQ
1週 正弦波交流 正弦波交流の性質を理解し,電流や電圧を様々な形式で示すことができる.
2週 複素数とその演算 回路計算に必要な最低限の複素数計算ができる.
3週 交流回路の計算 複素数(フェーザ)表示を用いて交流回路の計算ができる.
4週 インピーダンス インピーダンスの計算ができ,複素平面上に描くことができる.
5週 アドミタンス アドミタンスの計算ができ,複素平面上に描くことができる.
6週 直並列回路のインピーダンス 直並列回路のインピーダンスを計算でき,複素平面上に描くことができる.
7週 直並列回路のアドミタンス 直並列回路のアドミタンスを計算でき,複素平面上に描くことができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 テスト返却と解説,第8週までの授業内容のまとめ
10週 直列および並列共振回路 直列および並列共振特性を説明できる.
11週 交流の電力① 有効電力と力率の意味を理解し,計算ができる.皮相電力の意味を理解し,計算ができる.
12週 交流の電力② 無効電力と無効率の意味を説明し,計算ができる.交流の電力を複素数で表示できる.
13週 キルヒホッフの法則①(交流回路) 交流回路においてキルヒホッフ第一,第二法則の式を立てることができる.
14週 キルヒホッフの法則②(交流回路) 枝電流法,網目法,接続点法などの解法について違いを理解できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説,後期授業内容のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前11,前12
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前7
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3前13,前14
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3後1
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3後1
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3後2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3後2,後3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3後3,後11,後12
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3後3,後4,後5,後6,後7,後11,後12
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3後9,後10
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3後11,後12
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000