1. 直流回路の計算ができる.(電流,電圧,電力,抵抗などの値)
2. 交流回路の性質を理解し,フェーザ表示を用いた計算ができる.
3. 共振回路の概念を理解できる.
4. 交流の電力について理解し、計算ができる.
概要:
電気回路は,各種集積回路やデバイスから通信,情報処理システムに至る広範な電子技術の根幹をなす基礎科目である.それ故,電子系・情報系のどちらを目指そうとする学生にとっても重要な専門科目である.本授業にて,直流回路および交流回路の基礎を学び,今後学ぶ電子系専門科目を学んでいくための十分な土台を築く.
本科目は,SDGsの17の目標のうち「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」に関連している.
授業の進め方・方法:
講義を中心とする.必要に応じて演習の時間やレポート課題を課す.各個人の予習と復習を強く望む.
注意点:
微積分,三角関数等の初歩計算を自在に使えること.三角関数のグラフを正しく描けること.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
直列接続と合成抵抗 |
直列接続された回路の合成抵抗を計算できる.
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2週 |
電圧の分配 |
直列接続された複数の抵抗に対し,電圧がどのように生じるのかを説明できる.
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3週 |
倍率器 |
倍率器の働きについて説明できる.
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4週 |
並列接続と合成抵抗 |
並列接続された回路の合成抵抗を計算できる.
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5週 |
電流の分配 |
並列接続された複数の抵抗に対し,電流がどのように流れるのかを説明することができる.
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6週 |
分流器 |
分流器の働きについて説明できる.
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7週 |
ブリッジ回路 |
ブリッジ回路の性質を説明できる.
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
テストの返却と解説,第8週までの授業内容のまとめ |
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10週 |
直流電圧源と直流電流源 |
直流電圧源および電流源の回路図を描き,使い方を説明できる.
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11週 |
キルヒホッフの法則①(直流回路) |
キルヒホッフの第一法則,第二法則を用いて簡単な直流回路の計算ができる.
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12週 |
キルヒホッフの法則②(直流回路) |
キルヒホッフの第一法則,第二法則を用いて複雑な直流回路の計算ができる.
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13週 |
電力と電力量 |
直流回路における電力および電力量について理解し,その計算ができる.
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14週 |
最大電力 |
直流回路において消費電力が最大となる条件を説明し,最大消費電力の計算ができる.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テストの返却と解説,前期授業内容のまとめ |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
正弦波交流 |
正弦波交流の性質を理解し,電流や電圧を様々な形式で示すことができる.
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2週 |
複素数とその演算 |
回路計算に必要な最低限の複素数計算ができる.
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3週 |
交流回路の計算 |
複素数(フェーザ)表示を用いて交流回路の計算ができる.
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4週 |
インピーダンス |
インピーダンスの計算ができ,複素平面上に描くことができる.
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5週 |
アドミタンス |
アドミタンスの計算ができ,複素平面上に描くことができる.
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6週 |
直並列回路のインピーダンス |
直並列回路のインピーダンスを計算でき,複素平面上に描くことができる.
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7週 |
直並列回路のアドミタンス |
直並列回路のアドミタンスを計算でき,複素平面上に描くことができる.
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
テスト返却と解説,第8週までの授業内容のまとめ |
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10週 |
直列および並列共振回路 |
直列および並列共振特性を説明できる.
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11週 |
交流の電力① |
有効電力と力率の意味を理解し,計算ができる.皮相電力の意味を理解し,計算ができる.
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12週 |
交流の電力② |
無効電力と無効率の意味を説明し,計算ができる.交流の電力を複素数で表示できる.
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13週 |
キルヒホッフの法則①(交流回路) |
交流回路においてキルヒホッフ第一,第二法則の式を立てることができる.
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14週 |
キルヒホッフの法則②(交流回路) |
枝電流法,網目法,接続点法などの解法について違いを理解できる.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説,後期授業内容のまとめ |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 3 | 前1 |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10 |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 3 | 前11,前12 |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10 |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 3 | 前7 |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 3 | 前13,前14 |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 3 | 後1 |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 3 | 後1 |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 3 | 後2 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | 後3,後11,後12 |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | 後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 3 | 後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | 後3,後4,後5,後6,後7,後11,後12 |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 3 | 後9,後10 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 3 | 後11,後12 |
情報系分野 | その他の学習内容 | オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |