アルゴリズムⅠ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 アルゴリズムⅠ
科目番号 4I003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(情報システムコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 アルゴリズムとデータ構造;石畑清/岩波書店
担当教員 嘉藤 学

到達目標

1.計算量、再帰等について説明できるとともに、計算量を求めることができ、また再帰関数を記述できること
2.整列アルゴリズムを説明でき、それらの一部をプログラムとして実現できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1計算量、再帰等について明確に説明できる。また、主要なアルゴリズムの計算量を求めることができ、比較的複雑な再帰関数を記述できる。計算量、再帰等について説明できる。また、基本的なアルゴリズムの計算量を求めることができ、簡単な再帰関数を記述できる。計算量、再帰等について説明できない。また、基本的なアルゴリズムの計算量を求めることができず、簡単な再帰関数を記述できない。
評価項目2整列アルゴリズムを明確に説明でき、それらの一部を実用的なプログラムとして実現できる。整列アルゴリズムを説明でき、それらの一部をプログラムとして実現できる。整列アルゴリズムを説明できない。また、それらの一部をプログラムとして実現できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 本授業では、情報科学分野の基礎であるアルゴリズムについて学習する。コンピュータに何らかの問題を解かせる場合、計算の手順(アルゴリズム)を設計する必要がある。その際、問題に適したデータ構造(メモリ上のデータ表現形式)を採用することになる。アルゴリズムをプログラムとして表現し、コンピュータで実行して問題の解を得る。
 本授業では、アルゴリズムに関する基本概念である計算量、再帰、整列アルゴリズムについて学ぶ。
 理論だけではなく、プログラミング演習を通して実践的な力を付けることも目指す。
 なお、本科目はSDGsの目標「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」に合致している。
授業の進め方・方法:
講義形式と演習形式を混合して授業を進める。事前学習および講義で学習した内容をプログラミング演習で確認することで実践力を身に付ける。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学修として調査課題やプログラミング課題を課す。
注意点:
C言語を用いてプログラムを作成するため、関数、配列、ポインタ等の理解が必要である。また、Excelでグラフを作成する。
課題20%で評価する。課題の提出期限を厳守すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
・関数の復習
・C言語の簡単な関数が記述できること
2週 ・再帰 ・再帰とは何であるかを説明できること
・再帰関数が記述できること
3週 ・再帰 ・再帰関数が記述できること
4週 ・再帰 ・再帰関数が記述できること
5週 ・再帰
・アルゴリズムの基本概念
・再帰関数の呼び出し回数がカウントできること
・アルゴリズムの概念を説明できること
6週 ・アルゴリズムの基本概念 ・計算量を説明できること
・O記法を説明できること
7週 ・アルゴリズムの基本概念 ・アルゴリズムの計算量を求めることができること
8週 ・前期中間試験
2ndQ
9週 ・試験返却
・整列
・問題の解答を通じて理解を深めること
・整列(ソーティング)とは何かを理解できること
・素朴なアルゴリズム(選択法、挿入法等)を理解できること
・素朴なアルゴリズムの計算量(比較回数、交換回数等)を理解できること
10週 ・整列 ・素朴なアルゴリズム(選択法、挿入法等)の関数を記述できること
11週 ・整列 ・洗練されたアルゴリズム(クイックソート、ヒープソート等)を理解できること
・洗練されたアルゴリズムの計算量を理解できること
12週 ・整列 ・クイックソートの関数を記述できること
・CPU時間でアルゴリズムの性能を比較するためのプログラムを作成できること
13週 ・整列 ・CPU時間でアルゴリズムの性能を比較するためのプログラムを作成できること
14週 ・整列 ・CPU時間でアルゴリズムの性能を比較できること
15週 ・前期末試験
16週 ・試験返却
・整列
・問題の解答を通じて理解を深めること
・CPU時間でアルゴリズムの性能を比較できること

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。4前5,前6
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。4前2,前3,前4,前6
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。4前2,前3,前4,前6
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。4前9,前10,前11,前12
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。4前6,前7,前12,前13,前14,前16
領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。4前6,前7
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。4前11
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。4前7
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。4前9,前10
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。4前1
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4前1
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
専門的能力80000200100