情報システム演習Ⅲ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 情報システム演習Ⅲ
科目番号 4I008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 創造工学科(情報システムコース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 なし(プリントによる資料を配付)
担当教員 森山 英明

到達目標

1.演習を通じて,オペレーティングシステム,計算機アーキテクチャ,プログラミング,アルゴリズムなどの授業の関連性を認識することができる
2.オブジェクト指向プログラミング言語の概念を理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準的な到達レベルに加え,効率の良いアルゴリズムの選択やデータ管理ができる.これまでに学習した 情報工学の知識を用いて,ソフトウェア開発ができる.ソフトウェアの開発を行うことができない.
評価項目2標準的な到達レベルに加え,適切な開発環境とプログラミング言語を選択し開発できる.オブジェクト指向プログラミングの概念を理解し,特徴を活かした開発ができる.オブジェクト指向プログラミングによる開発を行うことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータシステムに関して学んだ様々な理論や技術を再認識し,実際のコンピュータ上で動作するプログラムを実現することを目的とする.特に,オブジェクト指向プログラミング言語と統合開発環境を用いた手法に関して演習を通じて理解を深め,実際にこれらを用いたソフトウェア開発を行うことで,理解を深めることを目的とする.
授業の進め方・方法:
授業の最初に講義を行い,演習課題を出題する.課題によっては,資料収集やレポート作成が授業時間外にも及ぶ可能性がある.また,ソフトウェア開発では,各自の企画や進捗により,授業時間外に開発する必要がある.
注意点:
プログラミングやアルゴリズムを始めとするプログラミング技術が必須となる. また,システムプログラムや計算機工学などのコンピュータシステム自身の概念的な理解も必要である.
参考書:
・オペレーティングシステム入門[新版];古市栄治/日本理工出版会
・C言語によるプログラミング[基礎編]、[応用編];内田智史/オーム社
・はじめてのC;椋田/技術評論社

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 知的所有権 プログラムやインターネット上の情報に関する著作権を整理し,考察できること.
2週 サイバー犯罪とネットワークマナー サイバー犯罪に関する統計とネットワークマナーに関する情報を整理し,考察できること.
3週 不正アクセスとコンピュータウィルス 不正アクセス行為とコンピュータウィルスの動作を把握し,防御手段を考察できること.
4週 入門的オブジェクト指向1 オブジェクト指向の概念を理解し,身の回りにどのようなオブジェクトがあるか考察できること.
5週 入門的オブジェクト指向2 オブジェクト指向を利用することの利点と特徴的なキーワードを整理し説明できること.
6週 オブジェクト指向スクリプト言語1 演習を通じて,スクリプト言語の概念を理解できること.
7週 オブジェクト指向スクリプト言語2 JavaScriptを用いた演習を通じて,スクリプト言語を理解できること.
8週 オブジェクト指向プログラミング言語1 オブジェクト指向プログラミング言語を用いて,基本的なプログラムを作成できること.
2ndQ
9週 オブジェクト指向プログラミング言語2 クラスや継承などの特徴的な概念を理解し,これらを用いたプログラムを作成できること.
10週 オブジェクト指向プログラミング言語3 他のオブジェクト指向プログラミング言語や統合開発環境の情報を整理し説明できること.
11週 統合開発環境を用いたプログラム開発1 統合開発環境を用いて,簡単なGUIのプログラムを作成できること.
12週 統合開発環境を用いたプログラム開発2 統合開発環境で用意されている様々な部品の使い方を理解できること.
13週 統合開発環境を用いたプログラム開発3 プログラムの作成を通じて,イベントプロシージャの扱いを理解できること.
14週 統合開発環境を用いたプログラム開発4 これまでの演習の応用として,指示された簡単なソフトウェアを自分で設計し,開発できること.
15週 ソフトウェア開発の手順 ソフトウェア開発で必要となる一連の開発工程を理解できること.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4前6,前7,前8,前9,前10
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4前6,前7,前8,前9,前10
変数の概念を説明できる。4前6,前7,前8,前9,前10
データ型の概念を説明できる。4前6,前7,前8,前9,前10
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。4前6,前7,前8,前9,前10
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。4前6,前7,前8,前9,前10
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4前6,前7,前8,前9,前10
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4前8,前9,前10,前11
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。4前11
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。4前6,前7
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。4前11
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。4前12
主要な計算モデルを説明できる。4前12
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。4前14
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。4前14
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。4前14
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。4前14
ソフトウェアソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。4前15
計算機工学基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前7
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前7
コンピュータシステムシステム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。4前15
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。4前15
プロジェクト管理の必要性について説明できる。4前15
WBSやPERT図など、プロジェクト管理手法の少なくとも一つについて説明できる。4前15
ER図やDFD、待ち行列モデルなど、ビジネスフロー分析手法の少なくとも一つについて説明できる。4前15
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4前1
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4前1
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。4前1
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4前3
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。4前2
基本的なアクセス制御技術について説明できる。4前2
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4前3
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。4前11
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4前11
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。4前11
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。4前11
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。4前11
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。4前11
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。4前14
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2前15
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。2前4,前5,前13
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前13
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。2前15
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。2前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力000030030
専門的能力000060060
分野横断的能力000010010