電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 有明工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報システムコース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 例題で学ぶやさしい電気回路(直流編),例題で学ぶやさしい電気回路(交流編),堀 浩雄 著:森北出版株式会社
担当教員 原 武嗣

到達目標

1.直流回路の基礎的計算ができる.(電流,電圧,電力,抵抗などの値)
2.交流回路の性質を理解し,フェーザ表示を用いた計算ができる.
3.逆回路,定抵抗回路の概念を理解できる.
4.共振回路の概念を理解できる.
5.網目法,接続点法を用いて交流回路の解析ができる.
6.交流回路の電力について計算と説明ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1直列,並列回路およびそれらを組み合わせた直流回路の計算ができ,その応用例を説明できる.直列,並列回路およびそれらを組み合わせた直流回路の計算ができる.直流回路の計算ができない.
評価項目2正弦波交流の電圧や電流の性質について説明でき,フェーザ表示を用いて正しい回路計算ができる.正弦波交流の電圧や電流の性質について説明ができ,簡単な計算ができる.正弦波交流の電圧や電流の性質について説明できない.
評価項目3逆回路を示し,その応用例である定抵抗回路を設計することができる.逆回路を示し,応用例である定抵抗の意味を理解出来る.逆回路を示すことができない.
評価項目4直列,並列回路における回路の周波数特性を説明でき,回路計算、グラフ表示ができる.直列,並列回路における回路の周波数特性を説明でき、回路計算ができる.直列,並列回路における回路の周波数特性を説明できない.
評価項目5枝電流法,網目法,接続点法を用いて複雑な回路における電流や電圧を計算することができる.枝電流法,網目法,接続点法を理解でき、簡単な回路における電流や電圧を計算することができる.枝電流法,網目法,接続点法を理解できない.
評価項目6有効電力,無効電力,皮相電力について説明と計算ができる.加えて,交流の電力を複素数にて示す(複素電力表示)ことができる.有効電力,無効電力,皮相電力について説明と簡単な計算ができる.有効電力,無効電力,皮相電力について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気回路は,各種集積回路やデバイスから通信,情報処理システムに至る広範な電子技術の根幹をなす基礎科目である.それ故,電子系・情報系のどちらを目指そうとする学生にとって,重要な専門科目と言える.本授業にて,直流回路および交流回路の基礎を学び,今後学ぶ電子系専門科目を学んでいくための十分な土台を築く.
授業の進め方・方法:
講義を中心とする.必要に応じて演習の時間やレポート課題を課す.各個人の予習と復習を強く望む.
注意点:
微積分,三角関数等の初歩計算を自在に使えること.三角関数のグラフを正しく描けること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 直列接続と合成抵抗 直列接続された回路の合成抵抗を計算できる.
2週 電圧の分配 直列接続された複数の抵抗に対し,電圧がどのように生じるのかを説明できる.
3週 倍率器 倍率器の働きについて説明できる.
4週 並列接続と合成抵抗 並列接続された回路の合成抵抗を計算できる.
5週 電流の分配 並列接続された複数の抵抗に対し,電流がどのように流れるのかを説明することができる.
6週 分流器 分流器の働きについて説明できる.
7週 ブリッジ回路 ブリッジ回路の性質を説明できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 直流電圧源 直流電圧源の回路図を描き,使い方を説明できる.
10週 直流電流源 直流電流源の回路図を描き,使い方を説明できる.
11週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの第一法則、第二法則を用いて回路計算ができる。
12週 電力 直流回路における電力について理解し,その計算ができる.
13週 電力量 直流回路における電力量について理解し,その計算ができる.
14週 最大電力 直流回路において消費電力が最大となる条件を説明し,最大消費電力の計算ができる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説
後期
3rdQ
1週 正弦波交流 正弦波交流の性質を理解し,電流や電圧を様々な形式で示すことができる.
2週 複素数とその演算 回路計算に必要な最低限の複素数計算ができる.
3週 交流回路の計算 複素数(フェーザ)表示を用いて交流回路の計
算ができる.
4週 インピーダンス インピーダンスの計算ができ,複素平面上に描くことができる.
5週 アドミタンス アドミタンスの計算ができ,複素平面上に描くことができる.
6週 直並列回路のインピーダンス 直並列回路のインピーダンスを計算でき,複素平面上に描くことができる.
7週 直並列回路のアドミタンス 直並列回路のアドミタンスを計算でき,複素平面上に描くことができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 直列共振回路 直列共振特性を説明できる.
10週 並列共振回路 並列共振特性を説明できる.
11週 有効電力 有効電力と力率の意味を説明し,計算ができる..
12週 無効電力 無効電力と無効率の意味を説明し,計算ができる.
13週 皮相電力 皮相電力の意味を説明し,計算ができる.
14週 複素電力 交流の電力を複素数で表示できる.
15週 期末試験
16週 テスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4前11
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4前2,前3,前4,前5
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4前12,前13,前14
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4後1
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4後1
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4後2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4後2,後3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4後3,後4,後5,後6,後7
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4後9,後10
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4前12,前13,前14
電磁気電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000