概要:
建築設計演習Ⅰでは、基礎的な製図知識・技法や、木造住宅のコピーなどを通じて建築設計図面の描き方・表現方法について学習した。いわば、建築設計を行うための準備を、身につけてきたと言える。
建築設計演習Ⅱでは、そうした蓄積の上に立って、実際に近いかたちで、建築の計画・設計ができるようになることを目的として授業を進めていく。上記の目標を達成するために、さらに細かく下記のように目標を定める。
1) 空間デザインで学んだ空透視図法および建築設計演習Ⅰで学んだ建築模型のつくり方を応用し学び、空間を立体的に表現する技術を身につける
2) これまで学習したことを基本に、学外で催される設計コンペに応募する。その中で,自らの構想を図面にまとめる力を養うこと。そして、現時点における自分の設計能力がどのようなレベルにあるのかを知り、今後の設計演習に活かす。
3) 図面化を通じて、鉄筋コンクリート造についての理解を深める。鉄筋コンクリート造の建築物を計画・設計するときのポイントを理解し、作図ができること。
4) 鉄筋コンクリート造の独立住宅の設計を通して、計画・設計の進め方を理解し、それができるようになることを目指す。そのために、実際の敷地を設定し家族構成や床面積を与条件として各自のコンセプトのもと設計を行う。その中で、設計の方法、デザインの方法等を学習しながら模型を製作し図面を作成できること。
授業の進め方・方法:
本科目では,提出された作品で評価する。そこでは,提出期限内に、各課題の要求に応えうる作品を仕上げることができるかを見る。(遅れた場合や未完成の作品を提出した場合は、その度合いに応じて減点)上記についてわかりやすく図面表現できているか、および講評会でのプレゼンテーションがわかりやすかったか、わかりやすく伝えるための工夫がされていたかを評価する。
注意点:
設計コンペや独立住宅の設計なども授業時間内だけでは終わらないので、夏期休暇中や休日、放課後などの授業時間外を使って計画的に進めること。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 計画・歴史 | モデュールについて説明できる。 | 4 | 前11,前12,後1 |
建築設計に関わる基本的な家具をはじめとする住設備機器などの寸法を知っている。 | 4 | 前11,前12,後1 |
居住系施設(例えば、独立住宅、集合住宅など)の計画について説明できる。 | 4 | 前7,後1,後5,後15 |
設計・製図 | 製図用具の特性を理解し、使用できる。 | 4 | 前1,前4,前5,前14,前15,後3 |
線の描き分け(3種類程度)ができる。 | 4 | 前3,前4,前5,前14,前15,後3,後4 |
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。 | 4 | 前13,前14,前15,後2,後3,後4 |
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。 | 4 | 前10,前11,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4 |
図面の種類別の各種図の配置を理解している。 | 4 | 前11,前12,前13,前14,前15,後2,後3,後4 |
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。 | 4 | 前12,前13,前14,前15,後3,後4 |
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。 | 4 | 前3,前4,前5,前14,前15,後3,後14 |
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。 | 4 | 前2,後13,後14 |
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。 | 3 | 前7,前8,後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。 | 3 | 前7,前8,前9,前10,後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。 | 3 | 前9,前10,後7,後8,後9,後10,後11,後12 |
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。 | 3 | 前7,前8,前10,後5,後6,後7,後8,後9 |
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。 | 3 | 前9,前10,後10,後11,後12 |
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。 | 3 | 前6,前10,後15 |